今日の市況(2008年)(2008年11月26日)
第二の矢が放たれましたが…株式市場はもみあいです。
流石、アメリカですね。日本が10年も掛かったことを僅か1年半でやっています。
投資銀行業務の破綻はドルの信認を揺るがし、アメリカの覇権時代が終るという見方が色んな形で報じられています。確かに円・ドルの関係だけを見ると、そう感じるかもしれませんが、ユーロとの比較はどう説明するのでしょう。基本的に、今の為替はドル回帰の現象なのでしょう。すなわち投資資金の急速な縮小が始まっています。最近ようやく、ドバイの経済が変調をきたしニュースになっています。ロシアは北方領土を餌にして日本に接近を謀っている動きなども、この一貫性の流れなのでしょう。
それにしても…遂にSQでもないのに、出来高急増ランキング30社のなかで、TicK回数が100以上の企業が6社しかないという珍現象が出現しました。市場はかなり閑散な状態を示しています。商いのある中で目立ったのはソフトバンクや日本製鋼所(アーム)などです。アームは仏国アレバ社と原子力発電機器の主要部材に用いられる大型鍛鋼品の長期の供給について合意し増産をします。原子炉容器部材は技術が必要でアームがほぼ独占状態です。アレバ社から設備投資資金を出すから増産をして欲しい。と依頼されたとか…。こんな事は現実にあるのですね。だから長期購買契約を結んだのです。他の部門は、かなり苦戦しています。僅かですがアレバは、アームの株式を買っています。このような現象は資源を購入する為に、株主になる現象に似ています。お金より製品が欲しいのです。だから株主になる。
このように材料株は上がっていましたが、あまり腰が入っていません。先物の動きに振り回されている印象です。一昨晩に発表されたシティーバンクへの二度目の公的資金投入と不良資産に対する政府保証などは異例の対策ですね。民間企業が仕掛けた失敗を、税金で賄うというのですから…。昨晩は第二の矢が放たれ、FRBが住宅担保ローン(MBS)や資産担保証券(ABS)を買うと言います。急激に縮小している金融機能を必死になって支えていますね。イギリスでは貸し渋りがひどく、銀行の国有化説まで飛び出しす有様です。
こんな環境の中で、この対策を受け米国金融株は上がり始めました。なんとNY市場の3連騰はリーマンが倒産した9月15日以降、初めてだそうです。やはり今回の米国金融の対策は本物の匂いがします。私は2003年の日本の金融危機と同じような経過を辿るのではないかと思い、調べて見ました。下のグラフは現在の米国金融と比較です。
米国の金融株のこの二日間の動きは明らかに強弱観が対立している動きです。1ヶ月程度、普通は下値で揉み合うのですね。既にBRICs銘柄の中で下値揉み合いを続けている銘柄はかなりあります。おそらく売りが切れており、バランスが均等しているのでしょう。さぁ、ここから一ヶ月間が勝負です。来年のスタートを占なう行動に繋がるのでしょう。
投稿者 kataru : 2008年11月26日 18:43