今日の市況(2008年)(2008年12月02日)
いやはや、勇み足だったのかな?
「寄りきり」なら完敗だけれど、「つり出し」なら残っている事になるが…そもそも21日の494ドル高はフロックだと言うのは理解していたし、28日の103ドル高もお化粧と言われれば、分からないでもない。しかし24日、25日は明らかに本物の内容。ついでに26日は強弱観が対立して理想買いが、優勢に立つ展開だったのに…。何故、今頃、常識になっている全米経済研究所の景気後退説やISMの統計が、ここまで株価に響くのだろうか? 利食い売りの出やすいタイミングなので、下がるのは分かるのだけれど…下げ方が気に喰わない。
オバマ政権の閣僚人事が決まり、選挙戦を戦ったクリントン氏やロバート・マイケル・ゲーツ国防長官の留任など…意見のすり合わせが難しいと思うのですが、実務派が揃ったイメージです。私はこれより1月から2月にかけて、新政権への期待感で株高をイメージしていましたが、就任演説の最中での大幅下げは意外感を抱いています。
25日の6.08ドルを上回り、6.45ドルで推移した「シティーバンク」は、すれすれセーフ。しかし「バンク・オブ・アメリカ」は12.85ドルで24日の株価も下回っているから、「メリル」の咎めを受けるのでしょうか? それなら「中国建設銀行」への投資は、どういう意味だったのか?
まぁ、懐疑の中で金融相場は育つと言われていますから仕方がないのかもしれませんが、市場の雰囲気は昨日のNY市場の下げで再び変わったことは事実でしょう。バーナンキFRB議長は、国債の買い入れなどの量的緩和策を示唆したと言いますが、今晩のNY市場の動きはどんな展開でしょうか? 既に米国金利は2.734%まで下げています。明らかに質への逃避が進んでいます。さらにFRBには準備金が膨れ上がっていると言います。お金は唸るほど、あるのです。信用秩序さえ回復すれば正常化路線に動く筈。
日本でも「モリモト」など明らかに異常ですからね。大和証券や東証の責任問題に発展する可能性もあります。だって今年の2月ですからね。幾ら金融情勢が異常でも新規上場なのです。チューダー(米有力ヘッジファンド100億ドル規模)の解約売りストップ説などもあり、売りが継続するとの見方もありますが、出来高が減っており、かなり売りも出たのだと考えています。ただ未だに為替は円高に動いており、円・ドルの巻き返しは続いているようです。一方ではGSの15億ユーロの政府保証債発行のように銀行の経営不安は薄れています。
金融経済立て直しへの期待のウェートを上がるか? それとも実態景気の悪化の数字を重視するのか? 非常に難しい場面です。私は年がら年中強気を貫いていますから、金融相場は既に始まっており、昨晩の下げはその揺り戻しだと思っていますが、果たして真実はどっちに傾くのでしょうか? 今日の日本株は現物が先物より先の寄っており出来高も細っているので様々な現象は、意外に動きは強い印象を持ったのではないでしょうか? 普通、NY市場が700ドル近く下げるから、日本ももっと下がるかな? と思いながら市場を見たらマズマズ。もともと間接金融が主体の国なので市場経済の投資銀行業務衰退の影響は少ない筈です。最近はCPの金利が上がり大企業は借り入れを望んでいるとか…直接金融から間接金融への流れです。しかし…モリモトなどの黒字倒産の例を見ると、日本は既に市場原理の国になっているな…と感じますね。エルピーダにしてもソフトバンクも武富士もみんな市場金利の中で戦っています。何時までもプライムレートではないでしょう。企業ごとに金利差があって当然でしょう。BIS規制などで縛られるので日本も否応なしに市場経済化を求められるのでしょう。
時間があれば面白い資料が作れます。再びコマツの株価が日立建機より上になり、郵船と商船三井の株価レースの背景にはそれぞれ意味があります。またBRICs株でも一番底を模索している三菱商事と商船三井の株価波動の違い。銀行にも同じような動きが…この辺の個別株を解説すると、今の市場の動きがより良く理解できるでしょうね。まぁ、時間の問題と思っていますが…はたして勇み足なのかどうか…。
投稿者 kataru : 2008年12月02日 16:56