今日の市況(2008年)(2008年12月08日)
金曜日の米国株市場はなんとか…それらしいイメージを維持しました。
雇用統計値の53万人減との発表値の事前予想は、当初の35万人から引き下げられ45万人減と悪化しました。実際は更に悪化したので、はじめは291ドルぐらい安くなる場面がありました。しかしその後、悪材料折込済みとの観測から株価が戻り、ハートフォードと言う保険会社は、好業績を受けて株価は2倍と急騰し、金融株に物色の手が波及したと言います。シティーバンクへの二度目の公的資金投入と不良資産への政府保証などの政策が支持され5連騰の末、8840ドルまで戻したのですが、月曜日のISMの数字を受けてNY市場は679ドル安と急落したのです。その後8722ドルまで回復しています。高値奪回まで、あと僅かです。米国株は金融相場の色彩が日増しに強くなっています。
しかし日本市場は…
本日の上げは先物からの裁定買いが主体と思われ大幅高していました。しかし内容はトヨタなどの輸出株に見られるように、5日間連続の新安値更新。更にオリックスがストップ安をしていました。何故かな? 不思議です。値決めの決まる三菱銀行も引け間際に大量の売り物を用いるとは…。極端に萎縮した市場心理が不安を抱かせていることは間違いないでしょう。コマツなどは金融ヴェリタスの影響かな? 逆にストップ高をしていました。まぁ、日本を代表する会社が、簡単に値動きするのは、市場の流動性が欠けているのですね。誰がこんな市場にしたのか…。市場原理の国ではないから仕方ないと言えば、それまでですが…。
私のような強気の見方をする人が若干ですが出てきました。基本的に11月21日から24日の段階の政策が市場に受け入れたので株安は止まった印象です。ただ日本市場は本物の相場には程遠いイメージの内容です。NY市場が8840ドルを抜き9000ドルに乗れば、かなり投資心理が変化するのでしょうが…。予てから述べている展開どおりの動きになってきたようです。日本のバブルと米国を比較し、色々悲観的な見た方をする人も居るでしょうが、米国は人口が上昇している国で、狩猟民族です。人口が減る老齢大国の農耕民族とは、基本的に大きな違いが存在します。私はまもなく…と、ずっと思っていますが、未だに為替は92円台で推移し、円・ドル・キャリーの巻き返しがあるので株が売られるようですね。
今日はシナリオ2の路線が強かったですね。外需に頼らない好業績銘柄を物色する動きです。此方はまもなく整理が3年になります。金融株は4ヶ月程度、整理開始が新興株に遅れました。BRICs銘柄は大きく下がりましたが、調整開始は昨年の夏であり、時間調整は不十分です。年末に集中している金融機関のファイナンスもまもなく峠を越えます。今日はある人から、こんな話しを聞きました。東京の不動産投資が利回り10%にもなると言うのです。しかし、まだ下げる傾向にあり来年になれば動きが変わるのでは…と話していたそうです。10%なら買えばいいですよね。しかし人間と言うのは浅ましい動物で、充分採算が合うにも拘らずに、値下がりするかもしれない資産を買わないものですね。株も同じです。概ね大底圏だと思うので、私などは、多少、値下がりしても良いと思うのですが、やはり少しでも安く買いたいという心理が、邪魔になるのだろうと思いますが…
このような先物買いが次第に本物の相場に変わるかもしれませんが、今日の所はワクワク感を抱かせるような動きにはなってないようですね。今週はSQがあり、来週、FOMCが15、16日に開かれます。既に金融相場はスタートしていると思われますが、相変わらず疑心暗鬼の確信が持てない相場が続きます。どんどん景況感は悪化しています。11月の街角景気が発表されていますが株を買えない心理が表れていますが…はたして、不景気の株高は起こるかな?
投稿者 kataru : 2008年12月08日 18:14