今日の市況(2008年)(2008年12月10日)
昨晩のNY市場は国際貨物のフェデックスの業績の下方修正とウォルマートの自社株買い中止になどがあり下げたそうです。実態悪と経済対策期待の理想買いが負けた現象ですね。これからの相場はしばらく、実態景気の悪化と景気回復期待の理想買いの綱引きになります。景気循環は逆業績相場から金融相場の間に位置しておりどちらを採用するか人それぞれ…2005年の後半から2006年の初めの賑わいはサブプライムローンに急増にみるように無理して作られた相場だったのですね。結果論を見れば誰にでも分かりますが、現時点で通過している背景を探るのは難しいものですね。私は日本の政策批判ばかりしていましたが実際は外人投資家が新興株も売っており、その背景には最近分かったような金融デリバティブの背景があった訳です。しかし無理して作られた現象は長く続きません。その崩壊は時間の問題だったわけですね。
今、起こっていることも異常な光景です。
「異常から異常へ」…だって日本を代表する会社が挙ってPBR1倍を割れているのです。この状態が正しいとすると、これから起こる現実は悲惨なものになります。ソニーの解雇騒動のような現象が、もっと広がり軒並み赤字企業に転落しないと株価の現象が説明付きません。株価からこれから起こる現実を考えると、2年程度、過去最高の赤字が継続するのでしょう。しかし…そんな馬鹿なことが実際に起こるのでしょうか? 黒字倒産が多発している現実は、異常な金融機関の行動にあります。日本はバブルの後遺症を引きずっているのですね。その為に銀行は過度の不良資産化を嫌い、健全な会社まで融資を実行しない行動を選択しています。長引くバブルの清算の為に、いやと言うほど不良資産に対する過剰反応があるのでしょう。そうして必要もない資金を異常に積み上げているのが今の世界経済の状態です。
その為に米国の短期国債はマイナス金利になったと言います。長期金利も急速に低下しています。その為に経営不安が背景にあり、なかなか下がらなかった住宅ローンの金利もようやく急低下し始めています。その動きは下の二つのグラフから明らかです。おそらく来春になると、この金利低下効果が現実の経済に表れてきます。どういう現象化といえば住宅着工件数が空前の低い水準から大きく持ち直します。当然、サブプライムローンで利息を払えないで差し押さえられた住宅の在庫も減ってくるでしょう。つまり銀行の不良債権が日増しに減り健全化してくるのです。私は今回の不況は金融不況だと述べています。実体経済が過熱して調整が長引くのではなく、自動車ローンのように極端に健全化を進めたので経済が萎縮した現象なので金融が立ち直ると実体経済は急激に回復すると考えています。今日はこんな感じでスタートです。
(詳しく続きを読みたい方は、ビスタニュースで無料にて全文が読めますが、登録の手続きが必要です。注意書きをお読みになり自己責任の確認が必要になります。下の所をクリックすると登録画面に飛べます。)
投稿者 kataru : 2008年12月10日 17:53