今日の市況(2008年)(2008年12月11日)
世界の中央銀行は挙って利下げを実施し、政府は財政出動をしています。こんな風に世界中が同時に景気刺激策を打っているのと言うのは過去に例があったのかどうか…最近では影を潜めてきた空前の大不況説は、依然、存在します。あっという間に、3割、4割の売上が落ちると言う経験はありません。製造業の通常の損益分岐点は90くらいでしょう。つまり多くの企業が赤字になります。ソニーが雇用調整するのは当たり前ですね。わが国を代表する輸出企業は軒並み契約社員の解雇に動いています。非正社員の労働構成比率は33%ぐらいのものなのでしょう。3人に一人が失業時代。悲観的に考えると大変な事態です。来年は民間で失われた雇用を補う為に財政出動が話題になります。
常識的に考えれば世界の景気は回復するのでしょう。大幅な金利引き下げと多額の財政出動は景気を下支えするでしょう。アメリカでも金融株に次いで景気敏感株のキャタピラーや資源のアルコアなどの株価が上がっています。まさに金融相場の色彩が日増しに強くなっています。しかし同時に、この時期は買いの勢力より圧倒的に売り方の勢力が強いのが道理です。空売り派は2年から3年に及ぶ下げでメチャメチャに力が付いています。多少の上げは絶好の売り場と考えているでしょう。本日の日経新聞の解説にも『米国株が持続的に上昇する展望は描きにくく、日本株も再び上値が重くなるだろう』との意見が書かれています。
大勢を転換するには時間が必要なのです。言葉はうまく表現されています。「強き相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ…」疑いの懸念の中で相場は上がっていくのでしょう。この時期の相場は非常に面白いのです。これまで儲けてきたカラ売り筋は上がれば簡単に踏まずに逆に売り株数を増やします。買い方は恐いから直ぐに儲かれば利食い売りです。本日の相場はまさにそのような展開ですね。売らずに買い増しを続けているのは、私ぐらいかな? 強い株は安値から2倍前後まで急騰するようです。先行している日本製鋼所やソフトバンクのチャートには、その様子が刻まれています。まぁ、2倍になってもやられが大きくて話になりませんが。
私は回りの景色図から見て既に金融相場に突入していると思います。おそらく、この動きは更に広がるでしょうね。カラ売りの多い銘柄群は踏みが期待できるでしょう。この動きが単発的なものかどうか…全ては今後の政策に影響されます。明日はSQです。買い残は大きな規模ではなく、今日の相場にも影響はなかったようです。NY市場の夜間取引は、若干、安かったようですが日経平均株価は続伸しましたね。銘柄を果敢に入れ替えるチャンスです。逆業績相場のディフェンシブ銘柄から金融相場の主役に入れ替えるべきでしょう。頑張って下さいね。今日は遅くなり簡単にしました。
投稿者 kataru : 2008年12月11日 19:19