今日の市況(2008年)(2008年12月15日)
最近のマスコミ論調は間違っていると、考える事が良くあります。例えば日銀短観といえば一般的には製造業の業況判断指数が強調されますが、日本が加工貿易立国で成長してきたからなのでしょう。為替が円高に振れたといえば、悪いことのように捉えられますが、円が強いと言うことは良いことですね。海外の品物が安く買えます。
食物自給率が低い日本は、自前で用意せずに買っていますから、可処分所得が増えます。しかし中国製品の品質が度々問題になるように、安全基準が問われています。
私は構造転換すべき時期に来ていると思っています。農業を奨励したりすべきですね。内需振興を訴えた「前川レポート」は1985年の中曽根内閣の時に発表されました。未だに構造改革をせずに、狂った政策をしているからGDPは伸びないし、既得権を温存し日本は変化できないのですね。「チェンジ」はオバマのキャッチフレーズですが、何とか…日本も呪われた幻想から脱却して欲しいものです。硬直化した特別会計予算を、一般会計に組み入れ、メタンハイドレードの開発や農業分野に力を入れるべきでしょうね。税制を組み変えれば、劇的な変化を享受できる国になりますね。高福祉体制も支えることが出来ます。無駄な道路を作り自動車産業を保護する予算を少し割けばいいのに…。下の短観は製造業の落ち込みは激しいですが、サービス分野の非製造業は緩やかです。この影響が株価にも現れています。(ユニクロの活躍など…)
マスコミ論調を注意深く聞いてください。この日銀短観は過去のものです。GMの話は逆業績相場の景色観で捉えられる話です。しかし…株式相場は6ヶ月先を見て動くと言いますから、むしろこの短観を踏まえ18日に行われる金融政策決定会合において、日銀がCPなどを買い入れるかどうか…。最近、日経新聞が報じているこの話題に焦点を添えることは、金融相場を主眼に物事を考えていると言う現れですね。私はこれ以上に、今晩と明晩に行われるFOMCに最大の関心を払っています。FRBが金利の引き下げでなく、CPや住宅関連などの資産担保証券を、銀行から買い入れるかどうか…? つまり量的緩和政策を実行するかどうか? これが非常に重要なポイントです。仮にFRBがバーナンキ議長の予言のように実施すれば、株は大きく上がり一段高するのでしょう。逆に政策を温存すれば、株式の下値持ち合いは長引く事になります。もうここまで待った人は、多少、高い所を買ったとしても政策決定を見てから動けばいいのでしょう。
11月の連休明けの25日に株価の底入れ宣言をしましたが、市場環境がかなり弱く、なかなかアクティブな動きに変わりません。このまどろっこしい動きは、疑念を抱いて進む金融相場の特徴なのでしょう。明日の政策など誰にも分かりません。しかし幾つか上げた事例は、全て金融相場がスタートしていることを暗示しています。極めつけはバンク・オブ・アメリカの中国建設銀行への投資でしょう。流石、メリルを取り込んだ銀行です。この報道を聞いて、ピンと来る人、来ない人。この違いがお金持ちになれるか、なれないかの差なのでしょう。情報とは…誰の意見が正しいとか言うものではないのですね。他人の意見を鵜呑みにして行動するのは、日本人ぐらいでしょう。小さい時からディベートをして鍛えていれば、情報の意味を取り違えたりしないことでしょう。日本政策銀行が2兆円のCPの買い入れを実施すると、報道された時から独立系のノンバンクの株価は上がり始めました。同じことが、明晩、発表されるFRBの政策にも言えます。分かりますね。
100年に一度のチャンスを、生かすもの生かさないのも自分の考え次第なのです。
強き相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ…
投稿者 kataru : 2008年12月15日 17:17