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2009年01月30日
1月30日
国内企業の決算発表は今日がピークを迎えると言います。昨日、発表された東芝の決算発表はフラッシュメモリの不振で大幅な減益決算になりました。下記の通りに修正されています。もともとフラッシュメモリは大赤字の事業で、エルピーダが苦しんでいるように、市況が崩れており業績が悪化するのは当たり前なのですね。何故、株価がこんなに下がるのか、僕も少しビックリしました。今日は67円安の318円です。昨年の安値290円を割らなければ良いのですが…。今のところ反転の兆しは見えません。しかしドイツのキマンダが倒産し需給が改善されれば良いのですが…。キマンダはDRAMメーカーだと思うので、フラッシュとは違うでしょうが基本的に同様の動きでしょう。サムソンが赤字ですからね。原子力など人気は高いのですが、業績の寄与度は大きくはないのでしょう。まぁ、それでも稼ぎ頭ですが…。
今日は海運株も業績発表をしており、それぞれ減額修正を出していました。商船三井は32%減の1300億円、郵船は36%減の730億円、川崎汽船は64%減の300億円にそれぞれ減っています。不定期船の商船三井なのに…流石、一流経営者の芦田さんです。基本的に市況は10月より急速に悪化しており12月に底を付けたようです。午前中に決算が発表されており、今日の株価に業績は織り込まれています。ただやはり下げましたね。商船三井の1株利益は107円程度で、株価は527円、PERは4.9倍、郵船EPS60円程度で、株価は430円で、PERは7.1倍。川崎汽船のEPSは47円程度で、株価は334円で、PERは同じく7.1倍です。足元の市況は改善中です。
一方、銀行株は昨日上げていた三井住友銀行は意外に下げていませんね。今日は160円安の3650円でした。しかし過去最高の営業利益を更新した任天堂は、為替損もあり通期の予想を2300億円に減額し、株価は4000円安の28200円とストップ安でした。もっとも気掛かりな日立は、先ほど決算発表をして通期で7000億円の赤字を計上する見通しだそうです。株価が300円を割れるわけです。ただ心配はないでしょう。既にかなり下げていますからね。巨額の損失は対処できてない経済環境だったので大幅に損失が膨らんだのです。日立の株主資本は2兆1580億円もありますから、簡単に倒産はしませんが、巨額の損失ですから話題になります。でも営業利益は黒字だから…。
トヨタが赤字になり新日鐵も通期では黒字ですが、1-3月期は赤字見込みなのです。
しかし新日鐵はキラリと光りますね。僕は三村さんの株式持合いを批判しました。あんな所で銀行との株式持合いを進めるべきではありません。畏れていたのはミタルの動きですね。ミタルは外資系金融から多額の借金をしてM&A戦略で成長してきましたが、ここにきて借金返済に迫られており大変ですね。一時、16兆円を越える時価総額だったので…今では3兆円を割れているのかな? 5兆円程度の新日鐵が飲み込まれる畏れはあったのです。何故、キラリと光るか?
理由は新興国に投資をしているからです。新日鐵はあの騒ぎで反省したのですね。そうして需要の見込める新興国への進出を加速しています。つまりグローバル対応がようやく出来始めています。新日鐵の今期の1株利益は27円程度でしょう。株価は269円でPERは10倍程度ですね。市況関連なので高いと言う見方がありますが…、同じ市況関連でもピーク時とボトム時のPERは大きく変化して良いと思います。今はPER10倍でも15倍程度でも僕は良いと思います。しかし昨年のような市況が高値の時にPERを10倍以上で評価すべきでないでしょう。市況関連は特に気を付けねばなりません。
今回の投資はワクワクするものを感じます。新日鐵の前身は国有企業ですね。官僚の巣窟のような古い考え方の会社が、グローバル展開し始めた事に意義がありますね。それもこの悪い時期に…三菱UFJ銀行と同じです。一方、日立は…加工貿易論にしがみ付いている印象です。商船三井は世界経済の動向で株価も動きます。昔のように情報が乏しし時代と違い瞬時に世界の動きが見えます。だから大規模なスクラップ化を実践していますね。船は15年間、運行するとその後は保険が効かないそうです。(お客様の話)つまり市況が高い時は自腹で損失を被れますが、市況が低迷するとスクラップ化しなくてはなりません。計画が立てられて行動されていますね。
これからの日本株の選別はグローバル展開が出来ているかどうかです。ホンダが二輪車の部品の内製化率を大幅に減らすそうです。日本では既に生産コストが合わないのでしょう。日立は全てを自前で作らないと気がすまない会社です。果たしてグローバル時代に、うまく生き延びる事ができるかどうか? 実は最後になりましたが、大幅な減益で驚いている人が多いと思いますが怖いことはありません。今日の日経産業新聞によれば、トヨタの一日あたりの生産台数が、いつ増産に転じるか?の予測を新日鐵がしたのだそうです。新日鐵の予測によれば4月17日が答えだそうです。その為に、どうも君津の高炉は再稼動を睨んだ「バンキング」と言う手法を用いるとか…。
多くの関係者が4-6月期に景気は底を打つと予測していますね。在庫調整が済めば普通の状態に戻れる筈です。人間の数は増えているし世界経済の落ち込みは、売上が30%も40%も落ち込むほど落ちているわけではないのです。人間は欲の動物なのです。
より良い生活をしたいと誰もが願っているのです。需給バランスが改善すれば市況関連の株価は大幅に戻るのでしょう。だから週末に大幅な赤字報道を見ても、あまり驚かないで下さい。
2009年01月29日
1月29日
米国ではフェルズ・ファーゴの赤字決算が発表されました。ここでの注目点は公的資金の追加注入は入らないと言う話です。これでバークレイズと同じです。RBSの場合は、のれん代の償却が大きかったから市場は誤解したのではないでしょうか? ここにきて面白い現象は、商業銀行の株価は弱いのです。このウェルズ・ファーゴもシティーもバンク・オブ・アメリカも…、ところが三菱UFJ銀行が投資したモルガンスタンレーは23ドルとなり、最近の高値です。転換価格が25.25ドルですからまもなくですね。ゴールドンマン・サックスもほぼ最近の高値圏内の株価です。商業銀行が沈み投資銀行が立ち直る。ここで昨日のケース・シラー住宅価格指数のNYとマイアミ、ロサンゼルスの比較を見ると理由が分かるように感じられます。
私がたてた仮説は、サブプライム問題は終焉したけれど、実体景気の悪化が本格的になってきたと言うことです。同時に投資銀行の含み損は整理されたのではないか?と言う仮説ですね。何故、そう考えたかの説明が必要でしょうかね? 面倒くさいから省きますよ。要するに株はいつでも上げられる準備段階なのです。ただ同時に悪戯に時間を費やすと傷口が広がり修復に時間が掛かる事になりますね。バッドバンクの設立を急ぐだけではなく、住宅投資減税などの政策支援が欠かせません。この見方を裏付けるように第二四半期の景気底入れを主張する人が私以外に大勢出てきました。仮に第二四半期なら、このまま株価は上昇波動になります。景気回復が2年も掛かるなら、株価が再び底這いを続けるのでしょうし、何れまた下値を更新しますね。
在庫調整に拍車が掛かっています。新日鐵は減産を強化し、通期の最終利益見通しを3300億円より1750億円に減額修正しています。1株利益が27.8円の水準です。不思議な事に、これまで慎重だった海外戦略投資を増やしブラジルヴァーレと合意し、鉄鋼大手のウジミナスの出資比率を23.3%から29.2%へ拡大させ、韓国(ポスコ)が進めているベトナムにも15%出資するとか発表しています。一時、決算悪を受けて株価は急落しましたが、引けにかけ織り込み済みから値戻しを演じ、前日比変わらずで引けました。
ここぞとばかりに期間工を解雇し、膿を出し切って赤字決算にしている会社も多いように感じられます。赤字の中身が非常に重要になりますね。余裕のある会社か、ない会社か…。その違いがこれからの株価の明暗を分けるのでしょう。基本的に株価の下落などによる特別損失は、考慮から外しても良いでしょう。大幅減額になった三井住友銀行の今日はストップ高までありましたね。その反面、野村證券の評価は難しいようです。金融サミットまでどのくらい金融機関が規制で縛られるのか? その影響を与える政策が見えませんから相場観を組み立てるのに苦労します。
現在の市場は極端な下振れ懸念は薄れているようですね。理由は銀行の決算です。ただ新政権への市場の評価は、今のところ、そんなに高いものではなさそうです。チャート的に一目均衡表から雲に掛かるので分岐点なので、上昇は難しいと言う指摘がありますが、その人はあまりチャートを知らないようです。確かに雲に近付くと跳ね返されるケースが多いのですが、下降波動の時にはそのようなことが言えますが、横這い波動が既に長く、遅行指数が基準線を下から上に抜けています。僕は雲を抜けて、上昇波動に移行する方が可能性は高いと考えています。一目もいろんな読み方があるからね。どっちが正しいかな?
2009年01月28日
1月28日
本当かどうか…定かではありませんが、米CNBCテレビが27日夕、関係筋の話として、オバマ政権が近く金融機関の不良資産を買い取る専門銀行(バッドバンク)設立を決めると報じたそうで、同構想は早ければ来週にも発表されると報じられているとか…。
この話しが事実なら、懸念だった金融問題に終止符が打たれる事になります。まぁ、買い取り価格で揉めますので、一概に金融株が上昇するかどうか断定は出来ませんが、公的資金520億ドルを投じたシティーの株価の時価総額が193億ドルと言うのは、おかしな話ですからね。結果は必然的な出来事でしょう。
一方、ケースシラー住宅指数は、昔は見向きもされませんでしたが、今では有名になり主要都市10都市の平均下落率が前年度比19.1%と報じられていました。この指数のピークは2006年の6月です。それから下がり続け226.29より、現在は166.05となっています。実に26.6%も下落しています。ここで下のグラフを見てください。昨年の6月に下落率が鈍り前月比では0.5%の下落まで縮まったのです。サブプライ問題がピークアウトした時ですね。しかしその後の景気動向が悪化し再び下落し始めました。
ところが、一番、危ないと言われていたマイアミやロサンゼルスは下落幅が縮小しています。残念ながらNYは下げ続けていますが…。このデータの意味はおそらく昨日解説した中古住宅販売が伸びて在庫が減っているという報道を裏付けているのでしょう。一つのデータを通り一遍見ると、実態はわかりませんが見方を変えると不思議な事に別の意見が生まれますね。私はまもなく米国の住宅事情は変化すると考えています。更なる住宅減税などの政策支援が必要ですね。此方のページにデータがありますから、自分でエクセルを使い調べてみると良いですね。
だいたい言われている悪材料は終ったかな?との印象を持っています。
私は基本的に日経新聞社の報道を信じていますが、これまでの経過で騙されることも多いので、気に掛かる記事は自分で調べる事にしています。最近ではネットがあり簡単に詳細のデータが手に入りますから記者が書いた記事が、どの程度の創作か自分で判断できるのです。多くのテレビや新聞ではこの度の経済危機が立ち直るのには2年から3年かかると言う報道をよく目にします。中には5年もかかるなどと言う意見もありますね。しかし一方では今年後半には回復に向うという意見も多くあります。言葉が曖昧なので何を示しているか分かりませんが…。読者の読み方により、感じ方がえらく違います。
例えば昨日の日経新聞の経済収縮3のコラムですが…
鉄鋼の主用品である自動車や家電用の薄鋼板の在庫が昨年11月末に450万トンを越えた。高炉大手は1-3月期に粗鋼生産量フル操業時に比べ3割削減。今の減産が続くと30基のある高炉のうち10基が余る計算になると報じています。そうして新日鐵の宗岡社長の「需給が元に戻るには2年、3年かかる」と書いていますね。疑り深い僕は調べました。昨年1-3月期の粗鋼生産は3083万5千トン、4-6月期は3106万トン、7-9月期は3044万8千トン、そうして10月は1009万7千トンで、11月881万5千トンでした。確かに在庫調整をするために大幅な減産をするのでしょうが…3割減をいつまで続けるのかな?との疑問がありますね。既にスクラップ価格は昨年の11月2週のトンあたり9167円を底にして上がっていますね。今日、発表の数字は21083円となっており、ほぼ毎週、価格が上がっています。私は中国の財政出動効果が表れていると思っているのです。国内の在庫は増えているから減産調整をするのは当たり前ですが、一方で矛盾する現象も生まれているのです。バルチック海運株指数も1000の大台に乗りましたね。
株価を考える上で幾つかの指標を見て、自分でどのような相場展開を予想するか?
要するに自分がどう考えるかにより、勝負の張り方が変わるわけです。何処かのアナリストが、この銘柄が良いとか…悪いとか言って、レーティングを引き上げたり引き下げたりしても、将来の展望により会社の業績は変わり、その変化に合わせて基本的に株価は動くわけです。だって誰が考えてもおかしいですね。520億ドルの資本を入れたばかりなのに、時価総額が200億ドルを割っているなんて…。僅か1ヶ月や2ヶ月で、そんなに資産劣化をするのでしょうかね? ケースシラーの指数が正しいとすれば2年半かけて26%の資産劣化ですからね。明らかに株価が間違っているのでしょう。
2009年01月27日
1月27日
今日の上昇には驚きました。同時に少し安堵しています。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)に続く欧州銀行の決算懸念があったのですが、バークレイズ(BCS)のマーカス。エージス会長とジョン・バーリーCEOが連名で追加の増資は考えていないとの書簡を発表したとか…決算数字も16日に事前で示した53億ポンドの税引き前利益をかなり上回ると言います。株価も2.03ドルの66%上昇で5.1ドルです。また米国の中古住宅販売件数が、予想の440万戸を上回り、前月比6.5%増の474万戸になったそうで、在庫は12%も大幅に減ったといいます。
更に懸案だったガイトナー氏の就任が納税問題で遅れていましたが承認されたそうです。これで金融政策に弾みがつくと良いのですが…。一方では、1日で6万人もの人が首になり、依然、実体景気は厳しい様子が伝わっています。なかなか日経新聞は好材料を報道しませんからね。GSEの差し押さえ件数が減っていることは、依然、書きましたが、今日は住宅の中古販売が増え在庫は12%も減っていることを覚えて置いて下さいね。この動きは予想通りのタイミングで、米国の住宅事情は動き始めたようです。
正直に言えば、正月のシティーバンクのスミスバーニー売却はショックでした。その後の日興証券売却話も同列ですね。実はFRBがMBSを5000億ドル買い入れると言う報道で金融問題は終わりかな?とも考えていたからです。あとはバッドバンクの設立が決まれば、株は自然に上がるだろうと…。此方の政策対応が遅れているのが気になるのです。でも既存の処置で浮上しても不思議ではないし。そう考えると、今日の銀行株の上げは自然な動きにも見えます。バークレイズ効果かな? ただ大統領の就任演説は、金融にとって冷淡に聞こえますね。どんな具体的な政策対応をするのかどうか…。株価の方向性や位置は政策により変わります。
野村證券の4-12月期の最終損失が4923億円なんですってね。すごい金額です。
果たしてリーマンを買って損失償却しましたが、ちゃんと会社が機能するのでしょか? 欧米の金融株並みの損失ですが、株価はマズマズの動きですね。それにしても正月からの動きは良く下げたものです。7600円ラインが日本を代表する日本生命の簿価ラインと言われますから、今日は公的年金の買いではないかと推測しています。景気などはムードの問題ですから、株価を確りさせれば変わると思うのです。どうして自虐的な日本人ばかりなのでしょう。やはり規制が強いからでしょうか? 僕の基準ではないわけです。僕のような考え方をする人間はかなり減りましたね。最近では珍しいのかな? 変わる社会を見て僕も変化をしなくては…とは思いますが、なかなか自己改善は出来ませんね。
時間の問題で株は上がるのでしょが、目先の追証などを気にするようになると、大局観が狂いますからね。新興株のヤフーが決算を発表していましたね。全体が大幅減益の中で増収増益を示しており好業績銘柄の一つですが以前ほどの人気はなくなりましたね。また前期のような規模のような自社株買いを今期もするのでしょうか? 私は3つのシナリオを中心に相場観を組み立てていますが、最近は冒険をしなくなりましたね。きっと気持ちに余裕がないからですね。痛手が大きすぎて、なかなか少ない儲けでは冒険を加速させるわけには行きません。せめて上昇相場は1年ぐらい続けば、かなり傷は癒えると思うのですがどうでしょうか? 出来るだけ早い段階の追加政策を米国に求めたいものです。旧正月を過している中国の頑張りが、世界の中で一番早くトンネルを抜け出すかどうか…。まもなく春節が明けますね。
2009年01月26日
1月26日
いやはや…それにしても乖離調整だと考えていたのに違っていたとは驚きですね。
1月7日の高値は9325円です。26日の今日は7682円ですから1643円も下がり僅か12日間で17.7%も下落しました。115だった騰落レシオは83へ、25日線乖離はプラス8.1%がマイナス9.6%へ、通常ならそろそろ反発していい位置ですが米国金融株へのシステム不安が株価の動きをセーブしているのでしょう。基本的に資産デフレが進行すれば全ての株価は下がります。清貧思想は一見、正しいように思うのですが、合成の誤謬を生み経済は悪化します。株式はインフレ商品ですからね。でも下がるといっても限度があるのが普通なのですが、互いに疑心暗鬼になっているのが現状なのでしょう。お金は腐るほどあるけれど、動かない。政策に対する信認が薄い為なのでしょう。
こんな中で日本を代表する企業と呼ばれる会社の株価がどんどん価値を下げています。
例えば日立の305円は如何にも安いと思いますが…。この会社は1910年に誕生しており財産も相当あるでしょうに…。1兆272億円あまりの時価総額です。総資産は10兆円を越えます。株主持分は2兆1580億円もあるのです。ブルドックソースの事件のとき、このような株券の紙屑化が懸念されました。その後も最高裁の判決から東洋電機の経営者の判断までの一連の現象が、株屋にとってやるせないものです。株主軽視の経営をしても咎められることなく、怠慢な生活で安住すると変化がなくなりチャレンジ精神が欠けて没落するのでしょうね。日本は市場原理が働かない国だから仕方がないと諦めるしかないのか…?
米国では「チェンジ」をキャッチフレーズにして国民の団結を呼びかけていた大統領が誕生し、金融依存を脱却しようとしているようです。日本でも「悪銭身につかず」という論理で製造業の美徳を説く話はたくさんあります。しかし一部で行き過ぎはあったにせよ。金融の動きを否定することは頂けません。金融デリバティブは必要なもので金融技術の発展があったから、世界経済は発達したのでしょう。これからの米国の政策が注目されているわけです。米国の方針が分からない以上、大きな動きが出るわけがありません。その動きが年初からの調整と言う動きなのでしょう。
空前の落ち込みを示す業績発表が盛んです。日本でもコマツの減額修正や野村證券の減額報道が盛んに行われています。これまでのところ織り込み済みの動きが多かったのですが…今日のコマツは下げていましたね。欧米の落ち込みは大きいのですが、意外に頑張っているのがアジア地域です。日経では香港の春節景気は堅調との報道が今朝ありましたね。昨年末より、中国は財政出動を始めており春節の時期ですが回復途上の動きも見られています。そのために年末から年初に掛けてスクラップ価格が1万円割れより2万円と回復の動きになっていますね。バルチック海運株指数も663と低迷していたものが980と回復している水準になっています。まぁ依然、水準は低いのですが…。
12月の輸出額は35%も減り、為替も円高に推移し加工貿易国の日本としては痛手が大きいのです。その為に輸出企業中心に株価は大きく下落しています。日経平均株価は値嵩株の影響を大きく受けるために、これらの株は輸出株が中心なので影響を受けるのですね。その決算発表への警戒感が株価を押し下げているのでしょう。どの程度、株価が業績悪を織り込んでいるかどうか…。なかには意外に健闘している企業もあるのでしょうが、蓋を開けるまで分からないと言う事でしょう。買い手の乏しい市場ですが、売り手のほうも多くはありません。既に投資銀行のポジション整理は一巡しています。残った売り手は少ないのです。だから12月より上がり始めた株価なのですが、ここでの下げは意外なのですね。理由は新政権の意向が分からないからでしょう。市場関係者はヤキモキしているのだと思います。今週末にはFOMCが開かれます。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2009年01月23日
1月23日
先ずお願いです。
良かったらビスタニュースで執筆している櫻井英明氏の「世界同時恐慌のすべて」と言う本を買って読んでみてください。本日は夕刊フジに彼の話が紹介されていました。(ここをクリックするとアマゾンへ)
さて本日も日本株は安くなりました。新聞を読むと暗い話しばかりです。ソニーの大幅赤字からリストラの話しや新日鐵の高炉停止の話しなど…。30~40%程度の売上が落ち込む事態になっており雇用調整が長引くとの見方なのでしょう。実体経済が悪化し負のデフレ・スパイラル現象が起こるという懸念が駆け巡っています。新大統領が就任してまだ実績が分かりません。彼が就任した日のNYダウ平均株価はなんと332ドル下がりました。年初からの動きは下の通りです。
シティー・バンクのスミスバーニーの売却は意外感がありました。2度の資本注入と政府保証で出血が止まったのだろうと考えていたからです。ところが…下落を食い止めることが出来ないのですね。バンク・オブ・アメリカへの公的資金投入は理解できます。JPモルガンの黒字は引当金を大量に積んでおり大丈夫なのでしょう。だからCEO自らが、自社株投資をしたのでしょう。しかし政策の後押しは欠かせません。その催促が就任式の332ドル安なのか? それとも別の見方が存在するのか?
今日、私は読売新聞に掲載されていた就任式の原稿を全文読んで見ました。印象としては誠実な印象を持ちました。しかし同時に清貧思想の匂いも感じました。経済を立て直すのは国民の感情が大切なのです。日本では未だに1989年のバブルの清算を引きずっているのです。実に20年間の歳月を掛けても抜け出せないのですね。その背景にあるのは清貧思想です。確かに投資銀行の強欲が行き過ぎたのでCDSの行き過ぎた利用が行われたのです。そのためにサブプライム問題を筆頭にバブルの芽が放置されました。だから手堅い精神で困難を承知で立ち向かうことを国民に求めることは理解できますが、経済の動きを知っているのかどうか…。全文を読んで多少の疑念を抱いた次第です。
2006年の日本もそうでした。ライブドア事件です。あれから急速に活動的な動きが否定されて過剰な法令が施行されました。サラ金法の改正などは異常だな…と、私は思っています。確かに低金利の時に暴利を貪っていたのは、業界としておかしいのですが…。昨日、判決が下された最高裁の判決も首を傾げたくなります。国家利益を無視した清貧思想は部分的には正しい判断ですが、全体的に見ると経済が萎縮し後退しますからね。合成の誤謬が起こり、日本株は新安値を更新したのは、これら政策の失敗なのですね。景気を立ち上げることも、株を上げることも簡単なことです。ところが資産デフレが進行しているためにPBR1倍以下の企業がゴロゴロしているのです。
安いから買おうと思うと、ブルドックのような最高裁の判決があり、フジテレビの考え方や東洋電機の社長の考え方が、社会で容認されるので株券の価値はどんどん下がりますね。オバマ大統領の最初の仕事はキューバ・グアンタナモ米軍基地のテロ容疑者収容所の1年以内の閉鎖や拷問の禁止や、イラク撤兵、ロビー活動の停止などです。時間を置けばおくほど劣化するのが資産価格です。経済問題は難しいから対策を練る時間が必要なのでしょうか? 市場原理派の株屋としては、不満を感じますね。まだ就任して僅か3日ぐらいだから、全く分かりませんが、中国の「元の為替操作」発言など、不安を感じさせる材料は揃っています。
負け組みの金融株は下げましたが、勝ち組はマズマズ確りしています。バッド・バンク構想など早めに進めないと…住宅減税処置など追加の対策は、いくらでもありますね。果たして3点底を形成し、株価は底になるのか? ここが最後の買い場なのかどうか…、もう直ぐ分かるでしょうね。そうして今年の旧正月は1月26日なのですね。米国の政策より最近は中国の財政出動に興味を持ってみています。世界の粗鋼生産が発表されており、とうとう昨年は暮れにかけて世界経済の低迷から伸び率が大きく落ちましたが、中国の生産量は5億トンに乗りましたね。すごい量ですね。バルチック海運指数は戻り高値を更新しています。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2009年01月22日
1月22日
米国では金融株が反発していると言います。取り立てて目新しい動きがあったわけじゃないですが…。話題として面白いと思ったのはJPモルガンのダイモンCEOが自社株を50万株22.9ドルで買ったとの事です。金額換算では1146万ドルです。およそ10億円ですね。日本の経営者も真似をすべきですね。新興企業のオーナーの自社株買いは多いのですが、多くは銀行からの借り入れで資金を賄っており、株価が下がると市場で処分されると言う事件が何度かありました。経営者も株主も一体なのです。
日本株は米国株が上がった割りに冴えない動きでした。輸出関連株は総じて値段を崩し、為替水準が意識されたようです。この所、円高に振れています。為替の水準を決めるのは金利平価説と言う金利差の鞘抜きがありますね。長い間、日本はデフレ政策を堅持しており、資産価格が下落し貨幣の価値が上がっています。低金利の為に日本でお金を借りて海外で運用して金利差を稼いでいたのですが、金融不況の為に昨年から海外金利が大幅に下がり、金利差を利用した円・ドル・キャリー取引の縮小が起こりました。
もう一つの決定要因は、今日、発表された貿易統計が影響します。12月は3207億円の赤字で輸出は35%減でした。黒字の内は良いのですが、赤字になると当然、貨幣価値が下がります。この所の日本の貿易は赤字幅が膨らみつつあります。(ただし経常収支は黒字)この背景は資源高と考えられていましたが、総体的に日本の製造コストが高い為に、空洞化現象を生んでいるのでしょう。先日の日産自動車のタイへの工場の移管は、その一例で、まもなくエルピーダも本社を台湾に移す可能性があるようです。台湾政府は国策で半導体工場を保護しており税制優遇や公的資金の投入があるからです。日本は契約社員問題など、社会の風は冷たく経営者はやはり考えるでしょうね。投資銀行のあり方と加工貿易構造の転換は、私が相場を考える上での重要なテーマです。
また今日は日銀の政策決定会議があり、デフレ政策を維持している日銀は、なんとGDPの成長率をマイナス2%へ修正したと言うのですね。ようやくCPを買い入れるのです。2兆円から3兆円へと増額です。多少、ポーズを作っている印象です。ただしシングルAクラスだそうですから…。日本の成長率は大幅なマイナス予想です。一方、中国ではGDPが発表され、貿易や内需の落ち込みから10-12月期は、なんと6.8%まで落ち込んでいます。通期では6年ぶりの一桁成長で9%になったと言います。
都市部では農民工があふれ治安が悪化していると言いますね。インフレ警戒から金融引き締めを実施していた中国は、固定資本形成が落ち込み、輸出も低調で在庫が溜まっていましたが、昨日発表されたスクラップ価格は2万円の大台を回復し2週連続で上昇しました。共産党の使命は内陸部との沿岸部の格差是正と産業構造の転換を主眼としたダブル転換政策でしたが、外需の落ち込みが激しく負の面ばかりが全面で出ていました。その為に大規模な財政出動を実行していましたが、どうも株価や市況を見るとこの効果が表れているようです。今日の上海総合株価は2000ポイントを奪回し、銀行や鉄鋼株が上がっているそうです。予想通りの動きになってきましたね。
米国のオバマはロビー活動の規制を実施したとか…。ガイトナーの承認問題で揺れている様子。これからの新政策の対応が注目されます。金融への過度の規制が実施されるとマイナスだし…かといって野放しではCDSの仕組みが確立されません。微妙な舵取りが求められます。米国金融株は11月の安値を割り込み政策対応を催促している印象です。オバマ大統領は就任式の最中から活動しており積極的な対応を進めていますが、学者判断との意見もあります。実務派的な有効策を市場は要求しているわけです。市場は我儘ですからね。異常に膨れ上がった準備預金のお金は何処に行くのでしょうか? 株式相場を考える場合、多くのテーマがあり、それぞれが密接に拘っています。今の株価位置は、面白い場面です。こんなにワクワクする面白い場面はないですね。米国の政策対応と中国の政策との間で、日本株の株価位置は決定されるのでしょう。
2009年01月21日
1月21日
アメリカ国民の新政権に対する期待はすごいレベルですね。過去にない水準です。その当日にこれほどNYダウが下がることもありませんでした。昨晩のNYダウの動きは想定外の動きは続いています。シティー・バンクのスミス・バーニー処分が二次損失の拡大懸念が形成されている所に、RBSの巨額損失の話題が切っ掛けになり、一気に警戒観が広がりました。昨年の11月24日が金融株の最安値で回復相場に入っていると思ったのですが…その支持線を割り込んできました。RBSの損失はのれん代なのに…、つまり2007年10月にアムロを買った時の価格が高過ぎたのでしょう。しかし昨晩のNY市場は金融株が軒並み安値を更新しました。GSとMSだけが頑張っていますが、他のBAC、JPM、WFC、Cと何れも安値を更新しています。資本増強や資産売却のスピードが不十分で資産デフレの拡大懸念が株価への信認を与えないのでしょう。さらなる追加対策を市場は催促しているわけで新政権の手腕が試されているのでしょう。
予期せぬシティーの追加対策が市場に動揺を与えています。
金融株は安いのですがNYダウは比較感をすれば頑張っています。この水準は3点底の形成と見えるかもしれません。しかし同時に銀行が安値を割っているので、当然、NYダウ平均株価も新安値の可能性を考えて行動しなくてはならなくなりました。まぁ、私はいつものように楽観派ですから、当然、3点底の形成と思っているのです。
2003年の日本株の底入れのパターンは決算発表前の4月の月末に安値を付けました。決算数字発表が恐怖を生み株価の底入れを演出したわけです。この考え方を延長させると、米国は12月決算なので1月末が安値と言う事になりますね。2003年の日本は5月になると株価は上がり始めていますからね。果たして2月の上げに備えたダメ押しの下げなのかどうか…。株高を演出する材料は多く揃っているのですが、同時にGMに代表される負の遺産も引きずっています。安いから買いなのですが…。
政策に対する市場の信認さえあれば、FRBに積みあがった膨大な量の準備預金が動き出す筈です。銀行間の取引懸念と将来に対する希望に自信がないから資金が眠っています。その為に資産投資の需給バランスが大きく崩れているのです。1月7日の東京市場はその巻き返しが始まったと思ったのですが…。先週のシティーは乖離調整で済まずに、過激な政策対応への催促に変わりました。バッドバンク構想を今週中にまとめるのか? それとも…その辺りが時間との戦いのようです。シティー・バンクもバンク・オブ・アメリカも大きな銀行です。黒字のJPモルガンまで新安値ですから、金融システムに対するかなり強い市場の要求ですね。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2009年01月20日
1月20日
期待感を持って米国民は新大統領の誕生を待ち望んでいますが市場は暗い展開です。処理が遅れていた欧州の金融機関の発表があり市場は再び先行き懸念が台頭しているようです。RBSは280億ポンド(3兆7000億円)の最終赤字計上だそうです。しかし損失の200億ポンドは「のれん代」ですからね。特殊要因のイメージです。市場は過度に悲観しているのではないかな? まだこれからUBSやドイツ銀行などを控えており、どうなるか…。バッドバンク構想による不良資産の買い取りが実現すれば歯止めが掛かると思うのですが…。基本的に先物からの下げにより現物株も下げたようです。明るい材料は隅に押しやられ暗い話しが前面に出てくる弱気相場の再来です。年初の高値から1300円も下げていますから、どうしても市場心理は弱気に傾きますね。
ただ東京製鐵が異形棒鋼の価格を2ヶ月連続で引き上げると言います。背景には原料のスクラップに引き合いがあり実際に価格も上がり始めています。その様子は上のグラフです。一時1万円を割れていた価格は、ここに来て2万円を付ける事例もあるようです。現在は1万6583円のようです。今日の日刊工業新聞によれば、1月のスクラップへの応札は過去最高だったそうです。この背景には中国の需要があります。昨日は鉄鉱石の輸入量の話しをしましたが、中国の粗鋼生産は目覚しい伸びで、今年は5億トン前後でしょう。ときわ会のH鋼の在庫など適正水準になっているようです。
何故、私がこの二つの材料を採り上げたのか?
毎日、レポートを読んでいる読者の人には、意味が良く分かると思います。さて今日はこんな話題から、少し銘柄の話にも言及しましょう。
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2009年01月19日
1月19日
弱含みの展開を続ける米国大手銀行株の動き、ここに来て不良資産を買い取る動きを政府が見せ始めています。日経報道によればイギリスではバッドバンクの設立を検討したらしいのですが、銀行が安値での売却に反対したらしく、結局、保証制度に落ち着いたと報道されていますね。難しい問題です。既に儲かる資産の時間帯ですから…日本のように強制的に不良資産処理を加速させるのか? 日本の場合は民間の再建スキームを政府が強引に乗り出しました。カネボウやダイエーのその後を見ると成功したといえるのかどうか?結局、産業再生機構と言うのはどんな存在だったのか? 必要な時に手を差し伸べずに、立ち直りの兆しが見えた時にしゃしゃり出た行動に私は批判的でしたが…。イギリスの銀行団の反対もそんな局面なのでしょうか?
事実、AIG、シティー・バンクは損失に苦労し解体に乗り出しています。メリルを買収したバンク・オブ・アメリカは微妙な位置ですね。このラインで踏みとどまるのか? 解体されるのか? 損失の度合いと自己資本の余裕のバランス次第です。ここで200億ドルを入れただけで大丈夫なのかどうか? 半年前のベアスターンズを買収したJPMは膨大な損失を計上しましたが、何とか黒字です。この半年間の違いが明暗を分けたのでしょう。経営方針とは恐いものですね。たった半年の違いが黒字と赤字の違いで、大切な資産を売却するのですから…米国の銀行株は客観的な現象を見ると、既に回復過程のように感じます。
しかし私は楽天的な考え方で見ていますからね。株価だけをみると実に微妙な位置にあります。大手6社(BAC、JPM、C、WFC、GS、MS)の平均株価では、11月の安値より若干上のようですが、個別比較のチャートでは、ほぼ同値の位置です。下のグラフのようです。危うい展開ですね。まぁ、市場経済の国である米国ですから大丈夫でしょうが…シティー・バンクのスミスバーニー売却まで追い込まれたシティーはみずほ型からりそな型に転落しているようにも見えます。果たしてここで止まるかどうか…。たった半年ですが、経営方針の違いの差は大きいのですね。
最近、財政出動の規模から中国への期待が高まっています。BRICs銘柄の推移を見ると資源がらみの銘柄の株価の動きはここに来て確りしています。日本の鉄鋼需要は大きく減っています。中国の北京オリンピックの反動などがあり在庫が溜まっていると言われています。しかし中国税関総署発表の数字によれば、昨年4月の4285万トンから10月の3062万トンまで鉄鉱石の輸入が急激に減りましたが、11月3252万トン、12月は3453万トンと再び財政出動発表に合わせ増え始めています。上海総合株価の指数も再び今日は2000ポイントに一時乗せましたね。ここは重要な点です。
市場には色んな動きがあります。日産自動車がタイに生産基地を動かすといえば、日野自動車は新しい工場を日本に作ると言います。色んな現象を見て自分がどう判断するか? 株価の読みと言うのは世界経済の流れを見て、どのシナリオに賭けて投資するかの選択なのですね。中国では内陸部で家電製品を買うと補助金が出るのだそうです。このような動きが影響あるのかどうか分かりませんが半導体産業の現実は厳しいのですが、株価は下値を売っているようにも見えます。市況は最安値をウロウロしてるのに、株価は上がってくるのです。面白い現象です。今日も市況が安く日経が減額修正を伝えた海運ですが株価は上がっていましたね。色んな現象を判断して自分がどのシナリオに賭けるか? ここに株価の読みがあるのですね。トヨタが大切な創業家の章雄さん(52歳)を、何故、この不況期に社長にさせるのでしょう。実に面白い現象です。
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1月16日
今日の市況はNYの戻りを見て、極度の警戒感が後退した感じです。ただ依然、弱気派は安値更新を言っています。まぁ、根拠のない妄想だろうと僕は考えていますが、可能性はあるのです。米国の資産デフレが止まらないケースですね。現在進行形で資産デフレは進んでいます。しかしJPMの10-12月期の決算が発表され、事前予想の2億ドルの黒字より増え結果は7億2百万ドルの黒字だそうです。これを受けて株価は高く始まったのですが、ムーディーズがAa2よりAa3に格付けを引き下げ株価は安くなりました。
この時期の環境からすれば立派な決算だと思います。貸し倒れ引当金73億ドルと前年同期比2.9倍を含む合計不良債権処理は110億ドルとか…。
加えて噂されていたバンカメに200億ドルの資本注入が発表され、更に1180億ドルの資産に損失保証が付けられるとか…報道されていました。しかし銀行株の動きは鈍く、値下がりしています。GSやMSに焦点を合わせるか? それともシティーやバンカメに焦点を合わせるかにより、相場観が変わりますが政府支援ですから心配ないと思います。
MSはシティーのスミスバーニーを27億ドルで買っているわけですからね。基本的に資産の圧縮の動きはここまででしょう。弱小のヘッジファンドが解約売りを出しても、たかが知れています。むしろGSやMSなどの有力行が資産を入れ替える作業の方が大きいと思います。何しろ既にGSは23.7倍から13.7倍へ、MSは23.4倍から11.4倍まで資産のレバレッジを、昨年の9-11月期で前四半期より下げたのです。だからスミスバーニーを買えるのですね。分かりますかね? 要するに売り方と買い方の綱引きで、早めに資産整理をしておけば、優良な物件を買う力が残ると言うわけです。国内でもGSがUSJのTOBを検討していると言う話しがありますね。つまり株価を大きく下げた資産圧縮の動きが一巡するわけです。
ここで重要な事があります。資産圧縮の動きが収まれば、もともと指標面から馬鹿割安なバーゲン価格の状態に株価は位置していますから、だから上がるしかないわけですね。実体経済が、どうのこうのと言うレベル以下まで株価が下げているのです。その証拠に、最近赤字を発表したソニーにしても、東芝にしても、そうして今日、日経で報道されている三菱UFJにしても株価は高くなっていますね。少し環境が改善すると碍子などの株が、直ぐに上がるのはそう言うことなのでしょう。
こんな事は小学生でも分かります。三菱銀行の持っている資産は一級品です。全部と言うか…大部分は駅前の土地ですね。それも都心の土地ですよ。田舎ではありません。買いたくても買えない優良物件の土地の価格を基準にした純資産を割れているのが現実ですからね。馬鹿な日本人ですね。こんなチャンスはそうはないでしょう。安全で確実に儲かる水準で、どの株もゴロゴロしているのです。
マスコミに100年に一度の不況で…と言う統一化された間違った宣伝により、僕らは洗脳されています。自分で考えれば分かります。有価証券報告書を見れば一目瞭然です。
株価の動きだけで判断するから間違うのですね。常識を基準に考えてもらえば良いのです。新日鐵だって古い企業ですから都心に土地をたくさん持っています。北九州の土地とは価値が違います。話は変わりますが…BACに200億ドルの資本投入って、すごい金額だなぁ~と考えますが、JPMの四半期で110億ドルの不良債権処理を計上しての黒字ですから、米国の大手行と言うのはすごいものですね。ざっと年間で4兆円ですね。先日、三菱がMSの20%の株式を1兆円で買いました。まぁ、今のところは権利だけかな? だいたい1年分ぐらいの価値ですね。まぁ、JPMとMSは違いますが、考え方に大きな違いはないでしょう。そう考えると今の米国の銀行株は安いですね。
今日は時間がないので、この辺で…。基本的にはトンネルの出口は見えています。あとは時間だけの問題ですね。
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1月15日
1月に入り年初こそ好調でしたが、その後は連続安に見舞われています。
この原因は明らかで…、銀行の資産圧縮が更に続くと言う読みですね。シティーバンクがスミスバーニーを売却し27億ドルを手に入れるように、今日のニュースではメリルの負担が重くバンカメにも、追加の資本投入がされると言う話しが出ていました。今は10-12月決算の数字が纏まり赤字額が明らかになっているので、その欠損分を資金注入している動きなのです。しかし、これまでの所、負け組みグループだけが対象のようです。シティーバンクは売る側ですが…同時に引き受けるモルガンスタンレーは受ける余裕があるということですからね。まぁ、ギリギリの資産の入れ替えなのでしょうが…。
株が上がるか下がるかを考える前に、需給バランスを考えねばなりません。
年末からの動きで、投資銀行業務を主体にしていたゴールドマンサックスとモルガンスタンレーは既に試練を乗り越えたものと考えています。弱小のシティーバンク、そうしてバンカメが更に増強され、整理が一巡するのでしょう。この作業が終ると、あとは不良資産を買い上げる次のステップに進めますね。そうするとケースシラーなどの住宅価格指数も改善の動きになるのでしょう。あと一息で、今回の金融危機の整理が終ります。
長かったなぁ~。
僕は新興株派だったので、母体が弱い企業は景気の変動に弱く、株価が大きく上下します。こんな所まで発展することが分かっていれば…と悔やむ日々を送っていますが、今は時間との戦いで改善に向っていますから、気分は日に日に明るくなっています。やはりLIBOR金利が高止まりした11月がピークだったようですね。私が緊急レポートを書いて、買い転換したのが11月25日です。実際は10月28日、10月10日に底入れした企業も多くありました。その後は基本的には下値固めのボックス相場です。
今から思えば、昨年の夏は少し早かったですね。まさかリーマンを破綻させるとは考えていませんから…。ベアスターンズの時はサブプライム問題だけと考えていたわけです。
だから問題の峠は越えているから大丈夫だと考えており、リーマン倒産直後はこれで材料が出尽くし…と甘く捉えていました。まさか世界中の投資銀行がレバレッジの見直しの作業をするとは…今は解約をストップしていたような弱小のファンドの解約が中心なのでしょう。だから売り圧力は弱い筈です。
基本的には私の認識は、既に整理は終っているのです。しかし次の金融サミットが行われる春まで、世界中の銀行はポジション整理を迫られています。早めに処理をした所は、あとになって投げる銀行の資産を買えます。その動きの一例がシティーバンクのスミスバーニーの売却でしょう。この株が良いとか、悪いとか、…の論評はあまり意味がありません。資産調整などで、お金になるものを全部売るわけですからね。比較感で良い会社は売る量が減るかもしれませんが、基本的には会社の良し悪しより、強制的に資産圧縮をしたわけです。年初からの動きは、大所が完了した反動の揺り戻しと考えれば良いでしょう。だからこの読みが正しいとすれば、今の安値は絶好の買い場でしょう。チャートを見ると、下値のボックスから抜け出す準備運動に見えます。今日は一時8000円を割れましたが、ここから下の水準は、何処を買っても時間の問題で利食い圏になると思っています。最初は2003年型を想定していましたが25日線をあっさり割り込み、弱気心理が台頭している様子を示しています。しかし昨年のように、買っても、買っても下がり続ける相場とは違うと思っています。まぁ、いずれにしても時間の問題なのです。米国金融の決算が発表されれば一段落でしょう。
このあとは世界中の金融・財政政策がジワジワと効いてきて、株高のインフレになるのでしょう。丁度、昨年の3月から5月のイメージの相場です。私は中国の財政出動が評価される相場が来ると思っています。地理的に有利な日本は金融の痛みもなく活躍できると思っています。今年は3年ぶりの上昇相場なのです。本格的な上げ相場になります。日本の政策運営は褒められませんが、企業努力により割安水準は是正されることでしょう。私は本格的な回復相場になると考えていますから、下手に材料株を手掛けなくても景気循環を加味した投資をしていけば、かなりの成果があがると思います。楽しみですね。今年は…
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2009年01月14日
1月14日
オバマ政権に対する人気はすごいもので、就任式を見たいと全米から人が集まっているとか…それだけ期待感が高いのでしょうね。緊急演説で財政出動を発表したけれど、株価は5日連続安となり現在の予定されている政策では不足だと、市場は催促しているのでしょう。早速、反応したのはバーナンキ議長です。銀行の不良資産を買い取るか? 更なる資本増強を検討しているとか…
シティー・バンクに続き、メリルリンチを買収したバンク・オブ・アメリカも悪い内容だと言われていますが、ベアスターンズを買ったJPモルガンは21日の決算予定日より前倒しして15日の寄り前に決算発表をすると言います。トムソン・ロイターの予測ではシティーは38億ドルの赤字、JPモルガンは2億ドルの黒字、バンカメは14億ドルの黒字と言うことだそうです。しかしモルガンのアナリストは、シティーとバンカメは何れも赤字の見通しでしたね。昨日はシティーが60億ドルの赤字と言う話もありました。どの程度になるのでしょう。株価の推移とバーナンキ議長の発言から考えれば、かなり悪いのでしょう。
シティーはスミスバーニーを27億ドルで51%の株式をJPモルガンに売るのですね。この出来事が米国の銀行業務の建て直しに時間がかかると言う観測を生み、5日間連続の下げに繋がったのでしょう。景気回復も更に遅れるという見込みからバーナンキ発言に繋がったと思われます。ただ負け組みの株価は弱いですが、勝ち組はマズマズなのです。
印象としては、ここで、もう一押しじゃないかな?
ブッシュ大統領は次期政権の要請があれば3500億ドルの追加の資金要請を議会に諮ると言っており、その方向性で動いているようなので、不良資産を買い取る可能性が出ていますね。この辺の読みが株価に関係してきます。
市場には二つの流れが存在します。米国金融の動きと中国の財政出動の動きですね。
米国のGDPは13兆8075億ドルに対し財政出動は2年で7750億ドルなので、5.61%です。一方、中国のGDPは24兆9530億元に対し財政出動予定は同じく2年で4兆元ですから16.0%の規模です。およそ米国の3倍の規模なのです。だから春節明けの中国の経済活動は注目を集めるわけです。BDI指数(バルチック海運指数)が注目されていますが、どの程度、実態を反映しているかどうか…。
一方、国内景気を示す景気ウォチャー指数は過去最悪を更新しています。注目されるのはアンケートに答える人の中で悪くなっていると回答する人の比率が非常に高くなっています。このアンケートは、良くなっている0.5%、やや良くなっている3.0%、変わらない11.1%、やや悪くなっている29.9%、悪くなっている55.4%なのです。この中でグラフは良くなっていると言う数と、悪くなっていると言う数を掲げDIを追っています。ここでは合わせて単純平均株価も見てください。米国は大丈夫だし、中国もおそらく大丈夫でしょう。一番、心配なのが日本ですね。混迷する政治に自分勝手な人種です。東洋電機など例を掲げるまでもありませんが企業経営者も3流ですから…
米国ヤフーのようにTOBの要求を撥ね退けても良いのですが、株価が低迷すれば経営者は交代するのです。ソフト開発のキャロル・バーツ氏が後任に選ばれたようです。非常に分かりやすいですね。バーナンキ議長の対応を追うと株価が下がれば対策をドシドシ出しています。市場の動向を見ながら政策を発動しているのです。
ところが…日本は市場動向は関係なしですからね。共産党、一党支配の中国でさえ市場経済の政策を採用しているのです。このままでは日本の経常黒字は減り続けるのでしょう。でも株価はグローバルだから…あまり心配はしていません。歴史的な下げを演じた位置ですからね。私は11月25日の寄り付きの株価を、ひとつの基準にしています。この前日に米国でシティー・バンクに二度目の公的資金投入を実施し、政府保証をつけたのです。つまり米国の金融システムを守る決意声明の日だったからです。
さてそろそろ、再びの上昇波動の目が出てきましたね。
2009年01月13日
1月13日
いやはや…相変わらず日経新聞をはじめ、各雑誌の思考パターンは弱いですね。
まぁマスコミがこのような弱気報道を続け、実際に株価が下がるのですから、まだ調整は未了なのでしょう。今日の下げで日経平均株価と移動平均線の乖離は埋まり、適正水準になりました。値幅調整を強いられる所が金融相場らしい…と勝手に考えています。
当初、私は1月末まで調整らしい動きはなく、株は高いと考えていました。しかし見事に裏切られましたね。年末に発表された5000億ドルのMBSの買い入れの話は大きいし、他の銀行へも資産保証を拡大する話も大きいなと思っていました。
しかし米国の銀行株の動きは、勝ち組はマズマズなのですが、シティーバンクなどの負け組みの動きが重かったのです。案の定、シティーバンクの決算見通しは思わしくなく証券部門の「スミス・バーニー」を移管する話が浮上していると言うのです。この動きによりシティーは20億~30億ドルの現金を受け取るとか…。10-12月期の決算数字が当初予想の赤字が41億ドルから60億ドル近くに拡大するのだそうです。1月末になると10-12月期の決算数字が出てきます。この時期(10-12月)が一番、赤字幅が大きい場所なのでしょう。なにしろ3ヶ月もののドルLIBORが異常金利を示した時期です。事前予想で下げて、実際の発表で株価が上がるパターンになるかどうか…。
日経新聞によれば解約をストップしていたヘッジファンドが売りを再開すると報じています。まぁ、その動きもあるのでしょう。しかし既に峠は越えています。弱小のヘッジファンドが解約を止めたのです。投資銀行の資産圧縮は峠を越えていますからね。何故、NY市場が4日連続下げ、今日の東京市場の下げ幅が膨らんだのか? たぶん、シティーの証券部門売却話がショッキングだったのだろうと考えています。決して日経が報じているヘッジファンドの解約売り再開が、主要な原因ではないと思います。負け組みのシティーバンクは、まだ資産圧縮が充分ではなかったのですね。GSやMSは昨年末で、資産圧縮の目処が立っていると思います。米国の財政出動の実効性を疑う向きもありましたが、これは心配ないでしょう。株が下がるか上がるかは資産圧縮の動き次第なのでしょう。
是非、読んでおいて欲しい記事が、昨日の日経新聞のコマツの坂根正弘会長の考えです。私がイメージしているのは、この記事の内容ですね。流石、一流の経営者です。全体として上手く捉えていると思って、この記事を読みました。更に日経ビジネスを読んでおられる方は、1月5日号のP106~のジャック・ウェルチ氏のインタビューも納得のいく記事でした。日本のマスコミは、もっとこのような考えを多く採り上げる必要がありますね。100年に一度の経済危機などと言う言葉で、世情を煽るより現実的な記事を載せるべきでしょう。1981年当時、米国のプライムレートは20%以上で失業率は15%近かった現実を乗り越えてきたのです。「恐怖に縛られずに行動をしろ」と彼は言っています。その通りでしょう。チャンスですね。
ウォーレン・バフェット(投資家)やジャック・ウェルチ(GE前CEO)、坂根正弘氏(コマツ会長)らの発言は、私が抱いている仮説に近い行動を示しています。私は今回の不況は金融不況なので、立ち上がりが早いと考えているのです。金融機関の資産バランスが正常化すれば、早晩、経済は立ち上がるという仮説で、投資行動を取っています。だから土曜日の商品指標欄の動きもよく理解できますね。デッカプリング現象です。今日の動きは下げ相場の割りに強いものでした。投資と言うのは仮説の上で行動するものです。そうして常に現実の動きで、頭の中で描いている仮説を修正するのです。
まぁ、結果はあと2週間もすれば、だいたい判明するでしょう。今日は時間がないので、この辺で…。懐疑の中で育つ相場とは、よく言ったものですね。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2009年01月09日
1月09日
新聞と言うのは、どういう尺度が基準になるのでしょう?
日経新聞の今朝のトップはトヨタの人事でした。創業家に14年ぶりの大政奉還する報道でした。実はこの話はずっと以前に決まっていた話で、たしか…、ぼくは何処かで書いたような記憶があります。私が一番、関心あったのは、これまでに何度か報道があったとはいえ、昨日、次期米国大統領が、景気対策の為に財政出動をする正式発表の話題だったけれど、なんと、この記事は7面に報道されていました。民間企業の人事が、この記事より重いのかどうか…いかにも日本的な感覚だなぁ~。
オバマは2年間で7750億ドル程度の規模で、うち減税が3000億ドルとか。
米国のGDPは13兆8075億ドルもあるので、この財政出動の規模は、決して大きなものではないでしょう。これに比較して中国のGDPは3兆2800億ドル(24兆9530億元)なので、先頃、発表した2年で約6000億ドル(4兆元)の景気刺激策は、とてつもない金額に感じられますね。就任前の大統領が、異例の記者会見をする時代なのに、日本では天下りの渡り鳥の話しをしているのです。本当に…、この国は呆れるばかりです。報道機関の姿勢もそうだし。
話は変わるのですが、たった一軒の農家の敷地の為に、成田の滑走路が1本作れずに経済効果が大きく失われています。反国家権力闘争を仕事にしているような連中が流れ込み、事態がおかしくなったのですが…。
日比谷公園に野宿していると言われている契約社員と言うのは本当に居るのでしょうか? たしか何処の新聞だったか…。全国の商工会議所が農業をやる人を求めているとか…。
2百人程度の規模でしたが記事を見ましたね。働く気になれば、都内ではアルバイトを募集していると思うけれど…。マスコミが悪戯に事態を煽る報道を繰り返すのは、もっと別の狙いがあるのではないかと疑いを抱きます。日比谷公園で炊き出しをやっている人たちは、どんな人なのでしょう。
自分でも最近は呆れるくらいです。
報道の裏を考えるようになったのは、株屋になった為なのでしょうか?
日経新聞が、何故、米国の財政出動を大きく採り上げないのか?
オリックスと郵政省とのかんぽの宿の契約話しが、そんなに重要な案件なのか? とか…兎に角、色々考えるのです。
今日の市況は利食いが継続しており、それを消化している動きですね。当然でしょうね、日経平均株価の25日線との乖離が8%を越えることは珍しいのですね。私の最近の興味は投資銀行のあり方と、加工貿易立国のあり方なのですが…。人気株のシャープはどうなるのでしょうか? 民主党が主張するように契約社員体制を見直し、正社員で雇用できれば良いのですが…。このような法律が出来たら、日本に製造業が残れるかどうか…。
おそらくグロール企業は海外に工場を移転するでしょうね。既に中国に生産基地は奪われ別の形で生きる姿を模索しないとならないと思うのですが…。今日の市況ですから、この話はここまでにして、25日線との乖離は、今日は3%まで縮小し、あと数日間で調整は完了します。2003年型なら、この調整の後に買い方の参加者が、更に増えて株が上がるのですが…どうなるのでしょう。その時の主役銘柄は何が先導するのか? この辺りを週末に考えてみます。
2009年01月08日
1月08日
今日の東京市場の動きは当然のお休みなのでしょうが、下げ幅が大きくハッキリとした金融相場なのかどうか? 意見が割れます。
2003年の最初の上げは4月の下旬から5月の上旬ですが、その調整期間は7日間ぐらいですね。75日線を一旦上回り、直ぐに下げて25日線で止まって反転しています。今日の25日線は8559円ですから、少し調整が必要なのでしょう。まぁ、こんな比較に意味があるかどうか…経済情勢は違いますからね。
米国株が下げたのは民間の雇用調査が69万3千人と市場予測の51万5千人より悪化した為と言われています。事前に悪い数字が出ていれば問題はないと思いますが…オバマ政権の経済対策は明らかになっていませんが、新聞によれば色々言われています。かなり大規模の財政出動をするような話しです。FRBは2007年の夏から金融政策の転換をしましたが、実質上、慌て始めたのは昨年の1月です。その効果がそろそろ実体経済に効いてくるはずですね。通常、金融政策効果は1年後に表れると言われています。
今日の日経新聞の市況欄には中国からの引き合いでスクラップ価格が上がり始めたと載っていましたね。実はこの動き、昨年末に業界紙では報じられていました。相場の読みは難しく中国では不動産不況が深刻で鉄鋼の在庫が1億トンもあると言われていました。そのために中国の鉄鉱石の輸入は10月は9月の半分の輸入でしたが、11月はこの輸入をストップしたと言われていましたね。だからバルチック海運株指数が急落していたのです。ここで6日の今日の市況を思い出してください。胡錦濤国家主席の年初の談話です。中国は37%もある輸出の伸び悩みは明らかですから、それを補い成長を遂げる為には大規模な財政出動が必要でその需要がどうなるか? 日本の鉄鋼株をはじめ商社、海運株の株価の推移はこの見通しによる訳ですね。だから上海総合株価の推移も重要なのです。
色んなデータから今後を推測します。例えば昨日、明らかにされたインテルの10-12月の売上が前年比23%ダウンの話しですが…他の同業はもちろん、概ね、20%程度の需要がリーマンショック以降、減っているようです。投資銀行の資産圧縮が加速したのがこの時期でLIBOR金利が跳ね上がったのも、この時期です。この時期を経済状態が今後も続くと見るかどうか…。この辺の読みが今後の株価予測に影響するわけです。
まぁ、1-3月期の業績推移を見れば、今後の概略は掴めるのでしょうが、今の時期の読みは難しいですね。株価が揺れるわけです。FRBが5000億ドルもMBSなどを買うと宣言しているのは、どう経済に跳ね返るか?
今日の日経新聞にはFRBの政策の見方が載っていましたね。私はFRBがインフレ・ターゲット論を採用するのではないか?と述べました。バーナンキ議長はミルトン・フリードマンとアンナ・シュワルツの大恐慌研究の「金融危機がデフレを悪化させた」と言う研究を高く評価していると言われています。FRBは何でも出来るのです。今、恐れられているのは不動産価格の下落などの資産デフレです。事実、値下がり傾向が続いていますからね。しかし私はGSEの差し押さえ件数が減っていると昨年末書きました。在庫が減りFRBが果敢に銀行の資産を買い取れば、銀行は融資枠が増えますね。だから、どう考えても株価が上がりますよ。FRBの行動は注目に値します。日銀とは違いますよ。市場経済の国米国ですからね。おそらく中国も大丈夫。胡錦濤国家主席の年初の談話から推測すれば2009年は薔薇色の株式相場の展開になりますね。
2003年型なら、来週が最後の買い場。それとも、あなたは大恐慌派ですか?
2009年01月07日
1月07日
人間と言うのは不思議なもので安心感が広がると考え方が変わるのでしょうか?
実は昨日は、年末に買った「新日鐵を売ってくれ」って、お客様から電話を頂いたのです。私は年初から一貫して「売りはゆっくりで、買いは急ぎましょう。」と応えており、相変わらずの強気を堅持しているのです。そのお客様は、昨日305円の時に売ってくれと言われたのです。しかし「一日待ちましょう」と説得して、今日、半分の5万株を310円の指値をしていたら、312円と、寄りで高く売れました。今日の高値は328円ですが、引けが322円なので、今度は320円ぐらいで、明日は指値をしようかなと思ったら、お客様は強気になったのか? 330円だと言うのです。この投資心理は不思議ですね。
流石に強気の私も、そろそろ大丈夫かな? 何しろ7連騰だから…と考え始め、過去のデータを調べてみました。最近では2003年が金融相場の始まりなので、その結果は下記の通りです。なるほど…。このまま本格的な回復なら、やはり慌てて売る必要もない。果たして…本物の回復なのかどうか? 流石に7連騰もしており、売買代金が2兆円を越えてくると…、6500円とかと言う弱気説を唱えたアナリストの影は薄くなってきました。ガンガンの強気を堅持すべきかどうか…。戦略上、多少利食いを入れたのですが…。
相場の中身を見てみると…相変わらず、過小評価され過ぎた銘柄のリバウンド。
シャープなど、いろんな材料を言っていますが、1株純資産が1126円ですからね。
四季報予想では黒字ですが、どうかな?
まぁ、上がったといっても、まだ株価は897円ですから安い水準なのですが…。もともと日本の国がデフレ政策を堅持していれば、資産規模が大きな会社はマイナスです。色々考えても、やはりROEと言う基準が生きると思うのです。ビスタでは年初のレポートで、このスクリーニング資料を掲載しましたが、今日の日経新聞に掲載されていた日本電気硝子は10位にリストアップされていましたね。つまり割安株が物色されている相場なのですね。年末から、既にどの銘柄も2割程度は上がっています。
今日の話題の中では、やはり日経新聞が報じていた対日投資の税率が軽減される話は、大きな材料なのでしょう。アジア株は安いものもありましたが、東京市場が強いのはこの影響もあるのかな? ただ、まだ法令改正が通った訳じゃありません。昨日は中国経済の見方に対し日経批判をしましたが、今日の分裂の話題を取り上げた記事なら納得がいきますね。中国にも様々な考え方の人がいるから、意見が分かれているという記事なら分かるのです。昨日の記事は、如何にも危ういという印象を連想させますからね。文章の書き方により、受け取り方は同じ内容でも違いますね。同じ記事を読んでも、人により受け取り方が違うものです。当然、筆者の狙いと読者の行動は違うし…、微妙な食い違いが生じるものですね。
僕は商売ではありませんが、このサイトを10年近く書いていると、読者からのメールを頂き読んでいると、色んな人がいるものだな。…と感じます。僕の価値観は歪んでいるのかな?とか…、考えるのですね。どうも僕は世間から見ると、少し変わっているようです。自分では普通だと思っているのですが…。こんな話しはどうでも良いですね。しかし重要なのです。どの情報も色んな見方をする必要があるということです。相手の意図を探らないと駄目なのです。日経新聞なんて…、一般の人は何気ない記事に思うかもしれませんが…、ずいぶんと作為的な感じを、私は抱きますよ。
話は逸れましたが、重要な事はこれからどうなるか?
水準訂正は広範囲に行われていますから、売買代金が膨らんできたのです。分かりますかね。この感覚が…。ようやく投資家の人が売り買いをする水準になったということです。だから、この水準から、儲けることはだんだん難しくなっていきます。ビスタで話している第一シナリオのトップランナーは休んでいますが、二番手に後場から動きがあり売買高が膨らんできましたね。あの後場寄りの買い気配は、買戻しでしょうか? それとも…。また三番手も良い形のチャートになっています。果たして、ここから飛ぶのかどうか…。トップから二番手、三番手に物色が広がり、幅広い銘柄の値戻しが始まっている姿が、今の市場の動きなのでしょう。今日はお客様に、列車の話しをしました。乗りたくても勇気がなくて出発を見送った人が、次の列車に乗れるかどうか? 相場の輪がさらに大きくなる為には、この乗り遅れ組みも、列車に乗せなくてはなりません。
人間は不思議なもので、直近の高値から押し(下がると)を入れると、心理的に買いやすくなるものです。だから…、このポイントが何処か? この辺が焦点なのでしょうね。
しかし、まだ二番手に広がったばかりの印象もしますね。何処が焦点か見極めるのは難しいものですね。
2009年01月06日
1月06日
異常な水準が長く続き、ようやく本来あるべき姿に戻りつつある市場展開です。
いつの時代もそうですがマスコミは…。「恐慌」突入、デフレとか、不安を煽る話題ばかり報じています。今、起こっている現象を解説しておれば問題ないと思うのでしょう。
株屋は常に6ヶ月程度、先を考えなくてはなりません。景気悪化は既に世論が認知する所で、強気を貫く私も仕方ないと思っています。
景気悪化の原因はなにか?
ここが問題なのですね。ロシア危機でLTCMが破綻したとか…今回の場合はサブプライム問題を発端に投資銀行の在り方が問われているのですね。そうして最後に残ったMSとGSも商業銀行への転換を余儀なくされました。何が一番違うかと言えば、レバレッジの話しです。自己資産に対する総資産の割合が投資銀行と商業銀行では違いました。簿外の特別目的の会社もあり、巨大なレバレッジを掛けて収益をあげていた投資銀行はなくなりました。なくなったというか、縮小を余儀なくされたのですね。だから車も住宅も売れないのです。原因が分かるまでが大変だったのです。その原因が一般的に認識されています。だから既に恐いものはありません。一番恐いのは原因が分からないことです。原因が分かれば、対処に向うのです。
基本路線が明らかになり、処方箋が間違ってないので株が上がり始めたのです。この期に至って「デフレが来るとか…」馬鹿な発言をしているアナリストは素人ですよ。FRBは5000億ドルのMBSを半年で買い取ると宣言をして、既に実施し始めたようですね。FRBですよ。規模がどうのこうの…とか、資産が劣化とか馬鹿な発言をしている人はおかしいですね。自分で考えてみれば分かります。無尽蔵に紙屑をお金に変えられるFRBが資産を買うのです。インフレになるまで買うのです。デフレになる訳がない。日銀総裁の白川さんが日銀の資産劣化を…話すのは、折角の量的緩和政策を打ち消す発言ですが…バーナンキは馬鹿じゃないですよ。流石、市場経済の国ですね。だからGSの株価が戻り高値を更新し続けているのです。今日はこんな感じでスタートです。
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2009年01月05日
大発会(2009)
みなさん、明けましておめでとうございます。
今年は3年ぶりの上昇相場です。2006年、2007年、2008年と、3年もやられ続けると流石にIRNETの読者も減ってきたようです。しかしうれしい事に熱心な読者の人もおり感謝する次第です。
ようやく、陰に隠れた悪代官の存在が明らかになり成敗される動きになったのが昨今の動きでしょう。切っ掛けはリーマンの破綻です。これでサブプライムと言う手先ではなく、大物の存在が明らかになりました。知っていた人は居るのですね。何度か「かたる君の考えは甘いよ」との指摘のメールも頂きましたから…。当初から投資銀行の存在意義を問う声は少なく、サブプライムと言う手先に照準が合っていたために、問題の本質を見失った結果がこのザマです。トホホ…。貧乏生活も3年になると蓄えもなく、借金だらけの有様で税務署にお世話になる心配もありません。
さて冒頭に3年ぶりの上昇相場と決め付けましたが、理由はあるのです。世界中の政府が景気を良くしようと必死になって頑張っているからです。日本政府ぐらいでしょう。ノー天気にデフレ政策を堅持している国は…。世界では今年、インフレターゲット論が話題になるでしょう。政策目標をインフレにすることです。物価が上がることを容認するのです。おそらくFRBは、何処かでこの目標を掲げると思うのです。4%程度のインフレ目標を…。信じられないでしょうが、私の読みではそうなります。また外れると、多くの人が思うかもしれませんが…どうでしょうね。
実は…30日(日本時間は31日に判明)にFRBは5000億ドルのMBSの買い入れを半年間で実現すると発表しました。すごいですね。流石、市場経済の雄の国家です。この政策に拍手…
加えて1月2日に米国の財務省はシティーグループに実施した資産保証制度を他行に広がると発表しています。この二つの政策は非常に重要です。案の定、米国金融株は揉みあい相場から放れます。その模様はまだ明確ではありませんが、間違いないでしょう。そのグラフが下のものです。よって昨年の夏ごろより予想していた展開になり始めてきましたね。本格的な上昇相場です。思い返せば昨年の大発会は616円安の14691円と大幅安で始まりました。そうして一番人気銘柄は悲しい事に、仕手株の三洋電機だったのです。今年はみずほが一番人気を飾っています。この違いは歴然としていますね。FDKが値上がり第一位だから…云々とか言わないで下さいね。三菱商事なども人気になっていました。
そうです。イスラエルによるガザ地区への軍事侵攻が切っ掛けです。中東の不穏な動きをアメリカ新政権は容認しました。何故、イスラエルがこの時期に軍事攻撃を仕掛けたのでしょう。選挙があるから? 色んな説がありますが、私は世界の経済にとって急激な原油価格の値下がりは好ましくないから行った作戦だと思います。ロシアは保護主義の動きを見せ、中国は10年ぶりに軍事パレードを再開とか…。すでに株価を考える時に、日本の政策だけの影響で、決まらなくなっていますね。外人投資家に主導権があり、日本の機関投資家は自分で考えることを放棄しています。こう考えると、重要な要素がいくつも見えてきます。市場では馬鹿な連中に先導され、オバマが環境保護派なので太陽電池だとか騒いでいますが…失敗は繰り返されるのでしょう。まぁ、かたる君の読みが外れ続け3年ですから…私の発言も神通力を失っています。
IRNETではあまり銘柄観を語ることを避けて、大筋だけを理解していただければ良いと思っています。今日は基本的に、この高い所を買い増しし、相場テクニックから利食いも先行させました。果たして2009年は、どんな年になるのでしょう。また2005年のように年末年始は海外旅行をしたいものですね。今年の正月は落語です。実はこれからまた寄席に行きます。この世界も奥が深そうですね。どの世界もそうですが、表面上だけをかじった程度で理解できる世界はありません。知れば知るほど奥が深く面白くなってきます。IRNETの視点を通じて株の魅力を理解して、その知識を生かしお金を儲けて、日本の為に使いたいものですね。2009年、本年もよろしくお願いします。
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