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2009年09月30日
9月30日
NY市場の朝方はケースシラー住宅指数を受け高かったようですが、消費者信頼感指数(CB)が発表され、予想よりの悪化を見て利食い売りに押されたようです。注目されたのはファニーメイの住宅ローンの延滞率(3ヶ月以上)が4.17%に上昇し、この数字は1972年の調査開始以来、最悪の数字だそうです。前月の7月比で0.23%アップ、前年同月比で2.72%の悪化だそうです。このような前月比とか、前年度比とかの数字の場合12倍すれば良いですね。0.23×12=2.76%ですから、まだ延滞率が若干増えているのでしょう。
一方、ケースシラーのグラフを見ると10大都市では前月比が1.73%アップで、前年比では12.77%減ですが、前月比は1.73%×12=20.76%ですから、住宅価格の回復振りが感じられますね。消費者信頼感指数は景気の先行指数なので注目されますが、前月より悪化しましたがグラフを見ればわかるように、高止まりしている様子が窺えますね。
日本でも鉱工業生産指数が発表されています。こちらは6ヶ月連続の回復です。自動車の回復を受け、自動車用の鋼材が8.4%も伸びており、薄型テレビ「情報通信機械工業」も5.9%伸びていますが、冷夏でビール不振によりアルミなどの缶が不振で「金属製品工業」は0.9%ダウンしました。先行き予測でも9月、10月と好調のようです。ただ融資姿勢の悪化からか、8月の住宅着工件数が前年度比38.3%減の5万9749戸と不振でした。信用力のある大手不動産は着工できますが、中小の不動産会社は融資が得られないのが現状なのでしょう。
このように金融機能が麻痺するとあらゆる産業に打撃が及びます。多少の景気対策より金融セクターを儲けさせる政策が、景気回復には一番の薬ですが、政治家さんは分かっているのかな? 1989年以来、銀行の倒産や再編に見られるように、政策の失敗を全部、金融機関に押し付けている現実があります。亀井大臣が主張は良く分かりますが、もともと政策の失敗を強引に押し付けた現実があります。更に金融庁は検察が母体になっており強引な摘発型検査方法で金融機関をガチガチに縛りました。その為に貸しはがしや貸し渋りが指摘されるようになったのですね。歴史的な経緯が問題なのです。UFJ銀行は金融庁に潰され、三菱に併合させられたのです。あの検査姿勢が貸し出し態度に影響したのですね。だから亀井大臣の指摘は本末転倒です。自分達の検査姿勢を改めないとなりません。
何故、証券市場は疲弊しているか?
今日も辛うじて1兆円の売買高を維持しましたが…ガチガチのマニュアル検査が証券界を萎縮させているのです。誰が株を買いますか? 株を買う前に、株は倒産したら出したお金がなくなります。売りたくても売れないことがあります。散々、脅して商品を買う人がいますかね? 車を販売する時に「死亡するリスクがあります」…なんて脅しますか? まぁ、日本は資格社会でマニュアル社会なので、個人の裁量権を奪われ、自由がないから経済が疲弊するのでしょう。『デフレ、デフレ、凍てつく氷の世界』
今日はネガティブなブルーな日ですね。
実は、また新しいアイディアが浮かびました。きっと、かなりのパフォーマンスを得られるのでは…システム売買に近いアイディアですが、週末のビスタの題材にしようと思います。しかしデーターを集めるのに時間がかかりそうですね。間に合うかな?
2009年09月29日
9月29日
ドイツも深刻な金融危機で経済に打撃を受けたけれど…
『ドイツ総選挙で中道右派連立政権の誕生とメルケル首相続投が決まった27日夜。ベルリンのキリスト教民主同盟本部で、ひときわ大きな歓声が上がったのは、連立相手の中道右派・自由民主党の予想得票率が「戦後最高」と発表された時だ。』と報道されており与党政権が政策支持を受け、株価も高いと言います。日本と違いますね。
小泉政権の時に自民党を敵に回し、郵政改革を掲げ構造転換に挑んだのに、2006年の秋に小泉首相が引退すると決まった瞬間に既得権勢力が猛威を奮い株価は下がりました。今度は官僚制度を否定する民主党誕生か…。今のところ目立った反撃はありませんが、彼らは着々と機を窺っているのは事実でしょう。圧倒的な議席数を保持し、これだけの国民の信認を集めている為に、彼らは迂闊に動けないのでしょう。しかしマスコミを使った世論誘導を、もう直ぐ始めるのでしょうね。理想論を掲げる民主党のやり方が、全て正しいとは思いませんが、株式市場は産みの苦しみを味わっている印象を受けます。
歪な展開をみせる証券市場はどう動くのか?
外需のグローバル企業の株価位置は、ドイツ市場のように高いまま推移しています。悩む製造業は鳩山首相のCO2宣言により、格好の言い訳ができるので国外に生産基地を動かすのでしょう。そんなに日本経済は強いのかな?と感じる円高水準です。この背景は民主党政権のばら撒き政策により、財政が悪化し大量の国債発行で消化難からくる金利高まで読んでいるのでしょうか? まさか…とも思いますが、目先の海外子会社の利益還流説がありますが、やはり信じられません。
常に市場には色んな見方が存在します。
昨日は野村證券の公募資金を使ったバラ色論を述べましたが、野村證券の過去の営業キャッシュフローから考えると、資金繰り悪化説による早目の資金手当てとも読めます。あまり詳しく書くとファイナンス中だから…障りだけにしておきます。要するに色んな見方が市場に存在するわけですね。今日の日経新聞に、金融の自己資本比率の経過報道が載っていました。2012年の話しで、それも条件付の話しを、今からワイワイ言うマスコミや市場はどうなのでしょう。やはり目先の「貸しはがし、貸し渋り法案」の行方が心配されているのでしょう。10月9日と言う話しを聞きました。その時点で記者会見をするというのです。大塚副大臣の話が市場には伝わっており、常識的な線になるのだろうと考えますが市場はネガティブ思考ですからね。
その自己資本比率の定義は定まっておらず予想は難しいのですが、市場で流れているUBS証券の資料によれば下のような数字です。国際基準はコアTier1で4%以上と言う説が噂されています。しかし米国の主張で自己資本比率規制が導入される予定ですが、景気が回復したら…との曖昧な条件が付けられており、あまり神経質になる必要はないと思います。むしろ実体景気の行方が問題でしょう。
米国の車の事情が、昨日、報道されていました。トヨタ自動車の米国の在庫解消が進み2008年末に90日分あった在庫は、僅か11日分に減っていると言います。適正在庫は40日分と言われており、9月の売上は8月に比べ補助金がなくなるので落ちるでしょうが10-12月期は1割程度の在庫投資の増産活動をするようです。ここでも意見が割れており米国法人は「これからオバマ経済対策効果がジワジワ効いて来る」という見方だそうです。一方、日本では「刺激策が上手く行きすぎで、9月に再び販売ペースは年間で1000万台割れになる」と言う見方があるようです。
仮に本当に需要が落ちるなら、株価が新高値圏で推移するのでしょうか?
DRAM価格は、なんと採算ラインを超える2ドル台で推移しています。
DDR2の1G(800MHz)は2.12ドルですね。DDR3の1G(1333MHz)は2.25になっています。明らかに需要は強いですね。まぁクリスマス商戦なので当たり前ですが…。このような環境下で日本株だけが下がり続けるのは考え辛いけれど…。まもなく上海総合株価指数が明確に底入れの形を示すでしょう。インドは人口が多く、ここからGDPの固定資本形成比率が高まる水準に突入します。中国の2001年前後に位置するのでしょう。ここで民主党政権が正しい政策を実行すれば地理的に優位な日本経済は一気に…。やはり私は株屋らしく、強気のバラ色論を思い描いています。
2009年09月28日
9月28日
世界景気は順調な回復振りが確認されているのに、日本株だけが不安感を抱えているようです。背景にあるのは民主党政権への戸惑いがあるのでしょう。私のお客様の多くは自民党の支持者です。お金持ちは様子見を始めたようですね。銀行の姿勢も厳しいようです。外部環境は悪くないのに…。市場は歪な構図が続いていますね。国際優良株は新高値ラインですが金融を中心とする内需セクターには逆風のようです。本来、外需依存度の高い製造業は生産が戻り始め悪くないので不良債権も減ります。ところが予算の執行停止を含め、内需の景気刺激策が大きく落ち込みそうだと言う見方が強いのでしょう。
小泉改革は郵政民営化を旗印に、財政投融資資金の出資先である郵貯を民営化する事により国に効率化を迫りました。小渕内閣で膨らんだ公共事業投資を半分に減らしたので、地方経済は悲鳴を上げ、格差拡大を生んだと批判されています。しかし民主党は更に踏み込み気配ですね。一般会計だけでなく特別会計にメスを入れ始めている様子です。例えばガソリン税の撤廃は道路族の資金源です。この官が自由に使うことができるお金(特別会計)を民間に流すのですね。可処分所得が膨らみますから、当然、消費は伸びるでしょう。
デフレ政策も背景にありますから、SPA(製造小売)形式の企業の株価は高くなっています。「ファーストリテイリング」や「ニトリ」が好事例でしょう。これらの企業は製造拠点を中国、ベトナム、インドネシアなどにおいて生産し製品を日本に輸入をしています。つまり円高はプラス効果になりますね。一般的に内需振興はこのような小売を思いがちですが…、実は本当に内需振興が実現できるなら一番潤うのは日本の銀行でしょうね。この発想が理解できるでしょうか?
国内消費はGDPのおよそ56%前後です。米国は71%あります。仮に10%消費をあげることが出来れば、およそ30兆円の需要が生まれますね。総固定資本形成と政府最終消費を減らし構造転換を図るわけですね。少し予断ですが社会資本整備が盛んな中国は、総固定資本形成は41%もあり、消費は僅かに36%なのです。中国の場合は輸出で儲けてこの財源を活用し、固定資本形成の財源を作っているのです。昭和30年代から40年代の日本の物まねですね。日本には個人の金融資産が1400兆円もありますが、埋もれています。効率的な運用が出来ていないのですね。このお金が動き出す切っ掛けを作ってあげれば良いのです。面白い実験が始まりましたね。
何故、久しぶりに「ワクワク感」を抱いているのか?
それは20年以上続いたデフレの閉塞感から抜け出せる可能性があるからです。前川大臣はJAL問題を地方空港の問題と重ね合わせて考えているようです。無駄な投資が更なる無駄を生み、企業が疲弊する構図を的確に捉えているようですね。このような事例は随所にあります。要するに非効率なお金の使い方を、正当化させようと官が民間に無理強いしているのが今の日本の問題点です。一般会計予算より特別会計の方が2.5倍も大きいのが問題なのです。ガソリン税の撤廃などは、そう言うことですね。
野村證券は規制の厳しい日本での営業を諦めたのでしょう。(かなり語弊がありますが…)
今回の増資資金4000億円を、何に使うのでしょうか? 米国の商業用不動産市場が悪化しており買い手が少ないようです。日経ヴェリタスではフォートレス・インベストメント・グループ(Fortress Investment Group)が紹介されていました。なんと年率25%に回る物件があるようです。4000億円のレバレッジを10倍掛ければ4兆円ですね。10%の収益で4000億円の利益を挙げられます。運用できるかどうか分かりませんが、その狙いが感じられます。本来、金融とは「アイディア」の勝負ですね。いいですか、日本の一等地である丸の内の不動産のノンリコースローンがジャンプできないのが現実です。借り換えが出来ないのですよ。東京でも10%以上に回る物件はかなりあります。少しは金融のダイナニズムを感じていただいたでしょうか?
このような夢を語る相場がやってくると良いですね。
まだまだ紆余曲折が予想され、混乱する特別国会があり、民主党政権の手腕も分かりません。しかし死んでいたかたる君が久しぶりにワクワクする躍動感を感じていることも事実です。同時に損をしているので失望感もあります。複雑な気持ちで相場を眺めている次第です。最後にテクニカル面で日経平均株を考えると株価位置は75日線上(10072円)に来ています。騰落レシオも81です。26週線は9786円ですね。1週間で50円ほど上昇しています。あまり深刻になる必要もないでしょう。
2009年09月25日
9月25日
唖然としたのが野村證券の増資発表です。
2度目の増資発表をするなら、前回に、もっと多くの増資をすべきで、資本政策の在り方を問われる内容だと思います。やはり僕は既に過去の人間なのでしょう。市場を育てるべき立場の証券会社が市場原理を踏みにじる行為は理解に苦しみます。理由は前回の増資です。損失の穴埋めと兼ねてリーマンの買収資金と言うのは理由が分かります。おそらく想定以上の資金が必要だったのでしょう。確かにリーマンの買収効果は、多少、出ているようです。イギリスでのシェアは上がっていますから…。しかしその増資効果が確りと出てないのに追加増資をする姿に疑問を覚えます。それなら前回、もっと精査して増資額を増やすべきだったのでしょう。なにやら市場を馬鹿にしているような印象を受けます。
私はJALの公募増資を盛んに批判してきました。
黒字化の見通しもないのに2006年7月に増資を強行したからです。その後、確かに経営環境は悪化しましたが全日空はその中で頑張っているわけで、JALのあの増資は詐欺だったのでは…と、改めて疑問を感じるわけです。野村證券に至ってはエルピーダのMSCBを引き受けし発表した後に、中止しています。その後、エルピーダは再び公募増資を実行します。しかしエルピーダは公的支援を受ける再建企業です。何故、公募が認められるのでしょう。東芝の増資もしかり…。第三者割り当てなら許せますが一般公募ですからね。どうも市場に携わっている人間として、理解できない現象が増えていますね。市場は打ち出の小槌ではありません。
市場は公正で公平であるべきですが、市場を培うべき人間が「後出しじゃんけん」をしたり、基本的なモラルが滅茶苦茶になっている印象を持つのは私だけでしょうか? アイフルが私的整理に入りましたが、あの法律も、どう考えても理解できません。金利が18%に下がるのは良いのです。法律が変わった時点を基準にすべきですね。それなのに過去に認められていた高金利を、遡って返せと言う法律が理解できないのです。今度の亀井大臣の返済猶予発言、一国の大臣が発言する言葉かな?と疑問に思います。約束したことを守るのは当たり前です。それが世の中の基本的なルールですね。サラ金規制は、法律で約束を守ることを、放棄させる内容ですね。グッドウィルもそうだし…。労働政策も二転三転し、この国の形は何処にあるのでしょう。人間の信義って何かな?
いい加減に、ウンザリする現象ばかり起こります。
これじゃ、まるで無法地帯ですね。悲しい国です。
一所懸命にルールを守って生きている人間を、あざけ笑っているようで…馬鹿馬鹿しい限りです。今日はあまり多くを語ることはありません。
米国の中古住宅販売は減りましたが、在庫は減っている様子です。今の焦点は住宅の補助金政策が延長されるかどうか…。中国のバブルを心配する声は多いですが、僕は大丈夫だと考えています。理由は政策のトップが過激な競争を勝ち抜いてきた実力者だからです。物価も大きく上がってないのに、バブルを心配するほうが異常でしょう。今の日本株の焦点は、果たして金融セクターの株価が二番底を形成するかどうか…。当面、株価の焦点は、ここに尽きるでしょう。あくまでも相場のリード役は、中国株などの新興市場なのでしょう。TOPIXの動きを強気に見れば、このラインが買い場になるタイミングに近付いています。それとも…果たしてどちらに向うのか…。
2009年09月24日
9月24日
NY市場は1万ドル前に一進一退を繰り返す展開です。FOMC声明で「経済活動は上向いてきた」と底入れ宣言をし、ガイトナー米財務長官も「景気回復の始まりの局面にある」と述べています。金融危機の震源地なのに日本とずいぶん違いがあります。SP500が安値を付けた3月9日以降、金融株は2.5倍と上昇率が首位で、二位は素材セクターとなっており、教科書どおりの回復です。一方、日本は金融危機の影響が、ほとんどなかったにも拘らず、銀行株の動きは鈍く市場経済の国とは言えない現実があります。本来なら機関投資家や年金基金が金融株を買うのでしょうが、長いデフレ政策の為に、まともな考えを持ったリード役の人材が育ってないのでしょう。金融セクターが貧困な国は、GDPが伸びる道理はありません。何をするにもお金は必要なのです。困った現象ですね。マスコミが自己資本比率問題を大げさに取り上げる理由がわかりませんね。要するに邦銀の収益体制が問われているのです。市場原理がなかなか働きません。
鳩山首相は国連でCO2の25%削減を、国際公約にしたようです。
重要な事は条件が付いていることですね。米国と中国の2大排出国の参加が、必要条件になっています。財界からははやくも反対の声が挙がっています。当たり前ですね。雇用移転が心配されているようです。弱気論を唱える人の話しは、このような民主党政権に公約に対する拒絶反応です。CO2や最低賃金、公共事業投資など…、更に予算の失効により景気が落ち込むことを懸念しているようです。ただ象徴的な「八ッ場ダム」問題は痛みが伴っても必要なことでしょう。日本の労働体型を大きく変える必要があるからです。(ダム建設にかかる、本来、国が支給するべき予算を7割程度に減らし、その予算を地元に与え、予算配分権も与えれば良いのです。教育に使っても良いし、医療に使っても良いし、勿論、「八ッ場ダム」に使っても構いません。)内閣室が提案している多年度予算もいい事ですね。単年度にするから必要もない所に、無駄使いになるのですから…。
多くの民主党政権の提案は「八ッ場ダム」問題のように理想論です。
実現しようとすれば、当然、反対の声が湧き上がります。休みに田舎に帰ったのですが、おばあちゃんは、民主党に投票したと言います。「じゃ、おばあちゃんは年金が減っていいんだね。おばあちゃんの年金が、子供手当てに回るんだよ。」と言うと、複雑な顔をしていました。株が下がりはじめて、日本の矛盾に気付き、最後は政策に行きつきます。そうして、その根元は教育論になります。一人ひとりの国民が、政権が変わり、激変する様相をみて考えれば良いのです。日本はきっと立ち直るでしょう。IRNETを始めて10年以上が経過しますが、ようやく日本の低迷経済脱出の入り口に来たようです。最近、うちのかみさんも、よく政治番組をみるようになりました。まぁ、株屋ですから、直接、だんなの収入に響くから当たり前でしょうが…。
出来れば国民全員が株式投資をすると良いですね。国際会計基準になり年金債務問題がクローズアップされます。JALの破綻の原因はOBの年金が一因を占めています。構図は米国のGMと一緒です。ようやく、ここまで来たとの印象を受ける世情になりつつあります。さて株式相場ですが、既に下げるだけ下げている水準ですね。正常なルールならTOBが続出する価格です。ただ日本は後出しジャンケンの国ですからね。サラ金規制も今回の亀井発言もそうです。常識が通用しない国ですから、外国人は安くてもなかなか本格的に買いませんね。だから国内経済の影響が少ないグローバル企業の株価だけが上がるのでしょう。今日もBBレシオを支えに、半導体関連株中心に高い銘柄が多く、負け組みのソニーまで株価が買われ始めました。このソニーは純資産倍率1倍を割れています。
今日は貿易統計が発表されていました。輸出数量指数は25.3%減と7月に比べ27.6%減に比べ若干、改善しています。ここで注目されるのが政策支援後の経済状況です。今日の日経産業新聞に、一足先に支援が終了したドイツの車の販売のケースが載っており、標準が100だとすれば8月は120だったけれど、9月は90となっていました。予想していたより悪くはなかったと述べています。更に09年の400万台に対し10年は280万台まで減るとの声もあるようです。
一方、米国は販売のペースは1/4になったと言うディラーの声があるようですが、もともと今回の特需は、需要の先食いではなく中古車の購買層などが買った純増分との読みがあるそうで、政府のインフラ投資でトラック需要が上向くなど需要は回復するとの見方もあるようです。その反面、回復は10年半ば過ぎだろうとの読みもあり、米国の評価は二分されているようです。10月、11月は米国で家電の補助金支給ですね。
市場の読みは明らかに割れています。
その行方を占なう動きは、世界でもっとも回復の早かった上海総合株価指数が、鍵を握るのだろうと私は考えています。
2009年09月18日
9月18日
米国では住宅着工件数や新規失業者申請数などの指数が発表されていました。今日はフィラデルフィア連銀が発表している製造業の業況指数を見てみます。この指数はそんなに重要ではなくISMの方が一般的ですが、ペンシルバニア州、ニュージャージー州、デラウエア州の景況感が判断できますね。下のグラフを見ると、好調な回復振りのように感じますが、同じグラフですがその下のグラフは同でしょう? 6ケ月後の未来予測アンケートの数字も入っています。ただ47.8と言う数字はかなり高い数字ですね。
ところが面白いもので、この発表を受け市場では債券が買われたのです。理由は在庫指数や新規受注などの一部の項目が不振だったために、その所をつかれました。もう一つが物流のフェデックスの決算で、1株利益は58セントと市場予想の45セントより良かったのですが、売上数字がアナリスト予想の82億ドルに届かずに80億ドルでした。この二つの現象は最近、薄れた二番底説が甦る現象なのでしょう。しかし米国の金融株は強く、心配することはないと思います。
一方、日本市場は依然、亀井発言で揺れていましたが、藤井財務相の「そんな話は聞いてない」との発言で安心感が広がり銀行の売りは減りました。新聞各紙も盛んに書きたて評判の悪い政策のようですね。借りたものを返すのは当たり前です。基本的な倫理観を壊すほどの不況なのでしょうか? 戦争じゃあるまいし…。安易なルールは日本を混乱させ新たな危機を生みますね。今日はアイフルの件も発表され、より一層、暗い市場展開でした。むしろ亀井発言で、アイフルの返済猶予問題で「業界全体の問題なのか見極めが必要」の発言の方が注目されます。来年6月からの年収規制は厳しく、最大手のアコムもかなり厳しい状況に陥ることでしょう。その結果、闇金融が台頭しヤクザ屋さんの資金源になりますね。この時点で方向転換を図るべきでしょう。そろそろなんじゃないかな?
基本は金融を緩めなくてはならないのです。
貸し出し増やすことですね。土地担保融資なら使用目的を問わずに、公示地価の70%まで無条件に貸し出すとか…。此方の政策の方が余程、効果がありますね。土地さえ持っていれば無条件で公示地価の70%がお金に変わる政策です。あっという間に、地価は上がり資産デフレは封じ込められ景気は浮揚するでしょう。土地神話の再来ですね。ところが現状は、東京の丸の内が1年で10%近くも下がる現象は明らかに異常かな? ただここに来て、豊洲の大型ビル買収に350億円ものお金が動いたり、森ビルの大型ビルの空室が埋まるなど…、資産に対しても見方が大きく割れています。
意外に報道されていませんが、家電下郷に続き、買い替え需要を促進させる為に、古い家電を新しい家電に変えるケースも補助金対象とすることが、7月から中国で始まったそうです。中国は必死に8%目標を死守しようと頑張っています。日本もGDP成長率の目標を掲げ政策発動すべきでしょう。
昨日の日刊工業新聞に、各業界の社長の景況感のアンケート結果が載っていました。現状もよく、且つ、下期も上昇を見込んでいる企業は…、東京電力、大阪ガス、住友化学、三菱ケミカル、旭化成、日本ペイント、東洋紡、旭硝子、住友商事、NEC、日本IBM、安川電機、シチズンHD、ジェイテクト、デンソー、商船三井、神戸鋼、日立金属、新日鐵などの企業でした。一見、何気ないこのようなアンケートは、意外に会社の現状をよく捉えているものです。この調査は8月31日から9月14日のものだそうです。
最後に昨日の日経新聞の11面で「企業の国際競争力」と言う特集を組んでおり、日本電産の永守氏の『税・労働政策 同じ土俵を』と言う発言が載っていましたね。読まれると良いでしょう。経営者は誰しも日本で雇用を確保したいと願っています。その為にホンダなどはグループ企業で人を配置換えして工面し、日産などは他企業のいすゞや川崎重工、ヤマハ発動機から出向を受け入れ増産体制を整えました。ここで気になるのは厚生労働大臣の長妻さんが製造業への派遣禁止を主張していることですね。どうやって折り合いを付けるのかどうか…。
仮にマニフェスト通りに政策を実行すると、どんな世界になるのでしょう?
鳩山政権の支持率は75%と歴代二位で高く、小泉政権の80%に次ぐものです。国民は改革を求めているのですね。長いデフレ社会は閉塞感に満ち、嫌悪感を抱いているのでしょう。簡単なんだけれど…ね。中国のやり方は強引だけれど…効果がありますね。日本だって…。頑張れ!鳩山政権。
2009年09月17日
9月17日
米国では8月の鉱工業生産指数が予想以上の数字を示し、世界景気の底入れ説が強まった印象です。NY市場は強く8連騰し、その後4連続安をしましたが、5連騰、1日下がって、3連騰となっています。この背景は金融株にも現れています。実は2003年の金融危機の日本でも、同じようなことがありました。一旦、安値から株価は上がりましたが、経済見通しに対し強弱観が対立して、株価が横這いの動きを経過したあとに、再び株価が上昇するパターンを繰り返したのです。今の米国市場は、そのような状態にあるように感じます。
さて世界景気の二番底懸念説から、次第に景気回復が確信に変わる場面でしょうが、日本株は強いながらも、片肺飛行のように感じます。その理由は、世界景気は大丈夫だけれど、国内問題で不安を抱えている様子が表れています。株価が本格的な上昇に入るかどうか…全ては新政権次第なのでしょう。今日の市場意見の中で「新内閣に市場主義を嫌う勢力の存在を問題視し、海外投資家が逃げ出すのでは…」と言う意見がありました。具体的に郵政民営化の揺り戻しですね。小泉改革時に効率的な資金配分に繋がると歓迎した外人筋が逃げると言う意見です。
しかし、この意見は財政投融資資金を述べているのでしょうが、新政権が効率的な予算編成をする前提なら、この懸念は消えてなくなりますね。国民新党の日経平均先物廃止論を問題視する意見もありましたが、民主党の公約ではありません。あくまでも政権政党は民主党で、おそらく重要な決定は国家戦略局が担うのでしょう。だから現段階では、頭の隅に入れる程度なのでしょう。
今日の銀行株安は、亀井金融相が発言した「モノトリアム」法案作成指示からの動きなのでしょう。3年間の支払猶予の話しですが…、何故、大手銀行株が下がるのでしょう?
住宅ローンや中小企業の返済が停止されれば、その貸付が不良債権になり貸し倒れ損失を積み増さなければならない。だから赤字が増え自己資本が毀損し、それを補う必要がある。このような発想から売られたのでしょう。亀井氏の選挙区は広島で、アーバンが黒字倒産した地元です。しかし…みずほが融資を引き上げたのは、もともと金融庁の指導ですね。現在は不良債権の基準である線引きが厳しく設定されており、銀行の裁量権が働きません。UFJ銀行が統合された時に、金融庁は一元管理により、銀行の裁量権が認められずに、双日やダイエーは不良債権扱いされ、引き当てを余儀なくされました。だからアーバンは黒字でしたが、保有不動産の値下がりで債務超過と判断され、融資を引き上げられたのでしょう。
今の金融行政はマニュアルに縛られ、裁量権が銀行にないために、貸し渋りや貸し剥がしに見えるのでしょう。素をただせば厳しい金融検査が生んだ弊害なのでしょう。亀井氏は一応、東大出ですから、説明すれば問題点を理解されるでしょう。逆説的に言えば、支払猶予の発言は好材料に転換するかもしれません。銀行に裁量権が戻るかもしれませんね。勘違いしないで欲しいのですが、この政策で一番苦しいのは、小さな銀行で地方銀行や信金、信用組合レベルの銀行ですね。大手銀行の中小企業への貸付は少なく、多くはセーフガード(政府保証)が付いているものです。セーフガードがなくてお金を貸している先は超優良の中小企業ですね。地方銀行と同レベルに考えるのはおかしいですね。仮にこの政策が実行に移されても、常識的には政府保証が付く話しでしょう。そうして不良債権扱いはしませんから、自己資本の毀損もないと思います。更に世界景気は回復過程ですから、通常の貸し倒れ損失は減る傾向で、その増加余裕分でカバーできると考えています。よって銀行株は絶好の買い場だろうと思っています。
まぁ、本当は昨日の発言は、亀井氏の冗談かな?と当初は考えていました。今日になって10時半頃の報道で、あぁ、真剣なんだ…と思いましたが、モラルハザード(倫理の欠如)の懸念がありますから、利用する企業も相当絞られると考えています。前年度まで税金を納めている黒字企業であることや、今回の金融ショックでの影響のみの利用に限ることなど…。利用に際し、相当ハードルが高い法案になるのでしょう。だから影響は大きくないでしょう。それでは銀行株が、何故、下がるか? もともと下げ歩調でマインドが暗いこと。信用買い残が多いことなど…色んな理由はあるでしょうが、黒字で配当をして、尚且つ増益基調の企業であり、純資産倍率が1倍程度のことを考えれば、明らかに割安だろうと考えています。そうして、大切なことを忘れていませんか? 銀行株のビック材料を…。包括利益の国際会計基準適用を採用されるのです。株価は既に簿価より、かなり上がっていますね。
まぁ、心配していません。今日もまた、私は不良在庫(銀行株)を積み増している所です。長くなりましたから、個別株の話しはなしです。面白くなってきましたね。久々にワクワク感を感じます。初閣議の内閣基本方針を読めば…「国民主権」「地域主催」「自立と共生」を掲げており、国民の可処分所得を増やし、内需を拡大させると明言しています。この通りなら株高になります。民主党、頑張れ!
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9月16日
米国では8月の小売売上高推移が発表され、前月比2.7%増に回復していると言います。(市場予測は2.0%増)この数字は自動車に対し補助金政策が採用されていましたから当たり前だと言う見方が多かったのですが、その自動車を抜いての統計が建設資材と家具を除き全部門でプラスになり1.1%増となりました。市場予測の0.4%増を大幅に上回りました。バーナンキ議長は「景気後退は既に終ったとみられる」と述べたことも、市場に好感されNYダウ平均株価はあがりました。10年もの米国債は3.46%となり金利が上がっています。
実は株高と金利安の説明がなかなかつきませんでした。(一説では国債入札を控え、意識的な動きとの解説もありました。)通常は株が上がれば債券は売られ金利は上がるのです。通常は株と債券は逆相関関係にありますね。最近は金利が下がっていましたからね。債券の強気派に言わせれば「小売売上高の増加が続くと言う保障はない」と述べ、理由は「在庫調整が進んだことと、景気対策で押し上げられただけだ」と述べています。バーナンキ議長の意見に対立している人も大勢います。確かにカンフル剤が切れたあとの二番底を警戒する声は多いようです。補助金切れのドイツのフォルクスワーゲンは、輸出に活路を求めていますね。
米国では11月に切れる住宅減税の延長処置を、業界は政府に働きかけています。NHKでも商業用不動産ローンの悪化を伝えていましたね。しかしレポートでも紹介したように、バフェットはこの分野が有望だと考えているようですね。日本は空室率がピークを打つかどうか…の状況ですね。強弱観の対立が際立ってきましたね。足元の景気は悪化していますが景気回復の改善を示す指数が増え、同時に深刻な悪化要因(米国地方銀行の倒産など)も目立っています。金融相場特有の現象なのでしょう。
日本では鳩山内閣が誕生しましたが、株式相場は新内閣の政策に戸惑っているようです。その一例が銀行株の値下がりでしょう。鳩山首相は金融規制肯定派です。更に亀井金融相の発言が銀行株の下げに繋がったと言う話もあります。前日の記者会見の「返済猶予発言」ですね。実現性があるのかどうか分かりません。更に国民新党のマニフェストには時価会計の無期限停止、国内行の自己資本規制比率の撤廃、日経平均先物取引の廃止などが並んでいるとか…伝わっていました。今日は銀行株に不安材料が並びました。日銀からは「リスク管理の重要性」の話しが出ており、日経新聞の普通株増資報道のあとに三井住友銀行が3430億円の優先出資証券の発行を行うなど…。
しかし一方では世界景気の回復を受け半導体価格が値上がりしており、台湾株式が好調なように設備投資再開の声が高まり、東京エレクトロンや信越化学などの銘柄が高かったですね。キャノンなどの優良株も物色されていました。内需売りの外需買いか…。一つは国内政治の状況に拘らず世界景気は回復するので、世界を舞台にしている企業の株は買いだという発想でしょうか? 民主党のマニフェストから考えれば、雇用者費用が増大しますからマイナスに考えられますが、何も日本で製造しなくても「これ幸いと…」海外逃避できるから、さらに効率化生産に繋がるとの見方もあるのでしょうか?
まぁ私は今日も銀行株を買ったのですが、基本は一つですね。金融の栄えない国は景気が良くなりません。民主党政権が国民目線の政策を実行すれば、非効率な生産者側の資金効率から、直接、国民に恩恵が届き消費者の可処分所得は上がるから、内需中心の成長路線に向かうと考えています。この考えが正しいなら、輸出産業より内需産業の株式が買われ、もともと海外比率の低い銀行は一番潤う筈ですが…。間違っているかな?
自己資本比率の増大で希薄化するとの見方がありますが、金融規制はまだ決まっていませんね。果たして普通株の受け入れになるかどうか…。三井住友の発行した優先出資証券は4%台の配当率ですが、永久優先出資証券なるもので普通株への転換権は付いていません。優先株の自己資本導入は認められる可能性はかなり高いと思います。まぁ、決まってない影に脅えているのはおかしいですね。むしろ配当利回りが2%を越え、中には4%を越える現実の方が確かに感じます。果たしてこのまま二番底はなく本格的な二段上げの相場になるのか? 見方が大きく割れているのです。
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9月15日
本日の日刊工業新聞の一面記事は、ソニーが欧州でビデオ・オン・デマンド(VOD)対応のネット・テレビを発売すると報道されていました。今日は株価に関係ないですが、たまには未来の夢のある話しを書きたいと思います。日本で先行しているのはヤフーですね。ヤフーはUSENからギャオを買い取り子会社化にして、先日はフジテレビと日本テレビを巻き込んでギャオを中心にネット・テレビの構築に歩んでいます。シャープと提携しハード分野へも布石を打っています。
NHKでは、既に見逃した番組の有料化をネット上で見られるようです。(私はまだ試していませんが…)いずれビデオ屋さんも、テレビの録画機能も必要なくなります。早く世界中にソフト供給できる体制を整えた会社は、膨大な利益を享受できると思うのです。ソニーにはソネット・エンタ言う子会社があり、そこを経由させるのかな?とも考えたことがあります。ソニー、松下が、共同でソフトの世界供給体制を構築できれば良いのですね。その第一歩の様子が今日の報道なのでしょう。アメリカではアマゾン・ドット・コムが権利を握ったようです。ここで重要な事は、欧州より人口の多いアジア圏を確保しないとなりませんね。中国、インドを押さえないとなりません。ところが次世代のデジタル放送では世界規格は統一できずにバラバラですね。今日はチリを押さえ南米に強いですね。
キャノンがプリンター等の機器より、インクなどのライニング・コストで利益を確保できる体制を整えたように一回きりの物品販売ではなく、ソフトを供給して継続的に利益をあげる体制を整えないとなりませんね。その意味でUSENのなかでは生きなかったギャオの映像圧縮技術が、ヤフーに主役を明け渡すことで、ギャオはフジテレビや日本テレビが参加したVODの新会社になり、もう少し参加者を集めれば日本標準が出来上がります。こうしたシステムを築き、やがて世界に向けて動かすのです。もっと早く、早く。
更に新聞から…今日の日経新聞の大機小機『野生を忘れた日本』はその通りです。
実は仲間の話から…土地が100坪で、25坪の新築が1980万円(熊谷の話し)で売り出したら、買い手が見つかり契約したのですが銀行融資がおりないのだそうです。この人は年収が300万円程度らしいのですね。今の銀行の融資基準は年収の5倍が尺度になっているとか…言います。つまり2000万円の家を買うためには、最低400万円の年収がないと買えないのだそうです。地方の若者で年収400万円の壁はかなり高いですね。つまり銀行の融資姿勢が問われているのです。何故、こうなったかと言えば…金融庁の行政指導ですね。デフレ社会の構築は、こうやって清貧思想が築いているのでしょう。
今日の市況はダイキンが一番人気です。なんでも「ベトナム国立衛生疫学研究所のレ・ティ・クイン・マイ博士との共同研究により、強力な酸化分解力を持つ当社独自のストリーマ放電技術が、現在世界中で猛威を振るっている「新型インフルエンザウイルス:A型 H1N1」を4時間で100%分解・除去することを世界で初めて実証」と発表したのだそうです。この話しを聞いて4時間? 製品化できるのでしょうかね。僕には分かりませんが専門家が発表しているから実用機の開発が出来ているのでしょう。しかしダイキンは多くのファンドが既に買っている銘柄だから売り物はたくさんあります。
そうそう、重要なキーワードは中国と米国の貿易摩擦の話しですね。この手の話題は相場の根底を揺さぶる問題ですから神経質になります。しかし両国とも摩擦を起こして特な話ではありません。タイヤ輸入に課税したら、報復関税を中国は鶏で検討しているとか…日本の対応とは明らかに違いますね。
エルピーダの公募増資か…。きっとDDR3の設備投資資金なのでしょうが金融支援を受けている企業が一般公募を行うとは…。証券界はモラルが問われると思います。東芝にしても終ったことですが、公募は基本的に一般人から資金を集めるわけだから、それなりの大義が必要ですね。第三者割り当てなら当事者同士が納得しているから構わないけれど…一般公募を行うには基準が必要でしょう。最近の証券マンは…これじゃ詐欺師の片棒を担いでいる様で情けない。
ノンリコースと言う概念を国内で定着させ貸し手責任原則が確立し、金利の重要性が普及すれば日本も面白くなります。ソフトバンク債が、何故4%なのか? 金利の意味が投資家に確立されるには、どのくらいの時間がかかるのでしょう。金融教育はやはり必要ですね。悪戯に画一化基準を設け、一律に自由な行動を縛る時代ではないと思います。本当の競争原理が金融界で普及しないと、いつまでも三等国なのでしょう。金融が卑しいという潜在意識は間違っています。世界が金融で反省して佇んでいるのだから、追いつくチャンスなのに…。この天与の時間を悪戯に費やしているようで…悲しいです。
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9月14日
日本株の割高論が円高により修正されている局面だと解説されています。
1ドルが90円を切れるのは時間の問題で、多くの予想水準は87円に壁があると言います。ホンダは91円、トヨタは92円が想定為替基準になっているようです。ホンダの場合は1円で120億円の利益が減るそうで、仮に85円の円高まで進むと今期の営業利益700億円が吹き飛ぶ水準だと言われています。民主党のCO2削減目標が背景あり、円高になれば、何も国内で雇用を維持する必要はなくなります。日本のデフレ政策は中国やベトナム経済を活性化させるばかりですね。そのベトナムは開発ラッシュです。
国内では123年の歴史を持つ「事務次官会議」が今日で幕になったと…報道されていました。実質的に政策運営の決定権を持つと言われていた会議がなくなり、今度は民主党政権の「国家戦略局」がこの会議の代わりになるとか言われていますね。
久しぶりに前向きな記事を発見しました。日経ビジネスでは「バラ色の15年がやってくる?」との記事を掲載していました。可能性はあります。この中でジム・ロジャーズが日経マネーの取材に際し「政府は必ず子育て支援に力を入れるだろう。だから私は西松屋チェーンなど子供関連の銘柄を保有しているのだ」と語っていると掲載されていましたね。要するに、このレポートは明治維新が黒船来航からの変革によって生まれ、それから変革が明治維新の躍進期を迎えたわけで、これから15年は明治維新同様に、変革に伴う躍進期がやってくると…述べています。
この掲載記事を読んで…、私がビスタで述べた創刊記念号2007年1月のレポートにそっくりの発想だなと感じました。私も時間の経過から黒船来航から大政奉還まで14年間かかり廃藩置県がその4年後ですからね。この第一回のレポートは無料で読めますからね。(登録さえすれば…。)民主党政権がどんな形になるのか分かりませんが…面白いですね。123年の歴史を誇る事務次官会議の幕引きを謀るのですから…。若手の官僚は利害調整に終始する先輩官僚を見てウンザリしていましたからね。日本にも一所懸命に政策を考えている官僚はたくさん居ます。だから今回の政権交代は面白いです。
株式相場は日本のPERが割高だとか言う極論はありますが、同時に60%以上もPBRが1倍以下の非効率社会が変化すると言う考え方も出来ますからね。要するに、どのような見方を自分が採用するかで、相場観が大きく変わるわけです。
今日の相場は川崎汽船が増額修正をして、海運株は全般に確りしていました。円高が進めば本来なら原料を輸入する電力会社などが高くなっても理屈上は良いのですが東京電力は15円安でしたね。お金は余っているから、株高は切っ掛けなのでしょう。私の好きなダヴィンチの金子さんの会社の「オポチュニティ・ファンド」が、25日のローン期日でリファイナンスが困難と報道されていました。まぁ、これはノンリコースですから限定された損失でしょうが…。場所が一等地の丸の内ですからね。既に決算発表の時に損失を見込んでいましたね。多くの新興企業の優秀な人が、次々に倒れていく社会環境は問題です。あとは丸紅かな? 日経新聞で「植物工場に参入」の記事が紹介されていたとか…。丸紅は穀物ビジネスでは日本で一番ですね。日本向け穀物輸入量の3割を丸紅が確保しています。今年4月に中国最大の穀物備蓄企業のシノグレイングループと包括提携し、ブラジル、アルゼンチンの供給元も押さえています。意外に知られていませんが、更に丸紅は海外の電力事業では大手商社の中でトップなのです。ただ財務内容が弱いことも事実です。
今日は新興株も確りしていましたね。全面安に見えますがストップ高を演じている銘柄もありました。昔なら、この成長率ならPER50倍程度まで買っていましたが、今は20倍以下かな? 新興株の水準は割安だと考えています。さて今日はこの辺で…。イチローが200本安打を9年連続で達成したそうで…おめでとう。35歳か…あの厳しさが僕に欠けている所でしょう。みんな頑張るね。
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9月11日
米国は確実に景気回復の足取りが確りしているようです。
弱気派は財政出動などのカンフル剤が切れると、失速すると盛んに二番底説を唱えますが、どうもその兆候は見当たりません。むしろ、どんどん事態は好転しているように感じるのです。本当に弱気派が指摘するような事態が起こるのでしょうか? 確かに米国でも弱気説を唱える人はいるようです。例えば住宅価格が更に25%程度下落する…と主張する米国のメレディス・ホイットニー女史(38歳)は指摘するのです。この発言を受け一時、米国の金融株は下落したようです。僕は個人的には強気派のGSのアビー・コーエン女史の方が好きです。もともとメレディス・ホイットニーは弱気派の発言ですからね。
失業率の申請数が発表されており、予想より改善されていました。弱気派が指摘するのは商業用不動産ローンの市場をよく引き合いに出しますが、バークシャーはこの分野に触手を伸ばしていますね。『商業用不動産向けのローン会社であるキャップマーク・フィナンシャル・グループが一部事業を売却する場合、同事業を買収する義務を負うことで合意した。』と報じられています。バフェットらしい選択です。GSの株式を昨年、有利な条件で引き受けたり…名声はすごいものですね。
一方、中国も順調な回復振りです。今日の日経新聞を見て笑いました。6面の中国の不動産価格が紹介されており見出しに「バブル懸念の声も…」と載っていました。常識的な記者ならこんな表現は絶対に用いないと思います。プラザ合意後、日本の地価はバブル状態だったのです。商業地価格ですが1987年に年率48%、1988年に年率61%と値上がりしたのですね。今の中国は、たかが2%の上昇ですよ。確かに下落率16%の時点から比べれば上がったのでしょうが…。成長率が8%の国の話しで、バブルの表現はオーバーな表現だと思います。このような間違った報道の積み重ねで、日本が萎縮していくのでしょう。もう少し経験のある記者に原稿を書かせるべきでしょう。一般的にみて日経新聞は清貧思想が漂っています。まぁ、日経だけでなく日本全体が萎縮していますが…。
リーマンの破綻から一年が経過し上海総合株価指数が40%上がっています。次に台湾が16%、インドが15%、ブラジルが11%、韓国も11%上がりました。金融危機の影響を受ける英国は7.9%下落で本家の米国は15.7%の下落です。しかしナスダックは7.8%の下落に過ぎないのに、一番、健全の筈の日本は13.9%も下がっているのです。どうしてイギリスに負けるのでしょう。因みにBRICsのロシアは13.3%の下落です。やはり国内政策の影響が大きいのでしょう。
話しが飛びますね。実は先ほどまで中国の統計資料を分からない中国語を見ながら数字を探していました。資産価格の数字のグラフは日経新聞に載っていますから…。これをみれば分かるように資産デフレ政策を取る日本と違いますね。消費者物価だけでなく資産価格にスポット浴びせて報道して欲しいのですね。日経新聞さん、先ほど悪口を言いましたがお願いします。日本の問題はここにつきます。土地や株式の資産価格を上げる努力をしないと、いくら生産性を上げても諸外国の競争に勝てませんね。内輪の話ですが息子は家など要らない賃貸で良いと言っているのです。明らかに異常な感覚を感じます。彼はデフレの世界しか知らないわけで、是非、皆さんも日本が成長していた東京オリンピックの頃を味わって欲しいのです。最近読んだ本で「オリンピックの身代金」と言う奥田英朗さんが角川書店から出している本は、結構面白く、しかもその時代が味合えます。日本の成長期のサスペンス小説です。お薦めです。
問題になっているボイスの9月号を読みましたが…そんなに鳩山さんに対し嫌悪感はなく、むしろ意外に確りしているな。大丈夫かもしれないと思っています。まぁお金持ちのおぼちゃまだから、苦しい株屋の心中など理解できないでしょう。デフレ政策じゃ…逆流ですからね。大型株を主眼においていますが、視点を外して小型に目を向ければソコソコの銘柄はかなりありますね。あまり夢はないのですが…。民主党は一般会計だけでなく特別会計にもメスを入れると言われています。予算編成が見ものですね。悪戯に敵対視せずに、日本をいい方向に導きたいと願っています。官の人も「この素人め!」と目くじらを立てず供に頑張らないと世界競争に負けますから…。この際、いいチャンスだと思い、変革を試みましょうね。
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9月10日
NY市場は4連騰しています。
あまり市場で話題になっていませんが、自動車の補助金政策は追加処置で積み増ししましたが直ぐに予算が切れて8月に終りました。しかし、これから米国では省エネタイプの白物家電を購入すると最大200ドルの支援策が10月から11月まで始まります。住宅補助は11月まで継続します。此方は住宅を購入する場合10%を限度に、最大8000ドルの税金控除が受けられます。その米国で圧倒的な支持を受けていたオバマ大統領は医療改革を巡り、ここに来て支持率が低落し異例の国民演説を実施していましたね。
金融の状態は相変わらず苦しいところが多いのでしょう。住宅販売の動向が気になりますが価格が上昇しているということは、買い需要が多く順調なのでしょう。色々と政策の見方が分かれるこの時期ですが、判断の目安はやはり市場価格でしょう。株価は高値圏でしっかりしています。
悲観派は景気刺激策が切れたあとの反動をやたら気にします。
そこで先駆したドイツの例を見てみると9月2日に予算枠がなくなり新車購入補助が終了しましたが、DAX指数は新高値を更新していますね。この動きはもう少し見ないと分かりませんが、過度に反動減を気にする必要もないのでしょう。
最近、一番興味を覚えているのが中国株ですね。上海総合指数の動きです。何故なら、中国は世界で、一番はやく金融危機から立ち上がり、世界のリード役として役目を担い先駆しているからです。現在は8月の上旬から休んでいますが、そろそろ休憩も1ヶ月以上になります。この上海総合株価指数が、再び新高値を取れるのかどうか? 非常に注目されるわけです。世界の金融市場のリード役だから米国の株価以上に注意を払わねばなりません。景気の実態回復が鈍ければ、再び追加の経済対策を実施すると報道されていますね。
中国の銀行貸し出しばかり注目されますが、不動産の販売価格は3ヶ月連続で上がっており、全土の70都市平均で8月は前年同期比2%上昇の販売価格だそうです。52都市(前月は43都市)で値上がりして、16都市(前月は43都市)が値下がりだそうです。この数字でも確実に景気回復が浸透している様子が窺えます。
市場の切り口は豊富にありすぎ絞込みに迷います。
日本では民主党政権が誕生し政策のキーワードを考えれば、子育て支援と環境と言う2大テーマが浮かびます。中国の成長を考えると、資源などの需要動向が考えられ、金融不況から立ち上がる動きを見れば、世界景気の回復が依然テーマで、台湾株の上昇に見られるように半導体セクターも注目されます。兎に角、どれに的を絞るか?
株の話しはここまで…。
国民新党が入閣し総務省のポストを要求していると言います。郵政民営化の立役者の西川さんは辞任を迫られると報道されていますね。日刊工業新聞で経済同友会代表の桜井さんは郵政民営化の意味は無駄な予算を取り戻すことと明言されていますね。穿き違えている人が大勢いますが簡保や郵貯のお金を何処で運用するか? つまり予算編成と同じで、何処に使うかと言う決定権を、民間に移譲した事が郵政の民営化なのですね。田舎で郵便局が消えたことで不便になったことは別の次元の話です。流石、同友会の代表だけあって的確に捉えていました。
圧倒的な国民の支持があって郵政民営化を実現したのだから、悪戯に蒸し返すべきではないと思います。更に西川さんは成功者ですね。その成功者を引き摺り下ろせば、後進の道を断つ事になります。ライブドアやグッドウィルと同じ過ちを民主党はするのでしょうか? いつも強気のかたる君ですが、なにやら少し心配です。公共事業投資が削られ、地方では職がありません。仕方なく出稼ぎに来ます。東京の大工の手間賃は1日18000円です。千葉や茨城の地方では1日8000円で請け負うとか…。この話しを聞いた施工主は「もっと安くできるかな?」…と考えて、様子見をしていると言います。この現象はデフレの増幅ですね。折角の景気回復の芽が、なかなか育ちません。
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9月09日
円高傾向が続き日本株は低迷していますが、第一四半期の決算発表を受けて水準訂正が完了し次の段階の読み入った訳です。日経新聞で報道されたホンダの支援記事も株価に効かず調整が続くのでしょう。不思議なもので需給調整が終了していると思われる銘柄は、悪材料が市場に出ても株価には響かないようです。バラ積み船のケープ型の市況が悪化していると日経新聞にでていましたが、商船三井の株価は強くホンダとは対照的でした。ただ日経新聞が報道した自己資本比率規制の銀行株は、止まる気配が見られません。一時、心配された企業倒産も東京商工リサーチ調べで、8月は16年ぶりの低水準なのだそうです。銀行の決算数字は良いはずですが…株価に反応は見られませんね。
みずほは企業倒産が増えると思い、CDSを買い損失を被ったわけですが、代表的なケースとしてCSKが挙げられます。一時的となっていましたが債務超過なのだとか…。今回のスキームは支援先を探したけれど見つからなかったから、住友商事系列のACAインベストメントへ有利な条件で債務の株式化を実施するそうです。ITバブルの頃、大川さんが亡くなられ、野村から来た福島さんや青園さんのもとで経営されましたが、途中で多くの人材が失われたと言います。今更、本業回帰とは…。あの時にセガを売り払い不動産や証券業へ向うのですから…。
僕と同じですね。資産デフレが進行する中で、その業界に多額の投資をしても経営は難しいでしょうね。流れに逆らって生きるような生き方ですから。市場はある意味で賢いですね。私などは無理と知りつつ、何とかして流れを変えたい願うほうですが…。現実は厳しいものがあります。民主党政権の誕生は諸刃の剣ですね。公約どおりに政策が実現するかどうか分かりませんが、ひょっとすれば…前川レポートの誕生から、何度も言われ続けた内需振興が実現できるかも知れなし…。逆に社会党政権が誕生した横路氏時代の北海道や美濃部氏時代の東京都のように、借金が膨らむだけかも知れません。その後に訪れる世界は塗炭の苦しみになります。
今日の日経新聞の大機小機には、公開会社法の設立が書かれていました。新しい法律を作るのは良いのです。時代に合わせ改良しないとなりませんからね。保育所の設立基準などの報道は、今までは闇の中にあり分かりませんでした。時代に合わない基準がたくさんあることが、最近、分かってきました。だから待機児童問題なのでしょう。我々証券業界ではコンプライアンスが厳しく、常識的な範囲を超えています。まるで中国共産党の文化大革命です。何故、このような時代になったかと考えると、やはりマスコミですね。マスコミが官僚批判をするからです。まぁ僕もそうだけれど…。批判されるほうは、当然、警戒し過剰な態勢を築く事になります。仕方なく予算がかかり肥大化して効率が落ちますね。
安全や安心を求め過ぎるあまり、本来の目的を忘れ、主従逆転の現象がアチラこちらで起こっています。新日鐵の三村さんが25%削減の温暖化目標に注文を付けていました。空洞化の心配ですね。劇薬です。どちらが正しいのか? これを克服すれば世界に誇れますが、目先の利益を追えば海外逃避の方が楽ですね。本日の読売新聞では、コロンビア大のジェラルド・カーティス教授が「官僚の使い方を探れ」と意見を述べていました。敵対すれば相手も人間ですから混乱します。グッドウィルの折口さんが破産宣告をされたようですが…、きっと官に逆らった為にトコトンやられたのでしょう。政策の被害者のように感じます。民主党はどのように、官僚と付き合うのでしょう。
面白いですね。私は株屋ですから、いつでも前向きにベスト・シナリオを考えます。自民党のように、途中で搾取されるシステムが崩壊し、直接、国民へ支援する政策が多く、可処分所得が増えるのです。だから消費が押し上げられる。更に技術革新産業が育ち、産業構造を一変させるかもしれません。例えば欧州自動車工業協会が「eコール」の義務化で世界の統一基準を創るようです。残念ですね。日本にはITSの技術力があり、既に実用化されているのに…。ナビゲーションは日本が開発した技術ですね。日本の政策視野が狭い為に、いつもガラパゴス化が生まれます。たしか…NECのPC9800シリーズは世界一と言われていましたが、結局、デファクト・スタンダードはマイクロソフトに取られました。
このような事例はたくさんあります。今では3Gのドコモの技術は、世界的なトップ水準なのにマーケティングの戦略ミスで劣勢になっていますね。テレビのデジタル化も同じです。はぁ~。カルガリーの技能オリンピックでは6個の金メダルを取ったのに…。韓国に3連覇を阻止されました。日産自動車やデンソウなど…世界的な技術力を保持している国が金融を軽視する為に、劣勢を強いられています。民主党政権の誕生は「発想の転換」を劇的に変化させる絶好の機会と前向きに考える事にしています。
8%成長を死守する、中国に負けてたまるか!
2009年09月08日
9月08日
今日の米国市場は、お休みです。上海総合株価指数は、明らかに下値固めの動きなのでしょう。中国の大手銀行は貸し出しが伸びても貸し出し競争が激化し、利鞘が縮小し収益を圧迫していると言います。下期は異常な貸し出し規模が、正常化に戻るわけで、当然、かなり数字は減りますが、これを株安に結び付ける考え方は、おかしいですね。
日経新聞がG20の内容を受け、銀行の自己資本比率に言及していました。テレビでは当面、銀行株は希薄化懸念で上がらないと報道しています。この発言も少しおかしいように思います。レバレッジが問題になりリーマン・ショックが発生したのは事実ですが、投資先によるわけで、いきなり貸し渋りを連想するのも如何なものでしょう。まだ詳細は、なにも決まっていませんね。来年、決定されるのです。さらに優先株が質の問題で良質と普通株並みに認められるかもしれないし…。こんな事で「銀行株は11年まで駄目」と断言するテレビの解説者はおかしいなと感じます。(お客様の話)むしろ景況感は改善し、利益は増えるし利回り採算が合うので、買い場だと思っています。今日は買いを入れましたが指値が厳しく買えませんでした。むしろ株が下げている実体は、SQに絡む裁定売りが原因で、ロールオーバーすれば需給は改善するという解説の方が、現状を捉えていると思います。
テレビの解説者の話しを真に受けてお客様が売りたいと言ってきましたが、ここからは買い場だと思っているので、信用分は現引きし新たに買いを入れた次第です。基本的にお金は、金利の低い所から高い所に流れるものです。ここに来て好調な不動産株の背景ですが空室率も依然高く、実態は悪いのです。しかし大きなフロア(森ビルなど)は埋まり始めているようです。何より年利10%を越える物件がゴロゴロしており中には15%もあるようですね。外人投資家は日本の銀行からお金を借り、投資を始めているようです。「お金は金利の低い所から高い所に流れる」のです。
2002年から2003年もそうでしたね。収益還元法です。
実質的に世界のお金を相手に、不動産が下がると非現実的なことを言っても意味がありません。日本だけじゃないですから…。今日は街角景気(景気ウォチャー)が総務省から発表されており8ヶ月ぶりに低下しました。同じようなことが2002年にも起こりましたね。所謂、2番底懸念ですね。今の市場は見方が割れています。財政出動などの景気刺激策が切れ、再び揺り戻しが心配されているのです。しかし預金量は増えていますが、貸し出しはあまり増えていません。企業は社債を発行し融資枠(コミットメントライ)を減らしています。異常な金融情勢が正常化に向っているわけです。
ソフトバンクの話しを、実例に用いると分かりやすいですね。
5月が600億を2年で5.1%、7月は300億を3年で4.72%、9月は650億を3年で650億円と社債を発行しています。この会社の格付けはBBBかな? 2014年ごろに銀行返済のピークを迎えます。このように帰ってきたお金を銀行は運用しなくてはなりません。長期国債は1.3%台です。いやはや危うい水準ですね。民主党政権になり財政の圧迫は確実で…、銀行のお金を何処に行くのでしょう。金余りは過剰流動性相場を演出する要因の一つですね。こんな情勢下で銀行株が、国際規制懸念だけで下がるのかな? やはり僕には理解できません。
そうそう景況感の悪化の背景は、しばらく続きそうです。
調査のコメントは「家計動向関連DIは、グリーン家電の購入に係るエコポイント付与、環境対応車の購入に係る減税・補助により、一部商品の販売増が続いたものの、天候不順や新型インフルエンザの流行の影響から、旅行関連の売上不振やキャンセルの増加があり、夏物衣料も売上不振であったこと等により低下した。」になっており、これからインフルエンザの為に影響を受けると思われるからです。「病は気から景気も気から…」気持ちの問題が一番大切ですね。
民主党政権のCO2の削減声明は波紋を広げています。こちらの判断が非常に難しいですね。この話しは長くなるので、明日にしましょう。あまり目先投資に走り過ぎるのもどうかな?と考えています。人生は長いですからね。苛めで自殺する女子学生など、もう少し違う世界を見てみたらどうかな?と感じますね。何も学校だけが全てじゃないし…。株の世界も一緒です。持ち株が下げると、どうしても悲観方向に考えやすいですが、日本は、ひょっとしたら新しい夜明けを迎えているかもしれませんからね。この考え方は非常に面白いと思います。官などの主流役人が意識改革を迫られています。ようやく政策当事者が僕らの実感に並ぶという見方です。今日は障りだけ述べました。また何れ…。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2009年09月07日
9月07日
日本人も早く経済統計に慣れて、自分で株価判断ができるレベルに育って欲しいものです。分からないものにお金を投じるから、不安定な気持ちになるのです。しかし背景をしっかり把握しておれば、自信を持って安値を買うことが出来ます。何故、米国の雇用統計が心配だとか…。G20を控えているとか…。不安に脅えるのでしょう。日本人は格好の餌食ですね。日本を代表する機関投資家も同レベルと思われ、困ったものです。自分で調べれば、上司のセーブにも反論できるでしょうに…。その雇用統計は予想以上の数字とか…どの程度が予想なのかより改善している様子は、グラフを見れば誰にでも分かりますね。
先週、ECB総裁のトルシエが盛んに報道される「出口論」を牽制していた発言をしていました。この段階で、「出口論」をやたらに報道するマスコミの頭の構造がどうかしているのでしょう。ようやく今日の日経新聞は、デフレ政策に触れていましたね。しかし消費者物価の点にしか触れていません。深刻なのは資産デフレです。株が下がれば年金債務が膨らみ、企業も負担を強いられます。銀行も同じ構図で、損失を被り自己資本を補っているわけです。政策当局が借金を膨らませる政策を採用しているのは、目先の利払い費縮小の為なのでしょうか? 私にはやはり理解できません。まぁ、政策批判は先週しましたから…。
ここに来て再びカンフル剤切れを問う声が多くなっています。仮にそのような統計数字が出れば、賢明な政策運営者は追加対策を取りますね。日本ぐらいのものですね。無策な政府は…。簡単なことなのに呆れます。既に資産デフレの土地は、収益還元法価格まで落ち込み、大手の海外ファンドが続々と参入しています。大口フロア面積のテナントは埋まり始め、大きな面積の空室率は天井形成に向っていますね。チャンスですね。流石に株式は反応しているようで不動産株中心に値上がりしています。ビスタニュースで、以前、ファンドの大量買いの話しを採り上げたことのある日神不動産は、今日は人気になっていました。住友不動も強い動きですね。
日本の銀行ぐらい愚かな判断する、企業はないですね。早く成長して欲しいものです。他行と違う成長戦略を採用する銀行があっても良いと思うのですが…、金融庁支配が強いのか、横並び意識が強くて、強くて…。そういえば10年ほど前にソニーの広報部長に会いIR活動の話しをしたとき、他社の動向を聞かれたときガックリしたのを覚えています。ソニーは日本では先駆者的な存在だと思っていたから一番に訪問したのです。そのソニーが他社の動向を気にするとは…。今、純資産価格を割っている現実をみると、当時から大企業病が蔓延していたのでしょう。株価の低迷が分かるような気がします。
その薄型テレビ市場で、韓国のLG電子のサイモン・カン氏の発言によれば「来年の液晶テレビの販売台数は50%近く増加すると見込んでいる」と報道されています。これは重要なキーワードですね。既にテレビは韓国が覇権を握っています。このような何気ない報道が、銘柄のヒントになります。同じくビスタニュースで、以前採り上げたアルプスは今日も人気銘柄になっていました。タッチパネルは、時代の要請ですね。中国では7億件の携帯電話の契約数があるとか…。その中国ではiPhoneならぬ、oPhoneだとか…。中国らしくアップルにそっくりの形です。写真印刷は株価的に先駆しており、東芝も人気になっています。でもいくら良いものでも高値を買えば待たされ、下手をすれば投げさせられます。だから株は難しい。1年ぐらい平気ですからね。
ところが、多くの人は株が下がると好材料を忘れます。今日はビスタで書いた銘柄の出来高が増えていた銘柄がありましたね。下値で出来高が増えるのは、強弱観が対立している様子を示し買うべきポイントでもあります。どう判断するかは、投資家が決めることですね。今の投資環境は難しい局面です。クリスマス商戦を迎え景気は回復するとの読みもあれば、逆にカンフル剤が切れ、経済は失速するとの見方もあります。どちらを採用するか?それは自分で決めることですね。
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9月04日
日経平均株価は続落しました。
「鯨幕相場」と言う奇妙な言葉をはじめて聞き、この現象は強弱観が対立する様子を謳ったものでしょうが、今日の3日連続安はボックスを下に放れた様にも見えます。3月から世界景気の回復を買う相場が続き、自動車に見られるように減産緩和の動きを先取りしてきました。しかし多くの企業は、赤字ですからね。余程の改善が先に見込まれない限り、正当化できる株価ではないのでしょう。一方で、これ以上、下げることができるのかな?と首を傾げたくなる銘柄もゴロゴロしていました。株式市場は基本的に大型増資が続き、その資金を補えないのでしょう。高値のボックスを力強く抜くような材料も需要もなく、一旦は6ヶ月間の上昇の調整局面を強いられるように見えます。
新政権の誕生後、期待相場が演じられるかと考えもしましたが、弱きシナリオが今のところ実現しているようです。今日の3連続安には日本特有の動きで、今晩のNY市場の雇用統計が気になるようです。休み明けもNY市場はお休みだと言う話で、余計に手控えの動きが見られたようです。外国人投資家は買い越しのようで、一説によればUBSの顧客資金が日本株にも流れているとも推測されているようです。『スイス金融大手UBSが持つ米富裕層数千人分の顧客情報を米政府に開示することでスイス政府と合意したと発表した。』と言う報道がこの推測の背景にあります。
銀行が国債買い増しに動いたように、デフレに対する警戒感が、依然、強くあります。基本的に市場は第二四半期(7-9月)まで株価に業績が織り込まれたようです。今にして考えれば、8月8日にビスタで書いたレポートの考え方が正解だったようです。珍しく…空売り銘柄の代表例として「トヨタ」を掲げましたから…。しかしその後の動きで6月相場と同じ間違いを、かたるは再び犯しているわけです。銀行株を買い増し、又、下げているわけですね。何度、失敗しても、なかなか信念は変わらないこの心理は不思議なものです。ここに来て増資懸念などが生まれ調整色を強めていますが、やはり基本的に安く感じます。だから買うものが見当たらないと、必ず、いつも買っているわけです。これじゃ在庫整理どころか、在庫が増えるばかりです。
ここ一ヶ月、他に何を買っても芳しい成果が得られず、模索の日々が続いています。なかなかメガネに合う銘柄が見当たらないのです。先日、久しぶりに日本株に関係ないセールスをしました。ただ大きな上値を考えているわけではなく、面白くもない相場を甘受している次第です。市場では第三四半期はマイナス成長との意見が多いようです。私は例の如く強気で、「ウインドウス7」があり半導体も世代交代期の動きにあるので、そう大きな落ち込みはないと考えています。中国ではGMが絶好調の展開を演じています。トヨタが慌てだしている様子が日経新聞に載っていました。
その中国は銀行貸し出しが峠を越えて、成長率は減速するとの予測が広がっています。しかし…通常、公的支援から民需が刺激され、やがて消費が活発になり設備投資に向うのが一般的な景気回復のセオリーですね。仮に弱気筋が指摘するようにカンフル剤の効果が切れて減速するようなら、更なる刺激策を打つのが市場経済でしょう。米国も中国も市場化されていますから、弱い指標が出れば、追加対策を講じるでしょう。つまり今は相場の端境期なのでしょう。第3四半期から第4四半期の成長度合いが見込まれるようになれば、日経平均株価は一段高する訳です。ここで買い越している外人筋はどんな株を仕入れているのでしょう。
切り口はIFRS(国際会計基準)適用も一つで、その関連銘柄は昨日も今日も上げていました。更にモヤモヤ相場が続く展開を見越した博打株も上がっていました。通常、このような閑散相場の合間には、仕手色の強い銘柄などが活躍します。まぁ、米国の雇用統計値がどんな数字になろうとも、既に新しい時代のステップは歩んでいるわけです。今週のビスタは狙っている銘柄の底値は何処か? チャートの見方を解説に加え、この辺りの狙いを中心に書いてみたいと思っています。
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9月03日
株の話しをしても、あまり意味がない話しで、何故、かたるが日銀批判をするのか?
今日は、その二です。
下のグラフ(前年度比)は国土交通省が調べた地価の動きを見たものです。土地の売買をすると価格を調査されます。そのデータをまとめたものが、毎年、発表されています。日本では昔、土地神話があり土地は下がらないものと信じられており、銀行は土地を担保にすれば、いくらでも使用目的に関係なく融資してくれました。その為に公示価格と時価の差を利用し、土地を買って資産を増やした人が東京の主だったお金持ちの人です。誰にでもできますね。土地を買ってアパートを建てて人に貸して、その収益で借金を返済するのです。地価は上がり金利差を利用し、何時しかお金がどんどん貯まります。
しかし元日銀総裁の澄田氏は1985年のプラザ合意から円高になる過程で、金利平価説により円高を押さえ込もうとして、金利を下げて資産インフレを見逃したのですね。当時の銀行は貸し出し競争をしていました。必要のない人まで「お金を借りろ!」と、連日、銀行員が貸し出しのノルマを達成する為に、熾烈な競争をしていました。市場で余ったお金は土地に向かい、土地の価格がどんどん上がって行きました。その動きが1986年から1989年の動きです。1987年は年率48%、1988年は年率61%も地価が暴騰します。この時に焦げ付いた融資の清算の為に「失われた時代」を経験しているわけです。
その後、過剰な引き締めが元三重野総裁のもとで行われ地価は下落し続け、今度は極端な資産デフレ政策を実施します。日本経済はジェットコースターですね。折角、海外の金融機関のおかげで日本の地価は底を打ちますが、今度は「羹に懲りて膾を噴く」日本の銀行はバブルの失敗で過剰に締め付けられて、金融庁の指導もあり銀行はお金があっても融資に向けない現象が生まれています。今の下げは国際金融の金融デリバティブ調整も原因ですが、一番の原因は日銀のデフレ政策です。日銀、金融庁、銀行それぞれが牽制をし合って動かないのですね。これではうつむき加減の日本が元気になる道理がありません。
GDPが横這いの原因は、政策不況なのですね。
北海道が苦しんで拓銀が倒産して北洋銀行が公的融資を受けるのは政策ミスなのです。能力のない人間が上で活躍する日本の仕組みが混乱を生んでいるのです。折角のチャンスだったのに…小さな利権争いの為に小泉改革を批判し、まるでスケープゴートのようにライブドアの堀江さんを逮捕するのです。アーバンは黒字の会社ですね。その会社を資金繰り倒産に追い込むのです。苛めの構造が日本の経済界に存在しますね。私が何故、「ダヴィンチ」の話しを、時々するのか?
金子さんに会った事はありませんが、きっと優秀なのですね。海外の金融機関が彼を信じて1兆円近いお金を預けるのです。彼には信義があるようですね。テーオーシーの経営者である大谷一族が800円でMBOを仕掛けたのです。しかし不動産価格は時価より安くおかしいということで、ダヴィンチの金子さんは1100円で逆にTOBを掛けるのですが株式が集まらずに、再度、値上げしましたがそれでも駄目で、TOBは不成立になりました。論理的な提案をする経営者なのですね。市場原理に沿っています。
今の時代、他人を騙して儲けようとする人はたくさんいます。サラリーマン社長は偉そうに経営権を主張しますが、それなら銀行から借金をして自社株を買えば良いのですね。私に言わせれば失敗しましたが、グッドウィルの折口さんの方がずっと筋が通っています。ところが厚生労働省は彼を目の敵にして…どんな経緯があるのか分かりませんが、こんな日本だから再び低迷するのですね。
何故、800兆円も借金をして、おかしな国にしたのでしょう。
原点を考えて下さい。構造転換は不可欠なのです。郵政民営化は成果を上げています。黒字に転換し業務は円滑に行われていますね。そりゃ、地方では多少の不利益はあるでしょうが、この程度は800兆円の借金があるのだから仕方ないと思います。小渕内閣時代の40兆円からの公共事業投資が、半分に削られているグラフを掲げました。産業のない北海道の人は格差が広がったと文句を言う理由は良く分かります。国民が努力し、民間に農業をさせれば良いですね。特例処置を用い北海道で産業を興す企業に対し、税金を減額するのです。産業が育ち住民が集まり所得税が増えて、本来ない税金が入ってきます。知恵を出して努力をしなとなりませんね。エルピーダが設備投資をするなら、北海道で営業させて、当面、無税処置を施せば良いのです。
役人の数が多いから、細かい規制が多いのですね。数を減らせば必要な所に検査は絞られます。国民が役人に何でもかんでも、求める風潮が何処か間違っていますね。その根元はマスコミでしょう。おかしいですよ。GDPを増やす方向に世論の流れをきらないと、このままでは大変な事態になります。かつて日本は働く場所がなく、ブラジルなどへ移民に行きました。今度は中国やベトナムに出稼ぎに行くはめにならなければ良いのですが…。白川さん、しっかり仕事をしてくださいね。インフレターゲット論を採用すべきですね。日本を救う道はインフレ政策しかありません。
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9月02日
米国ではISM製造業景況指数が2008年の1月以来、景気回復の目安になる50を上回り52.9となりました。この指数は米国の300社ぐらいの製造業の購買担当者にアンケート調査した数字です。日本の日銀短観のようなものです。重要な事は人間の感情が元になっており、景気の先行指数の一つだということです。確実に景気は回復している様子が窺えます。例えばオートデータからも、8月の米国の新車販売台数が発表されていますが、前年同期比で1%と129万台を販売し…遂にプラス成長になりました。この数字は補助金効果ですが、年間で1409万台になるそうです。IRNETでは、嘗て米国の自動車保有数から計算して異常な販売状況はいずれ改善すると何度も述べてきました。2億5千万台も保有されており、年間で1000万台割れの数字が、車社会の米国で長く続く道理がありません。このように常識で物事を考えれば、日経平均株価が、これからどんどん下がるような不安を煽るマスコミの宣伝が、間違いだということが分かります。
今は上海総合株価指数ですね。
中国は年率8%成長を続けており、株が長い時間下がることはありません。GDPの成長が続くということは、資産価値も上がり続けるのです。日本のデフレ政策と同じ土壌で考えるアナリストやマスコミの発言は、明らかに間違っているわけです。こんなことも常識です。だから時間さえ掛ければ、上海総合株価指数は上がるわけです。かたる君はアリババが上場する時に高値で買いました。30ぐらいかな? その後5ぐらいまで下げましたが、今は20程度の動きをしています。経済が成長している国の株が、下がり続ける訳がありません。常識をもって、良く考えれば小学生でも分かる解答ですね。
さて、あまり政策論ばかりでは退屈するでしょう。
本当は日銀の金融政策の間違いを、連日書いても良いのですが…。円高はデフレ政策の影響かもしれません。円を求められているに応じてないのですね。為替介入が悪だと考えているのでしょうか? 世界経済は拡大しているのに、日銀は進歩がありませんね。資産インフレ政策によるバブルの発生に懲りて、今度は逆の資産デフレ政策を採用しているからどんどん金融機関は疲弊します。病気を治す役割の医者が患者に毒を与えているようなもの。また機会があるたびに実例を示し、日銀批判を続けます。実力主義のFRBなら、とっくに総裁は首になっていますね。
さて、今日の日本株は、またまた先物に振り回されています。NYダウが調整するのは当たり前、その動きに対し過敏に脅えている様子が分かります。だってAIGのレーティングが引き下げられるのは当たり前ですね。13ドルだった株価が55ドルまで急騰したのです。多少の調整は入りますよ。どうして脅えるのか? 私にはサッパリ理解できません。確かに地方銀行の破綻は依然存在し、財務内容が悪化して銀行もかなりあるしょう。雇用調整が進み住宅価格も下がっているから、誰でもノンリコースローンですから、借金を返済せずに住宅を手放します。しかしISMが上昇しているということは、何れ雇用も改善するのです。時間がかかるだけの話しですね。それなのに馬鹿らしいですね。一時的な調整に踊る日本の投資家は馬鹿です。
残念ながら私も今日はセールスをしましたが、お客様は乗ってきませんでした。…と言っても、あまり電話をしているわけでもありませんが…。「かたるの失敗」が堪えているのでしょう。いろんな切り口があります。今日はエルピーダが公募増資を発表しており、株価が、一時、ストップ安をしていました。先日、トクヤマが増資を発表したときも、大きく株価は下がりましたね。増資銘柄が売りだと言う発想は非常に危険です。希薄化懸念ばかりがマスコミで強調されますが、資金需要があるということは背景があるケースが多いのです。設備投資する会社は、成長が見込まれるから増資を実施するのですね。良く考えたほうが、良いでしょう。
今の相場の焦点は、第3四半期から第4四半期の経済状態の読みに入っています。既にホンダなどの好業績が織り込まれ、株価は調整しています。どの時点で、この調整が終わるのか? それとも世界景気は、再びカンフル剤切れから二番底に向うのか? と言う読みの段階ですね。どちらを採用するかにより、戦略が決まるわけです。足元の景況感はどんどん改善していますね。別にISMだけではありません。今日は新日鐵の君津製鉄所の高炉が、年内に再開させるとの報道がありました。8月2日に再開した大分に続き…。この理由は自動車の生産活動が戻り、薄板在庫が最低水準になっているからです。しかし銀行の融資姿勢が慎重で、国内建設はまだまだ稼働率が悪く、建設資材の在庫状況は大きく改善されていません。
このような状況は鉱工業生産指数などの指標が、各省庁から発表されており、インターネット時代ですから、簡単に自分でも把握が出来ます。例えば、下のグラフのようにこんな感じです。いいですか、誰も自分の投資の責任を取ってくれないのです。マスコミなんか、いい加減なものです。報道の判断基準は雑誌が売れれば良いとか、視聴率が上がれば良いという基準だからです。最後に頼れるのは自分だけ、だから自分で納得する投資をするのです。
2009年09月01日
9月01日
今日は経済政策の話しを中心にしようと思います。
1985年のプラザ合意から1989年に金融バブルが壊れ、失われた20年が経過します。「官僚達の夏」が放映されているのは、古きよき時代の話です。今の中国の時代ですね。日本は大きく構造転換を図るべき時期に、問題を先送りしているから、低迷した時代が続いています。小泉政権がその打破の為に、しがらみ政治の古い体質の自民党を敵視して構造改革を目指しましたが、揺り戻しにあっているわけです。その象徴的な現象が「郵政の民営化」です。決して郵政公社の人をリストラした訳じゃないのです。真の狙いは財政投融資資金への流れを変える事だったのです。
ところが綿貫さん達には、理解が出来なかったのでしょう。公共事業投資の利権が残っていたのです。その資金を支えていたのが財政投融資です。簡保などの資金を国に運用を任せるわけです。国債と同じ役目を果たし、その効率が著しく落ちているから「失われた時代」が続いているのです。普通の人は理解できますね。農道を舗装し幹線道路を平行して2本も3本も創るのです。無駄な投資ですね。だから経済への波及効果が薄れ経済活動が停止します。今回、この予算配分を見直そうと、民主党が国家戦略局を作り政策運営にあたります。
効率的な資金配分が実現されれば、もともと優秀な日本国民は世界でも高い経済成長を成し遂げられるでしょう。潜在成長率が1%とか言う世界の話ではありませんね。米国でさえ、もっと高いのです。だから少子化対策が大切で子供手当てなのです。GDPを増やすには人口の増加が必要です。
政治は動き出しましたが日銀は仕事をしていません。白川さんが頭はいいのでしょうが、経営者として三流の部類でしょう。任命されてから日銀の管理下にある銀行経営を指導している形跡がありませんね。財務省も同じです。その様子は下のグラフです。預金が増え続けているのに貸し出しが伸びません。加えてこの金利下で国債投資をしているのです。お金があっても使える能力がないのです。
世界経済が上向きになり、国内景気浮上の為の政策が求められているのに、銀行は国債保有を2007年12月の80兆円から、この6月には、なんと111兆円に31兆円も増やしています。春からの経済回復で企業から返された現金を国債投資に向けています。だから、この時期に金利が異常とも思える低下傾向を示しています。通常、景気回復時に有り得ない現象です。みずほはCDSを購入し、多額の損失を被りました。みずほの行為は、ジョージ・ソロスが言うように「他人に生命保険をかけて、その人を殺す権利を与えるようなもの」との批判がありますね。つまり異常な事態になっています。
このような保守的な考え方を押し付ける原因はやはり規制でしょう。過剰な金融規制が金融機関の保身を生んでいます。中央銀行がデフレ政策を堅持する限り駄目ですね。バブル崩壊は、異常な資産インフレを見逃した為に起こりましたが、今は同じことを少し緩やかですが、白川氏は資産デフレと言う形で実施しています。ターゲット・インフレ論を採用すべきですね。いくらでも方法はあります。
だいたい黒字企業を、資金繰り倒産させる金融環境を放置しているデフレ政策は明らかに異常です。だから東証に上場される60%もの企業のPBRが1倍割れをしているのです。バブルを発生させた澄田総裁と、今度はデフレを容認する白川総裁は明らかに同列ですね。人事院勧告で公務員の給料が下がるそうですが、夢のない配分の話は、いい加減にして欲しいものです。あるのは如何にしたら、GDPを増やせるか? どうしたら皆が一所懸命に働いて稼げる環境を整備するかです。
私が日銀総裁なら運用利回り3%以上の物件(土地)を証券化して、その資産担保証券をいくらでも買います。1%台の国債を買うより、ずっと経済効果があります。民間銀行が動かないなら中央銀行が自ら投資すれば良いのです。株にしても、黒字で配当をしており、純資産倍率が1倍以下の水準を放置するなんて異常な状態です。いくらでもその株券を担保に融資すれば良いのです。為替も介入すれば良いのです。いくらでも円をすってドルを買って、その資金を米国企業に日本で投資することを条件に、いくらでも貸せば良いのです。更に米国債も買えば良いのです。100円まで誘導すれば日本企業は息を吹き返します。そうして消費者物価が3%程度に上昇するまで、資金を供給し続ければ良いのです。簡単に日本経済は元気になるのに…。日本の投資活動に火をつけてGDPを引き上げるべきでしょう。
素人感覚ですが方策はたくさんあります。
お金なんて無尽蔵にあるのです。その資金でジャンジャン未来投資すべきなのですね。社会保障費は毎年1兆円程度増大すると言われていますが、その歳出に見合うように歳入を拡大させる政策を実行すべきです。社会保障費への投資は、未来の利益を生みません。ITSなどの未来産業に、お金をジャンジャンと使えば良いのですね。超伝導送電システムを造ったり…たくさんの未来産業があります。GDPの成長がないのに、最低保証賃金の話しをしても仕方ありません。
はやく成長路線へ! 民主党さん、頑張って下さい。
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