今日の市況(2009年)(2009年10月08日)
かたる君は日経新聞により育てられました。大学1年から株式投資をし始め、日経新聞を毎日読むようになり、もう30年以上になります。これまでは失敗の連続です。まぁ、このコラムを読めば分かるわけで…。兎に角、騙され続けてきました。そうしてコラムを毎日書くようになり、新聞の裏と言うか…記者の心境が理解できるようになって来ましたね。同時に新聞の厭らしさも感じるようになっています。
嘘を書いているわけではありませんが、意図的な記事の作成を感じるのです。
例えば、これまでは前年比の比較を用いていたのに、突然、前月比に比較対象を変えて記事を作成します。また四半期別で書く場合と半期別で書く場合と…使い分けているわけです。しかし読者には「赤字が膨らむ」と言う文字が躍ると、実体は改善しているのにも拘らず、悪化していると勘違いしますね。しかしその反面、記事の反応を見て株価の動きを判断できるのですね。
例えば…先日、注目しておりました商船三井が減額修正を発表しました。その翌日の日経新聞の記事は「赤字が拡大」と言うような内容の記事でした。案の定、株価は売られます。私はビスタニュースでコメントを書きました。第一四半期の赤字を埋めきれず、第二四半期は黒字だったが、事前予想のように回復せずに減額修正したと…。そうして株価は500円を割れるかもしれないが、この下げが買い場になり上がると思う…と言うような内容だったと思います。減額修正の発表が9月25日でした。

コンテナ船などは景気回復を受けて改善され、自動車運搬船も遅れているとは言え回復しています。儲け頭のケープ型のバラ積み船は、船舶の過剰から需要以上の供給があり緩んでいましたが、パナマックスとケープ型の倍率が1.1倍を割り込み異常レートでした。だから同社の安岡専務の発言のように、市況は秋口には改善されるのだろうと考えていました。新日鐵の高炉再開などを受けての予想でしたね。そうして本日の日経新聞の記事です。この記事を受けて株価は上がってきましたね。

新聞にはたくさんの有意義な材料が提供されています。
DeNAが米国ベンチャー企業のオーロラフェイントに20%出資すると言います。この意味は非常に大きいですね。オーロラ社はiPhone用のゲーム開発に欠かせないソフトを開発している会社だそうです。DeNAは7月に中国のSNSの会社を傘下に収めています。あれから3年です。着々と進化しているようです。しかし業績面では、当分、成果はないでしょうね。しかしこのような記事は、何れ株価に効いてきます。
今日は雑誌から…
宇沢弘文(東大名誉教授)先生は、痛烈に市場原理主義経済を批判されています。
「市場原理主義は儲けることを人生最大の目的として、論理的、社会的、文化的な側面は無視してもよいという考えである。このような考えはフリードマンの活躍以降、世界の経済学の主流になった。しかも本来、こうした政治・社会的な圧力や変化から自由であるべき大学もが、市場原理主義の流れに巻き込まれた。知性、理性、感性を失い餓鬼道に落ちてしまった大学人も少なくない」
でも半面で市場原理を優先したボランティア活動の「社会起業家」も多く誕生していますね。この点を先生に問うてみたいですね。経済性を無視した行動は続かない。私は株屋ですから市場原理主義者的な考え方ですね。効率的な社会が進歩をもたらすと考えています。日本は世界で一番、共産的な仕組みの残る国です。市場経済化できないから、株が下がり国民は豊かになれないのです。株が上がるか、下がるかと言う目先的な現象より、今の日本は、非常に大きな実験をしているのですね。まるで1989年のベルリンの壁崩壊のような変化を歩んでいるのでしょう。果たして株は上がるのかな…?

投稿者 kataru : 2009年10月08日 18:06