未来かたるが語る

今日の市況(2009年)

今日の市況(2009年)(2009年10月13日)

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NY市場をはじめ、世界景気は順調な回復振りを示していますが日本株だけが出遅れています。原因は新政権に対する信認でしょう。新政権は予算削減を打ち出し、デフレ・スパイラルさえ思わせる負の部分からスタートしました。本来は景気の悪化局面ですから、穴を掘っても、ただ埋めるだけの無駄な投資を実施しても雇用を確保すべき時に、既に始まっている公共事業投資を次々に止め予算を削減しています。だから株価は反応しません。「合成の誤謬」ですね。民主党の政策は正しいと思いますが空回りしている印象です。

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市場は内需に影響が薄い、輸出銘柄の国際優良株が中心の相場展開になっています。通常、そろそろ半導体需要などはクリスマス商戦の終了で落ち込む時期ですが、今度は旧正月明けの中国需要を睨んだ動きが背景にあり、例年より強い相場展開をしているようです。故に半導体価格は高値を更新しています。エルピーダは公的支援の会社ですが、エレクトロンも東芝も確りしています。今日は苦戦している自動車株まで買われていますね。中国に力を入れている日産自動車やホンダが注目されます。

一方、9日に政策発表と伝わっていた返済猶予の貸し渋り買い剥がし法案は、具体的な発表がなく失望に変わっており、期待していた銀行株は元気がありません。アドバルーンは誰にもあげられますが、実行は難しいと言うことでしょう。最近は前原大臣の発言が市場に度々登場し、今日は「国際空港を成田から羽田へ」との発言から、日本空港ビルディングなどがストップ高していました。他にはレーティングを引き上げられた新日鐵やパイオニアも賑わっていたようです。しかし全体は好環境にも拘らず、盛り上がりを欠く展開でした。

さて今日は13日です。
野村證券の払込日なので、予てからお約束しておりました野村證券の考え方をご紹介します。先ず、私はいつもの様に値決めの当日から株式を買っておりますが、非常に危ない投資だと思っています。野村證券が危ない?と言うと誤解を生みますが、それほど、現状は逼迫した状況なのではないか?と推察しています。逆説的に言えば、だからこそ面白い存在でハイリスク・ハイリターン投資の銘柄だと、お客様には説明しております。理由は6年にも及ぶ歳月の中で、一度も営業キャッシュフローが黒字になっていません。つまり野村證券は、本業では儲けずに財務(借金)キャッシュで食べている会社なのです。

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現状の証券界は何処も似たようなものです。本業で喰うのは至難の業ですね。だから野村はリーマンの買収で投資銀行の道を歩み始めたと解釈しています。つまり投資銀行とは、自己勘定で投資して利益をあげる。自分で相場を張る証券会社と言うことです。この7年間、野村證券は3兆8369億円もの営業キャッシュフローの赤字です。一方、大和証券は堅実に1兆9111億円の黒字です。野村證券はリーマンの買収など、次々に大口の投資を財務キャッシュ(4兆8791億円)で補っています。更に失敗が多く、この7年間の黒字額は910億円しかありません。大和証券が2830億円黒字を計上しているのに対し、きっと投資がこげ付いているのでしょう。更に近年、増資や劣後債の発行などを繰り返し、そろそろ市場から結果を求められる時期で、失敗すれば、後がないとの印象も抱きます。

では何故、私は野村證券を買っているのか?
理由は今回の増資資金で更なる投資をすれば、利益を挙げられる環境だと言うことです。例えば…『全米不動産投信協会(NAREIT)によると、REITの代表的な指数の総収益率(株式値上がり益と配当を元本で割った比率)は7~9月期が31.52%と、四半期ベースの過去最高を更新した。昨年10月から今年3月まで2四半期連続で2ケタのマイナスを記録したものの4~6月期以降、急速に持ち直している。』と報じられています。現実に米国金融は軒並み高をしています。つまり4350億円も自己資本が増えるので、10倍のレバレッジを掛ければ4兆円以上の投資ができます。いくら運用が下手な野村でも、この環境下なら10%以上に回すことが出来ると言う読みが背景にあります。投資銀行業務は半導体のように、良い時は非常に儲かるのです。

仕手化しやすい環境が背景にありますね。
しかし世界経済が悲観的なシナリオを選択して二番底に向えば、投資した物件から利益ではなく、更なる損が生まれ野村證券は第二のJALみたいな存在になるかもしれません。つまりそんな存在なのですね。果たして皆さんはどう判断をするのか?

株には、このように常に強弱観の二面性があります。
日経新聞は野村證券の負の面を書きません。お仲間ですから…。東芝は経団連の輩出企業ですから日本の仕組みでは、JALに続き年金債務問題を抱えているとは…日経新聞も書きませんね。日経ヴェリタスには年金債務の問題が触れられていましたが、リストには載っていませんでした。基準の取り方で色んな見方があるからでしょう。一方、フラッシュ価格は好調で、今は好景気に沸いています。常に株には二面性があります。売りと買い、どちらの見方もあるのです。どちらを選択するか、人それぞれです。

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投稿者 kataru : 2009年10月13日 18:20