今日の市況(2009年)(2009年10月14日)
米国では決算発表の季節になり、概ね予想以上の決算が期待されますが、株価は事前にこの傾向を織り込んでおり、どの程度の反応をするかどうか…。
例えばウィンドウス7に刺激されたインテルの7-9月期は売上予想90億15万ドルに対し実際は93億89万ドルで、粗利率は54.5%予想から57.6%と非常に良かったですね。一方、10-12月期の市場予想は事前の95億ドル予想から、会社は101億ドル予想を引き上げており、粗利益率は56.7%から62%の予想と市場予想より引き上げています。半導体価格が高くなっており、業績好調な理由は市況から窺えますね。おそらく株価も19ドルラインより、居所をもう一段上に変えると思います。

日本でも、まもなく決算発表があります。
3月決算でビック・サプライズはホンダでした。そのホンダの決算発表は10月27日に予定されています。更に良かったのが三菱電機で此方は10月30日ですね。7-9月期で注目されるのは中国経済の動向でしょう。多額の財政出動から補助金政策で消費を刺激している中国の株価は色んな批判はありますが、私は上がると思っています。故にビスタで紹介した銘柄を注目しています。市場は非常に弱いですね。理由は民主党政権が市場の信任が得られないためです。景気刺激のための補正で3兆円も削りますから、かなりの需要が減りますね。多くの人は一段と経済が冷え込むことを警戒しています。
信認が得られない理由は、亀井大臣の「貸し渋り・貸しはがし法案」などの動きで、今日、報道されているJALの債権放棄なども、官の強引な介入です。役人が民間の決めた事に口を挟み、損失を銀行だけに押し付けるやり方はいただけません。JALの再生決定に竹中チームが投入されており、彼らが手掛けたスキームのカネボウやダイエーは、その後、どうなったのでしょうか? 旧政権の失政のリカバリーとは言え、この辺のやり方が市場から理解を得られていないのでしょう。ただJALへの融資は日本政策銀行の融資が2294億円と多いですが、大手銀行は三菱UFJが572億円、みずほは526億円、三井住友は372億円と…3月時点では発表されています。まぁ、多いけれど全額免除するわけじゃないし、きっと免除の差し替えで株式化でしょうから…。市場が気にするほどの影響もないでしょう。
でも長引く政策不況で、実に市場は深刻な状況ですね。何故、そう感じるかと言えば、TICK回数の水準が非常に低いのです。TICK回数とはカチャ、カチャと株価が激しく値動きする様子を示しており、市場にエネルギーがなく先物の動きに振り回されている感じですね。トホホ…。そろそろスター株が欲しいですね。そんな状況の中で、今日の一番人気は実弾売りを出せるようになった野村證券です。僅かな儲けで株を売る人種がこれほど増えているとは…。確かに野村は強弱観が対立しやすい銘柄で、どちらに転ぶか分かりませんが、少なくとも2億株を超える売買高は、目先の売り物を吸収し買うセクターが存在することを示していますね。今日は絶好の買い乗せ場面だったのでしょう。
まぁ、銀行が売られるようでは、経済が活性化しません。経済が上向かなければ、民主党が来年の選挙に勝てる道理がありません。国民が小泉内閣に期待したけれど、駄目だった自民党に仕方なしに見切りを付けたのです。ピンチ・ヒッターである代理人に与えられるチャンスの時間は非常に短いのでしょう。株価は政策のバロメーターですね。早く、早く。市場は民主党政権の動きを見ていますが、ひょっとすれば、バラ色相場に発展するかもしれないのです。少子高齢化の日本問題を吹っ飛ばすFTAやEPAは、日本の成長のための起爆剤になる可能性を秘めています。国境なんか古い考え方になるのです。

投稿者 kataru : 2009年10月14日 17:45