今日の市況(2009年)(2009年11月09日)
昨日の「コラム」に書いたように米国は追加景気対策を検討中と発表したようです。
事前予想の中身は企業減税処置が中心で失業保険の延長などが主眼のようです。更に11月に切れる住宅減税が来年の4月までの延期など…が柱になっているようです。それにひきかえ、わが国は、無駄使いと称し補正予算を削減したので2番底懸念が広がっています。特に深刻なのが住宅投資ですね。住宅産業の株価は低迷したままです。理由は簡単です。銀行を苛めるので、融資姿勢がどんどん厳しくなっています。東京でもマンションの完売の報道を目にしましたが、実体は契約しても銀行融資を申し込むと断られる割合が多いと聞きます。そりゃ当然です。例の亀井問題がやはりかなり影響しているようですね。
民主党は追加景気刺激策を考えているようですが、税収の落ち込みが深刻で予算をどう捻出するのか? 長期国債の利率が上がっています。誰もが同じことを考えるわけです。
北海道の横路、東京の美濃部と財政の悪化と言う「負の遺産」を残した社会党政権の失政を連想しているのでしょう。この理由は予算の組み換えが中心で、成長戦略が見えないためです。世界経済はどうにか回復歩調なのですが、国内需要がなかなか盛りあがりません。
先週、新聞で法人タクシーの平均売上高推移を見たので調べようとしたら…何処に資料があるやら…関東運輸局のホームページは分かりにくいですね。新聞では9月の法人タクシーの売上が16.6%と前年同期比でダウンして、3万7472円となっており25ヶ月連続減との事でした。ようやく探し当てたのが輸送人数の推移ですね。下のグラフですね。タクシーの平均年収は325万円と言う数字をあるようです。こちらは厚生労働省の数字のようです。時給で1258円だそうです。平均年齢は56.7歳で月に199時間勤務すると言います。月収25万円は税金や保険料などを払い手取りは20万円弱でしょうか?
仮に5年の年収しか借金が出来ないとすれば、1625万円の住宅ローンしか組めません。
東京では中古住宅でも、この価格で家を探すことは困難でしょう。つまり家が持てません。今、話題のサラ金規制は更に厳しく、年収の1/3までに押さえられますから108万円が限度になります。仮にこの基準が車のローンにも拡大適用されると…?車も買えない事になりますね。経済は益々、縮小均等へ向います。デフレの世界です。しかし生活用品は買わなくてはなりません。故にニトリやユニクロの製品が売れます。
何故、安い水準にも拘らず株が下がり続けるか?
今日はとうとう東京電力の株価がリーマンショック以来の安値を割り込み、新安値を更新しました。この背景は個人株主が多いからと言われています。個人の財政は火の車。ボーナスはカットされるし残業はなくなります。大切なのは金融の仕組みなのですね。特に住宅は金額が大きく、この投資が盛んになる政策の実行は大切です。無論、政府も馬鹿じゃないので、親からの頭金支援に対し無税の枠を増やしています。しかしやる気のある若者が一大決心をして家を買いに行ったのに…銀行審査でローンが組めないのが現実のようですね。
一見、暗い話ばかりですが…明るい材料もあります。
例えば、東アジア東京宣言のような「狼煙」を市場はまったく評価していません。市場との対話がない以上、景気の回復は難しいと考えられます。港湾整備も日本は遅れているといわれています。その為に日本の中継地は、韓国の仁川港が担っていると言われています。様々な問題で日本が使いにくいのでしょう。規制がゆるく使いやすい場所に、民間は集まります。高速道路が無料になれば日本海側の港湾設備の活用が活発になります。先日検討されていた国土交通省のプランの中にも、拠点港湾づくりなど海洋国家日本の復権が掲げられていました。更に先日の話題の中には、海外からの誘客増大による観光立国の推進やオープンスカイ(航空自由化)の推進、そうして建設・運輸産業の海外進出による国際化などが検討されていましたね。
今日の市場はビスタニュースのレポートで連続して取り上げた「クボタ」が人気になっていました。更に今週はテクニカル・リスト銘柄の中から「東京海上」が高かったですね。無論、かたる君が選んだ化学メーカーも確りしていましたが…、この「海上」は株式の缶詰と呼ばれていた時期があったほど、日本株の大株主です。故にこの株価動向は非常に重要です。今週はアジア戦略から3つの銘柄を選びレポートを書いてあります。果たしてどんな動きになるか? 最近は目先を重視してテクニカル分析に力を入れようと考えています。
投稿者 kataru : 2009年11月09日 17:23