今日の市況(2009年)(2009年11月11日)
新聞を読んでいるだけでなく自分で資料を調べてみると、いろんな事が分かります。例えば昨日発表された景気ウォチャー調査です。この資料は日銀短観と同じようにアンケート調査が基になっているので、景気の先行指標として注目されます。設備投資や雇用統計などは遅行指数なのですね。しかし指数が下がったとは言え、高水準を維持しているから、直ぐに景気が悪くなると二番底を懸念するのはどうかな?
このような資料はあまり見ないでしょうから…。
実はこの調査は人間の感覚を聞いているのですね。景気の現状判断の回答は「良くなっている」+1、「やや良くなっている」+0.75、「変わらない」+0.5、「やや悪くなっている」+0.25、「悪くなっている」0、と言う5段階の中から選びます。DIの算出方法はそれぞれの数字を足して求められます。全国からおよそ2000名の様々な業種から選んだアンケート調査です。
面白いのは、日本人は控えめな回答をするということです。この個別回答の推移を見れば分かります。圧倒的に「良くなっている」と言う解答より「悪くなっている」と答える人は多いですね。被害者意識が強いのでしょうか? 株屋としては2002年から2003年もかなり悪かったと思うのですが、その時より今回の方が深刻な状況だったようです。あの時は銀行が強引な貸し倒れ引当金の積み立てを強いられて痛んでいたのですが、今回は製造業である産業界全般に被害があったから、この結果なのでしょうか? この景気ウォチャーの通りなら、株価はもっと戻っても良さそうですが…。
今日の債券金利は日経報道の影響でしょうか?
都市銀行は54兆円ほど資金余剰があるので、債券運用をする筈だと言う観測記事の影響かどうか分かりませんが、金利は低下していました。別段、この時期に余剰が膨らんでいるわけじゃないのに理解に苦しむ解説でした。そもそも金利高は税収不足にも拘らず、予算規模が膨らむので大量の国債が発行されるから、需給バランスが崩れるとの推測が一般的な見方です。
しかし…別の見方も存在しますね。
今日の日刊工業新聞にウシオ電機の牛尾会長が指摘すアジアと交流し5000ドルから35000ドルの中間層8億5千万人の需要を取り込もうと言う発想です。この人口は今後14億人に増えます。
私が考えている少子高齢化によるギャップを、日本はFTAやEPAを盛んにする事によって、国境と言う壁をなくせば埋められるという考え方に近かったので驚いたわけです。同じことを考えている人が、いるのだと思いました。相場はあらゆる可能性を探っていますから、ひょっとすれば金利が動き出すのは本当の意味の成長論を探っているかもしれませんね。民主党政権の仕分け作業がスタートしましたが、ひょっとすればやはりひょっとします。本格的な成長に向うかもしれませんね。
だから馬鹿にして債券を買っていると痛い目にあうかもしれません。長い間、デフレ経済に慣れ、成長論を忘れた日本人は間違った判断をしているかもしれません。デフレの象徴であるファースト・リテイリングの株が、今日も新高値を追っていますが分かりませんね。しがらみがないから、おもいきった政策が実行できます。とっても面白い時期になってきていますね。仮に皆さんが言うように、悪い金利高だけでも株は上がります。1998年末に大蔵省の運用部ショックがあり、金利が1.2-1.4%から2.2%まで急騰した時期がありましたが、翌年から株価はやはりITバブルへと向い上がりました。
少し難しいでしょうかね?こういう話は…。
個別株式など…簡単なのです。全体の政策運営が正しい方向性に向かえば、株は上がります。市場経済とはそう言う風に出来ています。政策が正しくて株が下がることはありません。同じように業績が回復歩調なのに、株が下がることは基本的にありません。正しい政策が実行されるなら株は上がるのです。今、行われている事業仕分けは良いことですね。市場原理が働く方向性を持った政策です。財源を地方に移管すれば良いのです。ひょっとすれば…。どうせまた下がると馬鹿にしてはなりません。…と強気のかたる君は考えています。
投稿者 kataru : 2009年11月11日 18:54