今日の市況(2009年)(2009年11月18日)
NY市場は強いの一言です。二番底懸念はむしろ米国にあると思いますが、フォードをソロスのファンドが買うとか…順調に新規資金が流入しているのでしょう。政策当局に対する信頼感があるので新規資金が流入するのです。お金は金利の高い所に流れます。その為には基本的に政策の信認が一番大切です。もともと今回は「金融危機」です。お金が回らなくなり消費が落ち込んだのですね。お金が政策の信認により順調に回り始めれば、潤沢に供給されている資金は動き始め需要を支えます。
ブラジルのボベスパ指数は金融規制を撥ね退け順調に回復していますね。まもなく世界で一番早く昨年の高値を越えますね。資金流入による資産バブルを警戒しての規制でも上がっています。この背景にはマンテガ財務相が2010年から2016年のGDPの成長率は年率6~6.5%になると示したことが背景にあるようです。勿論、石油大手のペトロブラス(@PBR/U)の上昇寄与が大きく、鉄鉱石のヴァーレ(@VALE/U)の上昇も大きいのですね。
株式市場で一番大切なのは政策に対する信認感です。日本はまず外資を締め出しました。ブルドックソースの問題はこういう形で現れます。フジテレビの日枝さん、TBSもそうです。政府は日本空港ビルディングの出資に対しても拒否感を示しましたね。日本の閉鎖的な社会が生んだ弊害が市場に随所に現れています。今の市場はどうでしょう。新聞を読んでいて驚きましたね。予定はされていましたが日立の増資の決断です。「来年になると増資が出来なくなるかもしれないから早めに手当てする。」と述べられており、自己中心的な対応ですね。既存株主の利益を考えない自分たちだけの論理を振り回しています。他に企業も似たようなものです。市場に上場している責任を果たさずに、権利ばかりを主張している日本企業に映るのでしょう。
今のところ、民主党政権に対して、市場は基本的に拒絶反応を示しています。成長戦略を示さないからですね。しかし私はしぶとく、まだ期待しています。日本は開かれた国になるかもしれないと僅かな望みに期待を繋いでいます。政権が変わることのメリットは大きいでしょう。多くの日本人は民主党の政策に意外感を持ち、同時に警戒感が芽生えているのでしょうね。お金持ちはジッと観察しています。お金はあるのですが、行動に踏み切る確信が持てないでいます。どこで民主党政権が成長戦略に政策スタンスの重点を移すか? ここが焦点でしょうね。
今日の市場は、かなりの投げが出ているようです。あるお客様は他の証券会社の預かりや信用の建て玉を、今日、全て投げたと話しておられました。きっと、追証が発生していたのでしょう。今日は嘗ての部下からも電話があり、追証の話しをしていました。しかし業績はそんなに悪くありませんね。マスコミの宣伝で二番底懸念が誇大表現されています。確かに経営者の多くは「年内は読めるが来年の1-3月は見えない」と口をそろえて述べています。だから増資の駆け込みラッシュになっています。昨年のような金融危機が再び起きるかもしれないと警戒感が高いからでしょう。大企業の日立の経営者がそのような認識ですからね。だから何時までも三流企業なのですね。とてもGEのようにはなれません。むしろキャノンのような行動が的確な姿勢なのでしょう。
出来高バランスなどをみていると、今日はかなり投げが出ているようです。
増資ラッシュで需給バランスが崩れており、いつも強気の私も買い場だと叫べませんが、取り立てて慌てて売るような環境ではないでしょう。何度も述べますが世界経済は順調な回復ぶりです。日本の政権に信認が戻れば、内需の落ち込みもゆるくなり、遅ればせながら株価も回復基調に向うのでしょう。今日、三菱UFJが増資を正式発表したのかどうか分かりませんが、株価を決めるのは業績水準です。悲観観が充満する時はいつも逆転の発想が同時に芽生えているものです。
投稿者 kataru : 2009年11月18日 18:34