今日の市況(2009年)(2009年11月24日)
米国の中古住宅販売が好調で駆け込み需要が発生したと言います。当初、11月にも補助金政策が廃止される予定だったからですが、その後、この制度は来年の4月まで延長されています。米国では新築件数よりこの中古販売が圧倒的に多く注目されています。在庫も減り順調に消化されているようですが、単価はここに来て再び下降傾向ですね。610万戸は2006年の水準ですからたいしたものです。ただ雇用統計や差し押さえ件数の推移は相変わらずの不安を抱えている数字です。FOMCの声明では住宅担保証券の買い入れを年内から来年の3月まで延ばすと発表していますが、セントルイス連銀のプラード総裁はそれ以上に伸ばす事が重要だと発言し2012年の初めまで利上げはないと発言しているとか…。
基本的に米国は市場原理の国ですから政策効果が思わしくなければ、追加政策をジャンジャン打ちます。市場と政策当局の信認が厚いから株価も確りしているわけです。市場主義とはこういうものでしょう。株価は正直です。政策が良ければ株価も上がりみんなの生活もよくなります。逆に株価が下がるような政策は詭弁を弄しても、景気は悪化し人々の暮らしは悪くなります。「生活第一」を掲げる民主党政権は、株価を上げる政策を実行すれば良いのですね。株価が下がれば民主党政権に対する信認はどんどん失われます。確かに信用期日や増資問題で株価が低迷している要因もあるでしょうが、一番は、政策の信認ですね。藤井財務大臣の発言は間違っています。
三井化学が公募価格の値決めで急落しています。売り手口を調べるべきでしょう。徹底して金融庁はこのような行為を調べないとなりません。今日は増資を発表した森精機が同じようにストップ安と急落しています。増資をここまで毛嫌いするとは…。確かに増資ラッシュのように思われるかもしれませんが米国は時価総額比で2%を越えていると思います。イギリスは8%近くあると今日のエコノミストに掲載されていましたね。日本はまだ2%までいっていません。それにしても自己資本比率が70%を切っただけで増資をするなんて言うコメントは信じられません。森精機はいい会社ですが、このような考え方をする経営者にはついていけませんね。NECが公募価格を割っていますが、払い込みを26日に控えています。幹事証券の大和証券も奇妙なコメントを発表していますね。販売好調だと…。本当かな?
更に驚いたのが日立でした。日経新聞が増資の側面支援で観測記事を一面トップで打ち上げました。1兆円の鉄道大型受注記事です。寄り付きこそ5円高の258円でしたが引けは248円です。呆れるくらい買いの勢力が居ませんね。年金資金はようやく買い越しに転じましたが、日本株より海外株の比率が多いと言います。日本人の年金運用資金が海外株に流れている。えっ?と思うような記事でした。ここまで政策不振が極まるのは記憶にないですね。特別会計予算の埋蔵金に手をつけて大型補正を叫ぶ亀井氏ですが…抜本的な資金循環を考えないと、小手先ではいくらやっても株は上がりませんね。
もともと無尽蔵にお金を発行できる日銀さんはデフレもインフレも思うようにコントロールできる立場にあります。今週号のビスタの原稿で政府が「デフレ宣言」をした意義を考えていました。何も自分の失敗を公に認めませんね。自分の失敗を認めたと言うことは、対策を講じると言うことでしょう。対策を講じると言うことはインフレに転換するのでしょうから株が上がる事になりますね。このマユツバのような宣言を、市場はまだ感知していません。政策に信認がないとは…最後は日本のお金はどんどん日本を脱出して行くのです。既に年金基金が日本株より海外株の保有比率が高いという現実を、政策当局は認知しなくてはなりません。菅さん、白川さん、あなた方の出番が登場しています。役者は求められて期待に応えないと…石川遼くんは期待に応えるから人気があるのでしょう。政治家も同じでしょうね。
投稿者 kataru : 2009年11月24日 16:34