今日の市況(2009年)(2009年11月27日)
いやはや…市場経済と言うのは面白いものですね。ビックリします。
6月の日経平均株価の高値期日を迎えている所に、ドル・キャリーから円高が加速して、挙句の果てがドバイショックに広がるとは…。もともとドバイはイギリスの銀行が主役なのでしょう。米国も日本も影響は軽微です。しかし市場と言うのは過酷な試練を強いるものですね。相場のなかった建設株を売り叩くのですからビックリしますね。大林組と重工は一緒に鉄道建設で関係しているようですが、当事者のドバイワールドや傘下のナキール社とは関係ないと重工は発表しています。大林は発表してないようですが…。
UAEの債務が決して小さいとは言いませんが、与信残高は1231億ドルですからね。何故これほど市場で大騒ぎするのかどうか…。日本人らしい対応です。もともとイスラムは結束力が高いのです。ドバイの原油産出量は僅かでしょうが、イスラム周辺諸国が手を差し伸べるのが中東なのでしょう。今日の市場の動きは、やはり僕には理解できないものでした。売られた大林組の1株純資産が516円、1株利益が13.9円で、8円の配当をしている会社ですね。何故、一時40円も下げて261円まで売られるのでしょう? 市場に正しい判断ができる投資家が減りましたね。
参考までに…イギリス502億ドル、フランス113億ドル、ドイツ106億ドル、米国106億ドル、日本89億ドル、UAE向けの与信残高があると報道されています。この動きから直ちに新興国への資金供給が減るという発想は理解できないものでした。でも実際は上海総合株価もインドも下がっています。その中国の経済状態は快調です。ここに来て世界競争に勝つために、自動車会社の再編を政府は促し合併させています。日本でもそうでしたが、車が売れるということは産業が大きく膨らむことを意味しています。日本の置かれた環境は素晴らしいものがあるのでしょう。果たして経営者がそちらに、どれくらい舵を切れるかどうか…この辺りが明暗の分かれ目なのでしょうね。
先日、ノルウェー銀行がピジョンを買ったと発表していました。少子化を迎えたピジョンは、早くから中国に進出しています。当初はフィデリティーファンドが大きく買っていた銘柄ですが、このように他に追随する投資家が存在する銘柄の株価は強いわけです。株が上がるとか、株価を高値で保っているのは、誰かが大きく買っているわけで、その背景には確実な業績向上が読めないと追随する投資家が居なくなりますから、将来に対する期待を常に感じさせないとならないわけです。日本は中国需要の他に、同じような大消費地であるインドが近くにあります。あまり目先の動きに悲観的になるのはどうでしょうかね?足元の業績の二番底懸念は否定できませんが回復過程なのです。
市場経済ですから、当然、民主党の政策が悪ければ催促に行くわけです。
今日の日経新聞の報道は、そろそろ新しい成長戦略を打ち上げろと市場が催促しているとかかれていました。今の政策では景気はどんどん悪化すると市場は評価しているのですね。考えてみれば分かります。折角、立ち直り掛けたのに、再び負担を強いる返済猶予法案は銀行の利益を奪います。当然、銀行は新規融資に慎重になり新規事業は進みませんね。こんな事は常識です。お金が動かないから浦安の鉄鋼団地は廃れます。喰う為に日本を捨てるしか道が残ってないから、ホンダは新工場の稼動と止めて海外生産に行くのですね。政府と心中する訳にいかないのです。ここで政策当局が株の動きなど関係ない、自分たちが正しいと言ったのが三重野元日銀総裁です。そうした結果が「失われた時代」です。だから民主党は市場の要求を真摯に受け止めないとなりません。
私は事業仕分け作業も正しいと思いますが、財務省の手のひらの上で踊っている孫悟空にもみえます。科学技術予算削減への批判は強く、学長、経団連、ノーベル賞と揃って反対しています。公開の効用より今のところ、景気のブレーキに繋がっている印象ですね。あのようなパフォーマンスをテレビで繰り返し放送されると、折角の投資意欲が減退します。ドバイの発展はバブルなのでしょうが、過去の文化遺産の建造物の多くが、バブル期に創られています。デフレ銘柄が賑わうより、ブランド物が売れるほうがいい社会だと、僕は思います。清貧思想の事業仕分けより、バブル経済の方が楽しいですね。やはりデフレよりインフレでしょう。
投稿者 kataru : 2009年11月27日 18:23