未来かたるが語る

今日の市況(2009年)

今日の市況(2009年)(2009年12月03日)

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米国ではバンカメが450億ドルにのぼる公的資金を返済すると言います。
日本の場合の「りそな」と比較してください。なんと米国は対応が早いのでしょう。あとはシティーとウェルファーゴだけになります。

これから話すことは専門外なので詳しくないから推測だとの認識で聞いてください。
30日に中小企業向け融資や個人の住宅ローンの返済猶予を受けやすくする中小企業金融円滑化法が成立しました。どうも金融庁は検査マニュアルを変えるようで、朝日新聞の報道によれば「この日成立した借金の返済猶予を促す中小企業等金融円滑化法の実効性を高める狙いだ。経営再建への協力を金融機関に求め、不良債権の基準も緩める。融資が焦げ付く危険性のチェックに重点を置いた従来の検査・監督方針から、大きく転換する。」と報じられています。

小泉内閣の時に不良債権を一掃するために、強権発動をして無理やり貸し出しを切ってきました。その延長線上で金融庁は検査などにおいて、厳しい行政指導をしてきました。その為に銀行は利回り採算の合う物件でも、時価が下落すると強引に回収に動いているのが現状でしょう。故に新興企業は安値で資産や会社を叩き売って借金返済をしています。営業キャッシュフローは黒字なのに、このような資産の簿価評価を変えるために、多額の損失計上を迫られます。そうして赤字に陥り更に融資基準が厳しくなる「負の連鎖」が起こっていました。この検査基準が変わるとすれば資産デフレが止まりますね。投資利回りが基準の筈ですからね。都心の土地は外人投資家が買い始めるでしょう。

このような金融庁のマニュアル変化は非常に大きな影響があります。銀行が借金返済の延長をしないから、資産デフレが加速しているのです。投資採算に合うなら、期日延長を積極的に支援するように、金融庁が指導すれば融資が増え始めますね。この効果は大きいですよ。亀井大臣がやるべきことは、たくさんありますね。我々、金融マンは厳格なマニュアルに縛られて行動しているのです。金融庁の方針転換が日本を救います。この意見は私の推測なので、どのようなマニュアル運用になるか経過を見ないと判断できません。

今週に入り鳩山首相は「円高と株安対策」の検討を指示しました。29日の午後に報道され30日の新聞で知りました。この報道を受けて株価が高くなりましたが、翌日、株価の勢いは1日の午前中だけしか持ちませんでした。ところがビックリしたのは昼休みに日銀が臨時政策会議を開くと発表したことです。そうして規模も方法も不満はありますが、兎に角、素早い反応を示したのです。11月20日に菅さんがデフレ宣言をして欧米の投資家はこの宣言に驚いたと報道されていますね。今週は経済対策がまとまるのでしょうか? 外人投資家は驚いたでしょうね。自民党政権ではリップサービスばかりでしたが、民主党は実際に行動するのです。時間をかけずに…この対応です。

馬鹿にしていた外人投資家は、今日も先物から買戻しを行っているように感じます。たった1週間で(4日間で)日経平均株価が1000円も上がります。市場は政策に敏感に反応します。政策と市場は表裏一体で、忽ち政策が響くのですね。素晴らしい。ながいデフレ政策の堅持だったので「失われた時代」の時間がただ過ぎていきました。市場関係者としては、この対応は嬉しいですね。しかし市場はまだまだ懐疑的です。いつ反撃に出ようかと、政策の隙間を突こうとします。その時は、また新たな政策を発動すれば良いのです。何度も続けるようになると、つまり市場の要求に政治が応えてくれると、やがて市場は政策を信じ始めるようになり、安心してお金が動き出します。デフレからインフレへ向いますね。

今日の日経新聞に馬鹿な解説が載っていました。
「脱デフレ期待はく落」と言う記事ですね。今は「流動性の罠」に嵌まっている状態です。いくら金利を下げてもお金は動きません。この動かない原因のひとつが金融庁の厳格な「デフレ・マニュアル」にあります。あるいは政策への信認がゼロなのです。だから日本を代表する日立やNECが市場原理を無視して、なりふり構わずお金を取りにきます。能力のない経営者ですね。先ずは政策への信認が生まれれば、やがて新規の需要が生まれ、金利が上がるのですね。今の時代は政策不信ですから、大企業が保身に動くのです。銀行の増資は別次元です。

日本郵船と商船三井の戦略の違いが鮮明になっています。
郵船はマニュアルを重視して増資を選択しました。でも借金をしようと思えば出来たと思います。多少、金利は高くなったでしょうが…。商船三井は株式希薄化を嫌い、社債を選択しましたね。DEレシオなる基準を重視するかどうか…。あるいは世界経済の読みの違いですね。どちらが正しいか来年になれば株価が証明するでしょう。個別では自動車販売が注目されます。どうにか1000万台の水準を米国は維持しています。中国の好調ですし、新興国のインドも伸びてきました。日本の政策が確りすれば、世界は問題ありません。

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初期波動の強さが相場の勢いを決めます。
ビスタではDeNAのチャートを用いて説明していますね。同じことです。明日も高ければ、尚、素晴らしい。だんだん政策への市場の信頼が戻るでしょう。市場は何度も政策の信認を試しに行きます。「あなた、好き?それとも嫌い? 」新婚カップルのように…、まだまだ市場は政策に疑心暗鬼なのです。ふる女房のような「阿吽の呼吸」が生まれるのは、いつの日か…。

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投稿者 kataru : 2009年12月03日 17:56