今日の市況(2009年)(2009年12月08日)
国内景気は完全に二番底に向っていますね。でも底割れはしないと思います。
その一例として内閣府が発表している景気ウォチャー調査(街角景気)が発表されました。先月の40.9から33.9と7ポイント悪化しました。悪くなっていると答える人が19.5と上がっています。
同時に今日は日銀から…、都市銀行の貸し出し推移が減って様子が分かります。10月の209兆422億円から1兆2500億円減り、11月は207兆7922億円になっています。銀行全般では2005年を底に貸し出しが増加して、今年の初めにピークを打っています。自民党の救済政策であるセーフティーネットに絡んだ融資が伸びたのですね。何度も述べていますが、経済が活性化するかどうかは金融を拡大するかどうかにかかっています。清貧思想を振り回し不良債権処理に明け暮れた時代とは違うのですね。小泉・竹中政策の歪みが金融庁マニュアルに残っています。ここで土地担保融資などの政策転換が必要なのですが…なかなか本質を突いた政策を発動しません。
武富士が新規融資を絞り返済猶予を願い出ているのは理由があります。本業は利益をあげています。しかしジャンプが受けられないから暴挙に出たのです。満期が来る社債の返還をする為に現金を望む場合は65%、ジャンプしてくれるなら35%の現金と65%の社債の組み合わせとの選択になっていますが、既に64.3%、450億円のほど応募があったと言います。内訳は197億円が現金のみ、243.5億円が組み合わせの選択になっています。と言うことは、約70億円の特別利益が出ますね。通常の金融情勢なら返せるのでしょうが、今の銀行は基本的に乗り換えに応じていません。その為に、どうしても資産を売却して借金を返済しなければなりません。お金が詰まっているのです。
武富士を例に出して説明していますが、他の企業全般がそうなのです。マンションを立てて販売したいが、融資がおりないから事業展開が図れない現実があります。新興企業は公認会計士の査定が厳しく、無理やり減損処理を迫られ財務が悪化し、借金の返済の為に更に資産を売却する。例えばINDEXやUSENなどはこのパターンですね。このような事例は腐るほどあります。全てが金融庁の検査マニュアルの為に、融資が事実上ストップしているものと思われます。これは推測ですが市場を見ると、そのように感じています。本日、ある都市銀行の支店長の話では…新しい法律の返済猶予の相談が、かなりの件数が来ているとの話しです。
ここで同規模のGDPである、中国の銀行の貸し出しグラフも載せましょう。御覧のように中国は拡大政策を実行しています。日本は…バブルの反省が続き清貧思想を堅持しています。日債銀の最高裁の判決が示すように、過剰貸付の罪を問われているのですね。何故、こんな国になったのでしょうね。昔は違いました。日銀が窓口指導と称して、貸し出しを煽っていたのです。今は金融庁が厳格な不良債権マニュアルを堅持している為に貸し出しが減り、負の連鎖であるデフレ政策が実行されているのです。経済対策の7兆や8兆など…どうでも良いのですね。民間の活力が出るような政策が必要なのです。
しかし的外れな政策ですが、目先は株が上がるとおもいます。
残念ながら現状の政策が維持なら一時的な上昇でしょうが、株式は上がる方向性にあります。内需が欠けるので、どうしても外需に目を向けた銘柄が主軸になるようです。百貨店はかわいそうですね。政治家は現状を見なくてはなりません。しかし今日は6連騰した割りに強い相場でした。その一例が三菱UFJ銀行の株価でしょう。当面は他の株価を見ずに三菱UFJの増資の行方を見ていれば強さが分かります。本日は2日間連続で500円台を維持しています。
投稿者 kataru : 2009年12月08日 17:34