今日の市況(2009年)(2009年12月18日)
今日、お客様に電話をしたら、二人のお客様から「これから外人投資家がクリスマス休暇に入るから、外人買いは期待できない」と言われました。何しろ、同じコメントを指摘するものだから情報ソースを聞いたら…東京12チャンネルのテレビ解説だと言います。誰が言ったか知りませんが、一般的に正しいような解説ですが…調べてみました。古い資料が手許にないのですが…下記の通りでした。ね、テレビの解説者などいい加減でしょう。
基本的に日経新聞も含め、メディアが正しい認識を示しているとは言えませんね。銀行の自己資本比率規制も、日本では日経が何度も必要以上に取り上げるから大問題のように感じます。しかし外国ではどうなのでしょう? 来年後半に新BIS規制の詳細が決まり、現時点では、かなりの先送りの公算が大きいという話しです。おそらく三菱UFJも国際基準が決まってから、増資を発表するつもりだったのでしょう。ところが日経新聞のような書き方で世論を誘導するから、仕方なしに追い込まれたというのが実体ではないかと推測します。
この商売も既に30年もしていると、実にいい加減な報道で株価が上下することをいやと言うほど味わいます。その度に、人間の資質が悪くなっているようです。昔はもっと純情だったのですが、最近は、他人の話しも疑り深くなりました。松井秀喜はヤンキースからオファーがなく、エンゼルスと今までの半分の年棒650万ドルで1年契約を結んだと言います。来年36歳ですからね。アメリカはシビアです。MVPを獲得したのに…日本の常識では考えられません。
増資のやり方も米国と日本は随分違いますね。バンカメやウェルファーゴにシティーは、増資発表と共に公募価格を決めて募集します。日本の場合は増資観測がありダラダラと株価が下がり続け、更に1ヶ月程度前に発表して値決めまでに2週間程度かけますね。当然、外人投資家は空売りを仕掛けます。少し考えたほうが良いですね。金融庁は一度、株価操作で摘発していますが、証明は難しく同様のケースが後を絶たないようです。仕組みを変えれば良いだけの話です。幹事証券も安易な募集はリスクがあると思ったほうが良いのです。おかしいですよ。増資をするなら、直ぐに公募価格を決めて幹事証券が責任を持って払い込みを保証すれば、安易な募集に走らないでしょう。仮に公募を決めて株価が下がれば、自分たちが手数料以上に損失を受けますから安易な増資活動をしなくなりますね。
一見、二つの事象は違う次元の話ですが、市場経済が染み付いているアメリカと、にせもの市場経済の日本との違いを新たにします。日本はフェアではなく平気でルールを変えますからね。あくまでも競争は同じルールでないと成り立たないのに…。JALは救うけれど他の企業は倒産させる。山一證券は潰されましたが大企業は退職金も出るし優遇されていますね。それにひきかえ小さな会社は給料が未払いのまま倒産します。何人か山一の社員の人と付き合いがありますが、やはり大企業は恵まれています。今、中小企業は社長自信の給料を不払いにして、社員に給料をどうにか払っているのが実体でしょう。大企業でも国の補助金を使って雇用を維持しているところがたくさんありますね。実体経済は暗いのです。
二番底懸念が言われて久しいですが、しかしここに来て中国需要か活発化しており、この懸念は薄れ始めています。中国向け工作機械の受注推移は8月、9月、10月と設備投資が増えています。10月はようやく前年度比で13%のアップとプラスに転じています。やはり車の需要が、経済に大きな効果をもたらしているのでしょう。
相場の流れは幾つかあります。内需振興や世界経済の回復など…。昨年の11月25日に金融危機の底入れ宣言をしましたが、狙いが悪かったですね。政策批判が続くように日本の出遅れが明らかなのに…、こうあるべき論で金融銘柄を中心に捉えたのが失敗でした。外需ならソコソコの成果だったのです。増資先送りで1年遅れのスタートになるのかどうか…来週の相場で真価が問われるのでしょう。最近の相場は上昇相場のリズムが甦っています。今日だって…全体は安いけれど、新興株は確りしていました。
投稿者 kataru : 2009年12月18日 18:32