今日の市況(2009年)(2009年12月22日)
米国ではナスダック市場が新高値を更新していると言います。
日本の日経新聞は盛んに2番底懸念を煽っていますが可能性は低いのでしょう。2番底の背景は政策当局のカンフル剤が切れて景気が失速するとの可能性ですね。例えば中国では家電下郷や汽車下郷と言う補助金政策により民需に火がつきましたが、この補助金が外されたら販売高が途端に落ち込むという見方ですね。既にドイツなどで自動車の補助金は申請期間が切れましたが大きな落ち込みにはなってないようです。米国も同様でしょう。仮に日経新聞社の観測が正しいなら、株式が新高値を取るわけがありません。既に中国のM1の伸び率が11月も34.6%となりインフレが心配され不動産融資などを規制しています。中国は既に民需に完全に移行しているのでしょう。10月からの統計数字をみると設備投資に回り始めています。
昨日の米国でも長短金利差が拡大しており、確実に景気が回復していることを表しているようです。下のグラフはブルームバーグのものです。米国債の2年と10年国債のスプレッドの変化を示しています。スティープ化していますね。世界中がこのような状況なのに海外経済に影響を受けやすい日本で、二番底がありえるのでしょうか?
今日の日刊工業新聞にも面白い記事が載っています。
日本郵船は2011年3月期に現在120隻あるコンテナ船隊を85隻に減らし、更に2016年3月には60隻に減らす予定だと言います。一方、コンテナ船大手の川崎汽船は10年3月期にコンテナ船の減損会計に備え500億円を構造改革費用として見込むのだそうです。面白いのは商船三井の芦田社長の談話です。「直近では運賃は上昇しており、コスト削減と合わせ来期はブレークイーブンが見えてきた。各社ともだいたい同じではないか」と話していますね。海運市況をこの1年間、眺めてきました。非常に上下が激しく経営者の見かたが業績を大きく左右させるようです。半導体より激しいかもしれませんね。
面白いですね。経営者の判断が日立や東芝の増資に繋がり、同じ重電でも三菱電機のように増資もせずに、逆に自社株買いをして効率的な重点投資を実施して成果を上げています。この三菱電機は産業部門でのパワー半導体の世界トップメーカーですね。二位を大きく引き離しています。このパワー半導体は環境問題の要になる技術です。省力化に欠かせない部品ですね。このように同じ業界でも対応が二つに分かれています。日本郵船は公募をして商船三井は社債を選択しています。
大型増資が続きましたが、来年の春から夏になれば、二番底懸念は消えてなくなります。一番大きな懸念は、雇用統計の改善が遅くなり消費が伸びないことです。しかし流石、市場経済の米国は、危ないと思う統計が出ると対策を打ちますね。市場経済とはこういうものなのです。人間と言うのは予想される事態を回避しようとします。財政規律を問い、未曾有の清貧思想を続ける人種は日本人ぐらいでしょう。日本の建設業界は姉歯問題で叩かれ、金融ショックで叩かれ、更に金融庁マニュアルで叩かれています。家を買いたい人がいるのに、融資が降りないのが現実ですね。地方で家を建てられる人は公務員ぐらいのものです。だから二番底になっています。
先日、生活保護を受けている人がデフレで喜んでいると書きましたが、一所懸命に頑張っている人は、みんな泣いています。何故、無理して税金を分納している人が挫折感を感じるのでしょう。金融拡大政策を採用すれば、簡単に景気は上昇します。さて、バロメーターの三菱UFJ銀行は空前規模の大商いを演じていますね。どうして目先の10円、20円を取りたがるのでしょうね。夢は大きく2倍、3倍になるまで買い続ける投資家が少なくなりました。
投稿者 kataru : 2009年12月22日 17:09