未来かたるが語る

今日の市況(2009年)

今日の市況(2009年)(2009年12月28日)

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海外市況はクリスマスですが日本は新高値まで、あと一歩の所まで来ました。ザラ場中に抜いたとの声が室内にあったので、てっきり新値更新と思いきや…。引け値の10639円を上回っただけでした。ザラ場中の高値は8月31日の10767円です。本日の高値が10652円ですから、まだ少しありますね。残念ながら出来高は少なく、先物からの裁定買いと思われます。日本株の出遅れ修正を探る動きなのでしょう。誰が考えても日本株は異常な安さです。日立のケースが日経新聞に載っていましたが、TOBをかけた相手先の財産で借金を払いオーナーになれる株価なのですね。

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いつも述べていますが異常な安値水準ですが、何故か日本株を買う人は少ないのです。配当利回りでも合うし、どうしてこんな市場になったのか…。既得権力者は反省をしないとなりませんね。偉そうに述べている僕も反省の日々を送っています。日本経済の復活は銀行からと述べていましたが、肝心の政策が金融不況を煽る政策なので、努力しても無駄と諦めていました。しかし12月1日に日銀が臨時の政策会議を開き、ムードが変化してきました。しかし、まだ政権への信認観が湧きません。テレビを見れば暗くなり新聞を読めば失望感を抱きます。

市場価格を押し上げるのは、政策の信認と未来への「希望」と言う兆しです。今日は経済産業省から11月の鉱工業生産指数が発表されています。リーマン・ショックは9月15日ですから、その前の8月の数字は103.5でしたが、今年の2月が底値で69.5まで生産が落ち込み、その後9ヶ月連続の回復で先月は88.3まで回復しています。ピークは2007年10月から2008年の2月の辺りです。力強い上げには程遠い株式市場ですが、曲がりなりにも新値圏なのは、お隣の中国を始めとするアジア地域の成長の恩恵をわが国は受けているからです。

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鉱工業生産指数も中身を吟味すると、いろんな事が分かります。例えば乗用車はこんなイメージです。11月はこの輸送機械工業や一般機械工業などの生産が活発で前月比2.6%の上昇です。一方、情報通信機会や化学工業などの在庫は上昇しており0.2%の上昇ですから、この分野ではようやく需要に生産が追いつき始めたのでしょう。二番底懸念が付きまとったので在庫投資は低調です。

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今年の4月から6月は半導体などの動きがすごかったのですが、現在は高止まりしています。先日の新聞では新しい設備投資が始まり最新鋭の液浸露光装置は一台50億円ぐらいするらしいのですが、品物が手に入らないのだそうです。このトップメーカーはオランダのASMLです。昔はニコンやキャノンがトップメーカーだったのですが…。今ではオランダのASMLが60%ほどのシェアを確保していると言われています。経済産業省のホームページに詳しい資料が載っていますから、鉱工業生産指数を株式投資の参考にされると面白いでしょう。

まぁ、株式投資は理屈ではありませんが株が上がる背景がある訳で、アナリストは様々な統計数字をみながらレポートのアイディアを練るわけです。そうして参考銘柄を掲げてレーティングを引き上げます。つまり情報ソースは素人でも、見方さえ理解すれば手に入るのですね。ビスタニュースのレポートでは、最近、盛んに、この自動車産業から設備投資まで広げようとしています。ただ株価とのスピード感を、何処に置くかで苦労するわけですね。

かたるの失敗を経て、かなり統計数字に詳しくなってきました。こうあるべき論から政策に期待しない現実路線を歩まないと喰えないから。最近は政策にあまり期待感を抱かなくなりました。僕がいくら日本の将来を心配してもどうにもならないし…。暢気な民主党さんの目標は2020年の名目GDP目標が650兆円で3%成長だそうです。実質が2%になっていると言うことは、デフレーターを解消するということですが…、内外価格差をどう解消するのでしょう。なんでも30日に経済成長戦略を発表すると言います。

太陽電池などと言う部分的な環境問題なども必要ですが、基本は金融機能の強化です。マニュアルで縛られている金融行政を、如何に方向転換させるか? なのですね。
「金融拡大なくして、経済成長はなし」
この現実の矛盾を解消することが、一番正しい政策でしょう。ここが変われば銀行株は暴騰するのだけれど…。結果はもう直ぐ判明します。市場が付けた採点を厳粛に受け止めるべきでしょう。政策が良ければ株は上がるし、悪政なら株は下がります。

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投稿者 kataru : 2009年12月28日 17:38