今日の市況(2009年)(2009年12月30日)
米国ではFRBが資金吸収のための出口戦略を模索していると言います。市場原理を貫く経済体制の国は、早くも出口戦略を展開していますが、金融危機の影響を大きく受けなかった日本は、何故か、ここに来て金融拡大を模索しています。日銀は12月1日から量的緩和政策に再び乗り出しているようです。日経新聞によると当座預金残高を30日に4兆2千億円増加させて20兆2900億円にすると言います。基本的に円資金が足りないから円高に向ったのでしょう。必要な分を供給してあげれば円安傾向になり企業は雇用を維持できるのではないのかな? そんな単純な話しではないでしょうが、そのように感じます。(グラフの今月の数字は22日の当座預金残高を採用しました。15兆7716億円です。やはり日経新聞は信頼感が今一なので、日銀の正式発表分を用いました。)
何故、デフレだと騒ぐのでしょうか?
早い話が日銀は潤沢な資金を提供すればそれで済む話でしょう。資産デフレなら土地担保や株担保まで拡大して融資すれば良いのです。それでも動かなければ、最後は日銀が株や土地を買えば良いのですね。簡単な話しです。昭和30年~50年代まで高度成長を続けていた時は、土地は下がらないという土地神話が生まれていました。銀行は株や土地担保融資をしていたのです。バブル崩壊で過度の反省が生んだ弊害が、今の経済状態ですね。ここで昨日、書いたJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOの発言を思い出してください。
「政府と民間のバランスが大切だ。危機で政府の力が増した。日本から見れば、これまでの米国の規制緩和が間違っていたと映るかもしれない。しかし官僚的に規制すれば民間の活力がそがれる。正しい規制は必要だが、雇用を生み、設備投資や研究開発に資金を投じるのは政府でなく民間だ。誤った教訓を導き出すべきではない」と述べていましたね。
ここです…「官僚的に規制をすれば民間の活力がそがれる。」
今の日本は個人情報保護法案、金融取引法など様々な規制が強化されました。この為に自由な活動が鈍っているのが実情です。株価をみればわかります。黒字で配当をしている企業の株価がPBR1倍割れなのが現状です。こんな馬鹿げた水準を正当化させるためには異常なデフレしかありません。規制が民間の活力を奪っているのです。だから規制緩和をすれば良いのですね。景気を浮上させるのは、馬鹿でも簡単に答えが見つかります。ジャンジャンとお金を流せば良いのですね。
日銀が量的緩和姿勢を維持すれば株価は上がるのでしょう。これが僕の仮説です。だから年明けの日本株式市場は高いですね。何を買っても儲かるでしょう。外人投資家はこれを見越し少ない資金で儲かる先物を買っているのでしょう。しかし同時に新政権に対し信頼感が、今ひとつなのでしょう。今度は日経新聞の一面ですね。家計の貯蓄頼み限界論ですね。昨日の今日の市況に書きました。1000兆円の恐怖ですね。だって自民党は当初88兆円だったのでしょう。減らしたとは言え95兆から92兆だから…誰が考えても民主党の主張はおかしいと考えます。
当初、民主党は自民党が組んだ予算は無駄が多いと言っていたのですが…自民の無駄どころか、自民が貯めた埋蔵金を予算に組み込みました。アララ…。虎の子の予算まで使って後がありません。だから信頼感が今ひとつです。
さて本日、鳩山政権は成長戦略を掲げると言います。お手並み拝見です。かたる君は失敗を経て最近はマクロ政策ばかり解説しています。きっと読者は面白くないのでしょう。でもここに辿りつきました。最初、僕も証券会社の経済レポートは面白くありませんでした。でも最近は問題の論点が理解できるようになってきましたね。数字だけ追っていけば、株なんか簡単だな。と思うことが良くあります。果たしてそうなるかな?
株価が上がると「奇妙な自信と見えない希望」が交錯し、不思議な感覚の日々を過ごしています。上がりますよ、自動車関連は…。吉利汽車はボルボを買収したのですね。中国の主流の自動車価格は75万円ほどかな? 来年は100万円前後になるのでしょう。価格が上がるので製品が良くなりますね。当然、部品もいい物が売れるようになります。日本企業のチャンス到来ですね。業績を見るとみんな赤字から黒字転換する分岐点に位置しています。株価がもっとも劇的な変化を迎えるタイミングにあります。今日は裁定取引に振り回される一日で弱い市場でしたが、日銀の量的緩和姿勢が継続される限り株は高いでしょう。来年はこれまでの損を取り返しましょうね。ようやく出番登場かな?
投稿者 kataru : 2009年12月30日 17:39