今日の市況(2010年)(2010年10月04日)
トヨタの株価は日本経済の実態を表現しているのでしょうか?
2003年に2455円を底に、2007年は8350円まで回復しますが、金融危機の影響を受け2585円まで下げて4235円まで回復し、しかし再び3000円を割れています。今日は多くの自動車株は高かったのですが、トヨタだけは安かったですね。同じ自動車の中でも効率化の違いからか? …二極化現象が進んでいます。あるいは製造業NO1の幻想が、信用買い残に繋がり整理が遅れているのかもしれません。
2006年からの様々な悪法成立により、日本は規制強化時代に入り四苦八苦している様子が窺えるのが国内金融でしょう。リーマンなどの金融ショックはバブル崩壊で体力がなくなった銀行を直撃します。デフレが加速し総資産が大きな銀行経営を直撃しますね。軒並み100兆円を越える総資産を誇るわが国の金融界は堪ったものではありません。みずほは154兆円、三菱UFJは204兆円の総資産を持っています。1%のデフレと考えても大変な減損処理を迫られます。株価の減損処理はいい例でしょう。故に自己資本比率規制で安易な増資を実行した銀行は人気がなくなります。
一方、日経新聞が騒いだ二番底懸念は消えつつあり、世界を相手にする企業の株価は堅調です。設備投資の要のNC装置をつくるファナックは、ほぼ今年の高値圏に近付いています。株価は正直なものです。
国内雇用を維持しようと躍起になっていた製造業(経団連)ですが、民主党は製造業への派遣の禁止で動いており、法人税問題などもあり第2の空洞化へ進んでいます。この事例が日産のマーチでしょう。九州の雇用はタイへ動き、タイバーツは元気になっています。ここの注目は、日産とトヨタの株価比較です。同じ国内製造でも今日は、マツダの株価は高くトヨタは安かったのです。こじつけでしょうが、ドルとユーロの違いかな?と勝手に判断していました。円安・ユーロ高になっており115円台に入っていました。
深刻なのは国内経済で…一部の元気な産業はありますが、概ね新興市場は壊滅的な打撃を受けているようです。国民の可処分所得が減り限られたパイの奪い合いだからでしょう。加えて中小企業を支えてきた振興銀行や武富士などの最後の砦の金融システムを叩いています。自見金融大臣は「おおきな影響はない」と述べていますが、実態を全く把握していませんね。要するに官僚ロボット内閣では国内景気のコントロールは出来ないのでしょう。雇用、雇用、雇用を連発し選挙戦に勝った菅内閣ですが、実態は派遣法の改正です。失われる雇用に(払う側)、増大する年金受給者(貰う側)の矛盾はまもなく爆発するでしょう。
ただ幸いにまだ、先人の遺産があり円高です。この円高を活用して体制を整えるやり方は沢山ありますが、果たして…実体を見過ごしている官僚ロボット政権にその覚悟があるかどうか…。後は覚悟の問題なのですね。国内金融が滞っているから新興企業は苦戦しています。故に金融と新興株は安いのでしょう。折角、いいものを持っている企業はたくさんあるのにお金が回りません。お金は唸るほどあるのですが…流れないのですね。この流れをせき止めている規制を撤廃しないとどうにもなりません。
まぁ、あまり深く考えても…どうにかなる問題ではありませんから、何れ時間が解決します。まもなく官僚ロボット内閣は追い込まれます。今の日本株は異常な水準です。でも多くの人は問題に気付き改善に努めていますが、その成果がなかなか株価に反映しませんが、一部は既に現れているようです。個人投資家は信用期日に泣いているでしょうが、既に90%は解決済みでしょう。まもなく短い夏が来ます。そう落胆する必要もないのでしょう。
投稿者 kataru : 2010年10月04日 20:04