今日の市況(2010年)(2010年10月05日)
日本銀行は実質的なゼロ金利政策を採用し、更に5兆円の資産買い入れ枠を設けたことは歓迎できるのでしょう。しかしインフレ・ターゲット論を採用せず、資産買い入れの中身は国債やCP、社債などが中心で、ETFやリートの買い入れ枠は5000億円程度なので少し物足りません。まぁ、かたる君が、以前、述べていたメザニンローンの新設まで、勿論やるわけではありませんが、ETFやリートの資産買い入れは、同様の効果を発揮します。かたる君は最低10兆円と述べていましたが、現実は1/20の5000億円です。まぁ、新型オペと別枠なので、効果がないといえば嘘になります。しかし残念ながら不退転の決意は感じられません。金利は既に充分に下がっているから、いくら国債を買い入れても効果は薄いですね。しかも償還間際の1-2年物です。でも予想よりはサプライズです。
これで株価が浮上するか微妙ですね。
既に増資ラッシュの金額は数兆円なので、その額も埋めていませんからね。東京電力が5000億円だから…効果は限られたものですが、まぁ、頑張っているほうなのでしょう。しかし世界景気の二番底回避は確定的ですしテクニカル的に株価は上昇トレンドなので、その動きを助ける効果はありそうに感じます。むしろG7で追加の為替介入への理解が得られるか? この辺りの動きの方に、むしろ興味があります。温家宝首相と菅首相は廊下で急遽の会談と言うより、世間話程度の交流のようですが、新聞によれば、原点である「戦略的互恵関係」の構築が出来た…となっている点が、むしろ大きな材料でしょうか?
日銀の前向きな対応、懸念のあった対中関係修復の動きは、株高への背景として重要な役割を担うことでしょう。この姿勢が問題ですからね。二つの材料は明らかに株安への動きではなく、株高を援護するものです。4月の期日通過と相まって、株高の動きは確定的ですが、問題はその勢いと高さですね。年末に掛け、昨年のような増資ラッシュにならなければ株は、ある程度は上がるのでしょう。今度は政府の財政出動ですが…、予定されている金額は予算の関係で少ないから、金融規制の監督方法を見直したほうが効果は大きいですね。厳格な貸し出し基準を緩和して、逆に貸し出し態度をチェックするような拡大方向への規制緩和が望ましいですね。実施すれば株高になりますが…まぁ、無理かな?
このところ株式の売買代金が膨らんでいるのを理解しているでしょうか?
1兆円を割れている水準だったのですが、最近は1兆3千億円程度に膨らんでいます。まだ水準はかなり低いのですが…マズマズの範疇かな? まもなく第2四半期の決算発表を睨んだ展開になるのでしょう。やはりエコカー減税の影響もあり、自動車関連が最右翼なのでしょう。事実、今日もKYBなどが新高値を付けていました。
人間は不思議なもので…手がすくと何かを買いたくなるものです。多くの人は株高が見えないから信用期日が来ても売り切りになります。つまり上の売り物がなくなりますから、需給バランスが改善され、少ない資金でも株高が演出されるようになりますね。残念ながら、金融セクターは底入れとは言いがたいですが株価はかなり割安です。かなり投資マインドが改善されますから、ここは強気で対処です。ここでの狙いは、まもなく発表される第2四半期の増額予想銘柄の物色でしょう。
投稿者 kataru : 2010年10月05日 19:34