今日の市況(2010年)(2010年10月08日)
最近感じるのですが、市場はネガティブな環境が続いています。
確かに今までの政策はひどいもので呆れるばかりでしたが、今回の日銀の「包括的な金融緩和政策」は、今までの殻を破るもので画期的な現象と述べて良いと思います。…にも拘らず、市場の反応が鈍いのは、様々な理由があるのでしょう。
これまで狼少年と同じで…基金を設立しても直ぐに買い入れるかどうか分からない。と言う窺った見方をする人が居るかもしれません。金融政策は決断したら、即日実施をするのが建前です。投入金額が少ないとの見方があるかも知れませんが日銀ですから…無尽蔵の用意があります。だから信用乗数効果が生まれるのでしょう。方向性が大切なのです。
あの時、三重野さんが「株や土地の価格が下がっても実体経済に影響はない」と引き締め金融政策を実行しましたが、まさかここまで清貧思想が蔓延するとは考えませんでしたね。1991年の転換が後々響きます。同じ事で、今回の白川さんの行動は光るものでしょう。日銀がインフラ政策に方向転換するのです。CPIの目標値とはそう言う意味ですね。
しかし個人投資家の動向を見ると、完全にネガティブな株式への評価です。理由は最近、私が批判しているメディアの評価です。二番底懸念で若干の落ち込みはありますが、実態を表していませんね。…にも拘らず、必要以上に日経新聞社は、景気後退を煽りました。故に、いすゞのように機会損失を生んでいます。この間違ったメディア教育の横行により、日本人はいつも貧乏くじを引かされています。例えばこの1年の個人投資家の売買動向を観察すると…3月は売り続け、株式が下がり始める4月から高値圏の株式を購入しています。
その後も下げ過程を一貫して買っていましたが、8月に入ると下値にも拘らず、一転して株を安値で売り始めています。この時期、株は下値持ち合いに転じており8月の末から株式は上がり始めていますが…個人は依然、売り傾向です。この行動は新聞やテレビの間違った報道により、扇動され個人投資家が行動を起こしているのでしょう。もう一つのグラフを見ると、個人投資家は一貫して株を売却しています。しかし外人投資家は継続的に株を買っていますね。一時的に金融ショック時に売っていますが、全体の評価からすれば高水準をキープしています。
本日の、小糸工業への賠償問題は親会社の小糸工業へ波及し、大幅安しています。注目して欲しいのはTICK回数が7千回を越えています。1分間に約26回の売り買いがあった事になります。個人投資家が主体で株式の下げを演出したのでしょう。空売りによる参加でしょう。一方、買いで大きく上がる銘柄は、最近はないですね。個人投資家は目先の流れに傾きやすいのですね。加えて機関投資家の参加が少なく場の実弾による流動性が不足しています。おそらく…立て続けに発行される公募増資に資金が寝て市場に消化能力が薄れているのでしょう。故に値動きが激しくなります。
通常、株価が動く時は切っ掛けを作る目先筋に、多くの大衆が自分もそう考える…と、相場に参加しますね。この大衆の参加が薄れているのでしょう。まぁ、これだけ市場を疲弊させる政策の実行を続けた咎めが現れているのでしょうが…。参加者が少ないと市場は廃れます。株は博打とは違います。世の中の読みなのですね。世論の動向を読むゲームなのです。そのゲームで正しい行動をすれば、企業が成長すると株主として利益も得られ、世の中に貢献を出来ます。だって必要な技術提供を後押しする事になりますね。株価が高くなるということはその会社が社会から必要とされていると言う事でしょう。必要とされてないから株価が下がります。
株価が下がると思った以上に最近は下がりますね。目先の値動きだけでその会社の魅力を知らないからです。多くの人は会社の中身も調べずに株を売り買いするのでしょう。好業績を上げ続けるDENAの株価が低迷しています。確かに国内市場のゲームの伸びは鈍化しています。しかしこれから世界に羽ばたきますね。既にその準備も終えて、まもなくレールを走る準備段階です。通常、PER20倍台の評価は当然だと考えますが…なかなか新しい分野なので外人投資家の評価も低いのかも知れません。ドンキーコング時代の任天堂を思い出します。
投稿者 kataru : 2010年10月08日 18:52