今日の市況(2010年)(2010年10月14日)
市場では壮大な実験が始まったと言う見方が多く存在します。
その理由はFRBがジンバブエ政策を採ると言うことですね。まぁ、大げさな表現ですが…ドルの輪転機を回し、米国債を中心に住宅担保証券などを買い入れるというものですね。その為にドルは全ての通貨に対し全面安になっています。日銀は「包括的金融緩和政策」で物価目標を0~2%の間に設定し1%を想定していると言いました。しかし円高ですので当然、消費者物価は下がります。この目標に対する日銀の姿勢度合いが分かりません。絶対に目標数字を死守するなら株や不動産は上がりますね。
この度、日銀は21年ぶりに政策転換をしました。
日銀券の価値を下げることは苦痛の選択です。しかし長らくの起こり得ないインフレを警戒しながらの金融政策は失敗し、失われた時代を創設しました。その為に今回、1989年に就任した三重野元日銀総裁の金融政策を転換し、たった5000億円の枠ですが、リスク商品のリートや上場ETFを買い入れると表明しました。日本の場合は潜在成長率を下回る物価目標値ですが、米国は経済を動かす為に、潜在成長率以上の物価目標を立て、それに沿って金融政策を実行すると言います。
この米国のインフレターゲット論は日本に有効だと考えられます。何しろ日本は現金を持っていても寝て動かないのです。上場企業のおよそ半数は無借金企業、しかもGDPに対し7%も預金があると言います。日銀がデフレ政策を採用している為にお金にしておくのが一番有利なのですね。だから現金を持っています。もし米国と同様に日本もインフレターゲット目標を4~5%と潜在成長率以上にすれば、現金を置いておけば損をしますから借金をして投資を加速させます。だから米国の株式は過剰流動性相場に突入したと言う見方で連日歴史的な上昇を示していますね。NY市場の9月の上昇は71年ぶりの記録なのです。
今日は円高が進みました。しかいこれまでと違い株は高かったですね。このところ商社株が高く、大型資本銘柄が上昇し始めたように感じます。日本も21年ぶりの政策転換なのです。本日は株が高いのでリートとETFを調べてみましたが…大きな兆候は見られませんね。もともとリートの時価総額も小さく、上場ETFも大きくありません。しかし両者とも無尽蔵に増やそうと思えば拡大できます。リートの会社は公募増資をして、その資金でジャンジャンとビルを買えば良いのです。ETFも同じですね。今日は先物から高いように感じました。しかし同時に金融相場銘柄が戻り高値を更新していました。
何度も言いますが、多くの投資家は見切り売りしていますが、日銀の金融政策を馬鹿にしてはいけません。21年ぶりの転換です。その意気込み度合いが分からず…、所詮、知れているという読みもあるでしょうが…日本だけでなく米国がインフレ政策を採用していますから、世界中にお金がばら撒かれ景気が刺激されますね。中国も車の販売を見るように未曾有の領域に入っています。まだ数字は取り上げるほど大きくありませんが、ようやくインドもまともな数字を出すようになっています。その成長力がすごいのですね。30%以上の数字は驚異的なのです。工場がすぐに2倍、4倍と必要になるのです。
1985年から始まった過剰流動性相場が再現される可能性が出てきました。あのときの光景を、思わず今日は連想しました。円高、株高…。
投稿者 kataru : 2010年10月14日 17:28