今日の市況(2010年)(2010年10月15日)
本日の相場は日経報道により、あえなく挫折しました。
多くの市場関係者が話していたのは、株式の持ち合い制度の解消売りの話でした。2兆円規模の持ち合い解消の売りは、大きいと言う心理的な圧迫があったようです。折角、昨日は日銀の買いが観測されるほど、過剰流動性相場の話しをしたばかりなのに…。簡単に株価は下がりました。なかなかムードが変化しませんね。日経新聞の清貧思想はどうにかならないのでしょうか? まぁ、この報道ぐらいで株価が下がると言うことは、買いの勢力が弱いと言うことなのでしょう。
銀行の自己資本問題のバーゼル規制は、世界の潮流としてはかなり厚い資本を求められます。しかし邦銀の自己資本比率は低いのです。欧・米にスイスは引き上げに賛成で、ドイツやフランス、日本は反対の立場です。しかし金融界の仕組みを作っているのは米国ですからね。計算すれば分かりますが、みずほは利益率が高く、邦銀では最高のROEで13.4%です。三井住友は7.3%で、三菱UFJは4.4%です。既にみずほは、株式を2倍に拡大すると言う段階まで株式は売られているのでしょう。
例えば株式の需給動向に敏感に反応する市場ですが、肥後銀行のケースは奇妙な例ですね。増額修正しており1株利益は増えるのに…売り出し報道で、株は大きく下がりました。しかも既存株主が株式を売るわけで、発行株式総数が新たに増えるわけではなさそうです。…にも拘らず、株価が下がると言うことは、同じ価値の品物が安く買えるわけで、論理的には買い手が増えるのが普通でしょう。売主は損保ジャパン、海上、みずほ信託にみずほ銀行です。
どうも市場は増資に脅えていますね。
昨年辺りから大型企業が必要もない増資をするように感じます。理由はそれぞれありますが…取り立てて新規株式発行で、調達すべき話しではないように感じます。日立に東芝、今年の国際石油開発帝石には、呆れました。東電も同じようなイメージですね。株式市場は成長企業が資金調達すべき場でしょう。それを…本来は自社株買いを実施すべき大企業が、成長のない紙屑を発行し既存株主をないがしろにしています。残念な結果ですね。
このまま清貧思想が続くと、株価は下げ続け、含み損を抱える年金ファンドはその損失を埋めなくてはなりません。土地の価格が下がれば資産除去損失を計上しなくてはなりません。毎年、苦労してフローの利益を稼いでいるのに…一方では金融の仕組みで損失を計上しています。インフレやデフレの舵取りは日銀が握っています。この21年間で、初めての政策転換ですが、市場は疑心暗鬼なのか…日銀さんを馬鹿にしている市場です。まぁ、為替も意味のない介入を実施し、無駄骨だったですね。相場の流れを変えるのには、先ず、不退転の決意がないとなりません。今の日銀の姿勢は、嫌々に緩和政策を迫られ、仕方なしに実行したと市場が考えるのは、無理はありません。
株価が高いに日に買いを入れる必要はありませんが、安い時は積極的に買うべきでしょう。世界は期待インフレ率を高める政策に反応して、株高現象が起きています。今日は上海総合株価指数が強かったですね。中国共産党第17期中央委員会第5回全体会議が開かれています。この期待感があるのでしょう。米国や中国は政策の匂いだけで反応しますが、多くの積極派を殺した日本は、市場に先導役が居ませんからね。常に独り舞台を覚悟して買い進むしかありません。現在は目先筋しか動いておらず、ザラ場高値のケースが非常に多いですね。必ず引け際には、やれやれの売りが続くようです。
今日は下げていますが、僕は日銀の姿勢転換は大きな材料だと考えています。民主党では日銀法の改正を含めて、討論が活発のようです。今日は、この関連で松屋と言う株が上がっていましたね。この株は隠れた不動産株で、銀座の一等地に大きな土地を保有しています。本業は左前ですが…あの土地は魅力的です。要するに準備をしておく必要がありますね。事前に動きを捉えてないと、なかなか本当に動き出した時に行動に踏み切れません。
今年初めから自動車に的を絞り、セットメーカーではマツダに取組みました。しか残念ながら円高の影響や二番底の間違った観測により、株価は沈みました。しかし実体は悪くないので注目し続けていたら、つい先日、転換波動を表れ本欄でも指摘しています。仮に260円で買っても190円で2倍の株式を買えば、現在の株価で、トントンで逃げられますね。でも私のお客様でも買いを入れたのは、ほんの数人しか居ませんでした。折角の波動転換のチャンスなのに…。
重慶の長安マツダの工場を、南京の一汽マツダに移管したのですね。その成果か…全体の9月の数字は32.7%増の21500台で、1-9月期は35.1%増の165400台ですが内訳を見ると面白いですね。デミオを手掛ける長安マツダは2割増の5万9000台ですが、高級車(200万)アテンザは4割増の10万6500台と好調なのだそうです。(日経産業)狙い通りなのですが…為替が思い通りに動きませんでした。
このように実体は好調でも、為替でマイナスだから株価は沈んだのでしょう。株価が上がる為には様々な要素が追い風にならないと駄目ですね。環境が整わないと、なかなか相場が育ちません。特に夢を買うような相場は、実際の利益がないので、今のように相場環境が弱いとなかなか株価は上がりませんね。全体相場がある程度確りしないと相場にならないのです。こんな相場で利益を上げるには、誰もが安心できる国際優良株が条件なのでしょう。本当は日銀の政策転換を基軸に銘柄を選択すべきでしょうが、肝心の日銀の姿勢が不明確です。日銀の行動が、市場から信頼感を得られるようになるまで、日銀は努力しなくてはならないのでしょう。10月5日が歴史的な転換点となっているかどうか? もう直ぐ判明しますね。
投稿者 kataru : 2010年10月15日 18:43