今日の市況(2010年)(2010年10月20日)
中国のわずか0.25%の金利引き上げで、世界中に警戒感が走りました。過剰な反応でしょうが、それにしても中国の存在は大きくなったものです。この利上げの意味は人民元の相場の上昇を抑える意味があるのでしょう。人民元の切り上げは中国のインフレを抑えます。CPIは経済成長率に比較して落ち着いたものですが、突然とも思われる引き上げは株価の動向も影響しているのでしょうか? ここに来て急激に上海総合株価指数は上がり3000ポイントを回復していました。それとも中国共産党第17期中央委員会第5回全体会議の演出でしょうか?
習近平氏のお父さんは副首相を務めた習仲勲氏ですが、失脚し人民公社に下放され横穴生活を強いられたと朝日新聞が報道していました。中国は恐い国ですね。いきなり貧民生活を強いられるのです。日本はいい国ですね。いつも日本の政策を批判していますが習さんの経歴をみれば、よく這い上がったものです。まぁ普通、金利を引き上げるほどなので中国経済は完全に立ち上がったと判断して良いですね。日経新聞社の清貧思想のおかげで日本人はいつも間違った情報を示唆され、正しい判断が下せませんね。まぁ、日経だけではありませんが様々な新聞を読んでいるとそう感じます。
あれほど二番底を力説していた人達は何処に影を潜めたのでしょう? 金利を引きあげるのです。つまり新興国は完全に立ち上がりインフレに苦しみだしたと言うことですね。分かるかな?この意味が…10月16日の日経3面に新興国はバブル?先進国はデフレ?との記事が踊っていましたね。日経新聞は直ぐに、中国は不動産バブルだとか…書きますがバブルとは他人資本でものを動かすことですね。中国ではローン自体の発展が遅く、日本のクレジットカードと同じで発展は遅く、基本的に借り入れるという概念は希薄ですね。マンションでも車でもキャッシュで買うと言います。
住宅ローンも頭金が3割も取られるのですから、日本のバブル時のように値上がり率を加味して無理に融資した状態と全く違います。それをバブルだ、バブルだと騒いで記事を書く日経新聞の記者はもう少し実態を把握すべきでしょう。今は円高だ、円高だと騒いでいます。円高が続くなら、いくらでも政策手段はありますね。もっとも恐いのはドル安のような自国通貨の暴落ですね。日経新聞を読んでいる日本の経営者はいつも間違った情報を元に経営戦略を練っているわけです。豊田章男社長が採用する国内生産は一見正しい選択のようですが、「合成の誤謬」を産んでいるのでしょう。オバマ氏が採用する金融規制も同じレベルです。日本の辿った間違いを犯しているのでしょう。
両者の考え方は個別的には正しいと思うのですが…全体の国家戦略としては間違っているのでしょう。例えばトヨタは儲からない(利幅が少ない)カローラを生産するために、下請けメーカーを叩いて国内生産に拘ります。その為に下請けメーカーは無理して人件費を削り、全体の可処分所得が減りますから消費は減りますね。且つ、トヨタは財務内容がいいから、多少の赤字は大丈夫ですが…小さい関連は大変です。非効率なカローラを生産するおかげで貿易黒字は膨らみ円高は進みます。つまり日本全体として考えれば馬鹿な経営をやっているのです。既に利幅の少ない車を日本で生産すべきではありません。エルピーダは儲からない汎用品のDRAMを生産するために疲弊しました。とうとう今ではかなりの分野を台湾などの国で生産しています。法人税も違いますし…法律も厳しいから日本では無理なのです。いい事例ですね。DRAMなどは3等国が生産する分野でしょう。高炉生産に拘る鉄鋼会社も、時代対応が遅れているから日本は間違った方向に向かいます。
だって道路も整備され橋も架かっているのに、基本的な社会資本は更新需要だけでしょう。それなのに「鉄は国家なり」だとか「半導体は産業の米」だとか時代遅れの陳腐化した主張を堂々と日経は記事にします。経営者は雇用を守る為に頑張ろうと努力をしますね。頑張るなら若者に道を譲ればいいのに…フジテレビのようにしゃしゃり出ます。2006年からの国家戦略は目茶目茶…故に失われた時代は続きます。21年間、株は下げました。1989年の単純平均株価は1900円、それが現在は220円です。ようやく日銀は気付きましたが、それでも起こりえないインフレを警戒しています。期待インフレ率がないから企業は現金を保有しますね。GDPの40%ですよ。異常ですね。
でも今日の朝日新聞によれば、単独インタビューで白川さんは、資産買い入れ基金の5兆円の効果を確認して増やすか検討すると述べていました。金融政策の効果を検証するには時間が掛かります。最低、半年。普通は1年と言われますから、今回はアナウンスメント効果だけですね。その効果は早くも出ていませんから追加の対策が必要です。バロメーターはCPIではなく株価ですよ。せめて500円程度の単純平均株価まで引き上げるべきでしょう。
でも…ね。やはりすごい事なのです。危険資産に日銀が投資をするなんて…逆説的にいうなら、日銀は自らデフレの元凶は自分たちで政策を失敗しました。と謝っているのです。故にかたる君は足りない認識不足の金融政策だけれど期待をして、先日、久しぶりに銀行・証券・不動産の3点セットに注目して株価買いました。その一つ不動産の大京は今日も賑わっていました。
投稿者 kataru : 2010年10月20日 19:07