今日の市況(2010年)(2010年10月21日)
市場は閑散としていますね。
規制強化の行き着くところは、こんな管理相場になるのでしょう。市場原理が失われ、やがて論理的な価格での取引が出来なくなります。人が居なくなった市場は、清貧思想の反映でしょう。中国では「日本の活力は何処へ?衰退」と書かれる始末です。その中国は活力を抑えるために、金利を引き上げ正常な運営がされている様子です。1-9月期のGDPは26兆8660億元もあるそうで前年同期比で10.6%増と拡大する経済です。第三四半期の伸びは、預金準備率の引き上げや住宅ローン規制の効果か…9.6%と予想通りの着地になっています。
本日は為替相場に動きがありました。
81円前後から急速に値戻しが始まり一時は82円台を窺う動きで…円売り介入の噂が市場で出ましたが、背景にはガイドナー氏がWSJのインタビュー記事があったようです。『ドルは既にユーロや円に対して下落している以上に、下がる必要はないとみていることを示唆する発言だ。同長官は、米国が意図的なドル安政策を取っているわけではないと述べた。今週カリフォルニア州パロアルトで行った講演では、「切り下げを繁栄や競争力に」つなげられる国はないとの考えを示している。』と報道されています。
この記事の出出しは『ガイトナー米財務長官は、今週末に韓国で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、世界経済の不均衡を是正し、米消費への依存度を低減するための取り組みを進める方針だと語った。また、為替政策に関する「規範」の確立に向けて動くほか、米国が繁栄のためにドル安を狙っているわけではないと他国を納得させる方針だ。』と始まっています。
そうなのですね。
円高は良いことだと僕も思いますが、政策が間違っている為に、僕らは困窮しています。これだけの円高なら、輸入で恩恵を受ける紙・パルプも、製粉会社も食品メーカーも株価は上昇するはずですが…マスメディアから始まる清貧思想がネックになっています。証券会社は外債の販売やアジア株の販売に明け暮れ、日本株を投売りしていますね。ブルドックの問題がなければ、株価が安くなればM&Aが起こり、構造改革が進み繁栄しているのですが…。あの判決を下した今井 功 裁判官は、今日の姿を予想したのでしょうか? 平成19年8月7日です。あれから3年が経過しましたね。まぁ、株価の低迷の原因はこの判決だけでないですが…仕方がない。僕には、どうしようもないからね。
ブルームバーグで朝日新聞の白川さんの単独インタビューが報道されており、更なる基金増額を指摘していたと報道されましたが、同時にお客さまの話では、FRBのばら撒き政策を批判しているとか…。お客さまの話なので意味が違うかもしれませんが、米国のジンバブエ化は僕だけが言っている意見と違うようですね。WSJには、ビンス・ラインハート氏がワシントンにあるシンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)の常勤研究員へのインタビューで「量的緩和には批判的な意見もある。金融界のクリプトナイト(スーパーマンの力を奪う架空の鉱物)で、米国をジンバブエのような財政破綻(はたん)へと向わせる第一歩と考えている人も多いようだが…」との質問に…
『幾つかの懸念があることは確かだ。中でも量的緩和が国債の貨幣化に使われ、膨大な財政赤字も貨幣の増刷で補てんされるのでは、という懸念は大きい。過去にはそうやって道を踏み外してきた新興国がたくさんあった。ハイパーインフレーションは中央銀行が自制心を失い、金融政策が政治家の手に渡ったときに起こるものだ。一度輪転機を回してしまうと、それを止めるのは難しい。その結果として生じたインフレを抑えつけるのにもかなりの痛みが伴うことになる。
いかなる量的緩和でも経済見通しとリンクさせなければならない理由はここにある。FRBは、経済見通しが示すインフレ率が政策目標を下回っている限り、証券を購入し続けると表明するべきだ。そうすれば、経済見通しが示すインフレ率が政策目標を上回った場合、すべての購入を停止するだけでなく債券を実際に売却するということまで言外に述べたことになる。』と応えています。
面白いですね。このJonathan R. Laing と言う記者は…。クリプトナイトと言うスーパーマンが生まれた星の爆発した石の話を盛り込んでいます。バーナンキも万能でないと言っているようですね。既に21年ぶりの金融政策の変更が行われましたが、あまりに遅かった為に実際の効果がなかなか出ませんね。「流動性の罠」と同じ状態です。この意味は、皆さんには難しいかな? 僕は小さく遅れた対策が、やがて大きな犠牲を払うと考えています。つまり今はデフレ状態ですが、日銀はインフレを警戒するあまり、どんどんインフレに追い込まれますね。まるでサラ金地獄のように…最後は破綻に追い込まれます。この場合は米国の心配ではなく、日本がジンバブエ政策まで追い込まれる可能性があります。
もともと過剰な量的緩和は、自前資金である円には有効ですが、ドルは他人資本で運営されているから、世界的に強烈なインフレを押し付ける可能性があります。オバマ大統領の輸出企業振興策は、諸刃の剣で、危ない綱渡りです。だって考えてみれば分かります。ドルを更にばら撒けば、やがて買い手は居なくなりますね。所詮、裏付けのない紙屑ですから…。さらに米国民は借金を返さずに、最後は軍事力を背景に、棒引きを迫るかもしれませんから恐いですよ。まぁ、かたる君も、だんだん清貧思想論者に転換かな?トホホ…。僕はいくらネガティブの話しを書けますが、あえてポジティブな見方しか報じていません。
でも昨今の相場は…この雁字搦めの金融規制はどうにか、ならないのでしょうか? これじゃ…セールスも出来ませんね。今日は弱めの内容ですが…肝心なことを金ないとなりません。過剰流動性は土地や株を上げます。21年間、貯まりにたまった蓄積が一気に出るのが狂乱インフレです。まだコントロールできますからいくらでも方法はあります。個別株の話しは余りありません。そうだな。ソニーのように割安の国際優良株には買いが入るようですね。
投稿者 kataru : 2010年10月21日 17:07