今日の市況(2010年)(2010年10月26日)
米国で5年ものインフレ連動債が人気になり、初のマイナス金利になるとか…この背景には「 償還期限が7―30年の米国債相場は同入札後も上値を伸ばした。FRBによる追加の債券購入プログラムが総額2兆ドル規模になる可能性がある、とのゴールドマン・サックス・グループの見方が押し上げ要因となった。これまでには市場参加者の多くは、FRBの追加プログラムが1兆ドルに達する可能性が高いとみていた。」との報道などがあるのでしょう。しかし、そんなに買うのでしょうか? まぁ、過剰なドル安は進むわけです。つまり実際に来月になると、為替相場の転機を迎えるターニングポイントなのでしょう。その時に過剰流動性相場期待が、はがれる可能性もあります。でも劣勢が伝わっている中間選挙の最中に株を下げるわけに行かないでしょう。
考えてみれば、起こりえない現象を、さも起こるかのように錯覚させ、株式を下げさせたのが今回の二番底騒動です。都合よく中国の自動車販売の在庫増が伝わったりしていましたからね。ドイツのGDPが発表されており4-6月期の実質GDPは前期比で2.2%増だと言います。この数字は実に20年ぶりの高成長だそうです。この背景には世界景気の回復から輸出が堅調な実体が分かりますね。つまり日経新聞が盛んに不安を煽り、弱気の見通ししか、報道しなかったことは誤りだったのですね。このような報道のために、日本人の景況感はどんどん悪くなり、消費も投資も控えるようになります。当然、株価が出遅れている原因も、間違ったメディア観測記事が一因です。その為に経営判断を誤ったいすゞは折角の販売機会を失いましたね。
微妙な問題ですが、メディアは公平な目で報道しなくてはなりません。株と同じで売り手と買い手が居るように意見が対立するものなのです。ところが日本人はロボット教育が浸透しており、メディアの報道を疑うことを知りません。前の外務員さんが話していました。日経新聞がトヨタの下請け叩きを報道する連載記事を、上・中・下と3日連載する所、一日目の連載で、営業から圧力がかかり報道を取り止めたことがあったそうです。さらに恣意的なリーク記事を書いたりするのが、当たり前のメディアの体質です。当然、報道の真偽より、視聴率、購買力に力が注がれ、時々行き過ぎた例がありますね。
要するに、聞いたり、見たりする側の姿勢の問題ですね。
特にインターネットなどは誰が発信しているかも分からず、真偽は不明です。IRNETは一応、調べて真実を報道しているつもりですが、新聞や雑誌などを参考にしていますから、当然間違っているかもしれません。まぁ、株価の見通しを間違えることは良くありますね。でも、そう言うものだと思って接していれば、あまり腹も立たないでしょう。
回復が遅れている米国の中古住宅販売の9月は453万戸の販売でした。これで大きく落ち込んだ7月の384万戸を底に回復傾向が続いています。在庫は減りましたが404万戸で、住宅単価は3ヶ月連続で17万17百ドルとなって、下げています。でも16万34百ドルが下値ですからね。報道によれば地価の回復は2011年の後半から2012年だそうで、先に伸びているとか…。11月に予想されている、更なる金融政策や景気対策が効いて来るかどうか…ここが焦点ですね。今の相場は政策が効くことを前提に買っています。2番底はないから株は上がってきました。当初、言われていたデカップリング現象ですね。新興国の成長が、先進国の落ち込みを埋めるというものです。故に本日は自動車部品のクラッチを作っているエクセディが新高値を形成しています。
話は変わりますが…
一昨日発表されたKDDIの自社株買いは、理に適っている行動なのです。実はROEでKDDIは先日、調べたら12.0%もあり、225銘柄では増資懸念があるみずほ(13.4%)に次いで、二番目だったのです。国際帝石は大型増資をしましたが、間違った行動ですね。ROEが7.3%もあるのですから、増資などをしないで借り入れや社債などで資金調達すべきなのです。増資した資金で国債を買っているという行動は、株主を裏切る背任行為ですね。はっきり言って犯罪ですね。
今日は東洋電機と日立が株式持合いを敢行していました。余程、経営に自身がないのでしょう。自分より優れている経営者が出てくれば、席を譲るのが公開企業の経営者の姿でしょう。私物化に拘るなら上場などしなければ良いのです。MBOで借金して自社株を買えば良いのですね。その度胸もないくせに偉そうに…日本電産からTOBを掛けられて拒否するなんて…。こんな人間ばかりだから日本は失われた時代を経験するのでしょう。
法人税の引き下げ問題で、予算の振り替え対象にナフサ業界への補助金削減の話しが出ています。競争に勝てない非効率な産業を、日本に残す意味があるのでしょうか? 非効率な補助金により問題を先延ばしにするより、淘汰するのが当たり前でしょう。住友化学は経団連の会長ですね。三井油化などが反対なのでしょうが…もし補助金を支給し延命を認めるなら、丁度、田んぼを作れと増産活動を支援した農林水産省が、今度は減反を迫る混迷した千鳥足政策に似ていますね。考えてみれば派遣法の問題もそうですね。フラフラする政策姿勢では、かえって業界は混迷し最後はいずれ廃れて行きます。「光の道」構想を掲げた孫氏は、片山総務大臣に計画を説明したそうですが…官僚とNTTの反対に遭うのでしょう。しかし、あのアイディアは確かにソフトバンクに有利だけれど、日本には必要なインフラ整備の体制ですね。どんな判断を片山さんは下すのでしょう。
今の相場の焦点は、決算の行方とFOMCに絡んだ動きかな? 更に興味深いのはイギリスの財政健全化実験です。さて、新聞紙上に決算数字が並んできましたね。多くの株はやはり実際の業績数字により動いています。グローバル銘柄の焦点が集まり今日は午後から欧州の買いと思われる玉が、切っ掛けを作り動いたソニーですが、最後は日計り組みに株価が持ちませんね。ここのポイントはやはり自動車でしょう。中国では1800万台は確実で、まもなく3000万台と言われています。やがてインドも立ち上がり…薔薇色の世界経済回復なのに、日本株だけには、先見の明はないのかな?
投稿者 kataru : 2010年10月26日 18:21