今日の市況(2010年)(2010年10月28日)
他国の話はどうでも良いのですが…
米国は市場原理で動き、危険な綱渡りを演じていますが、市場の反応から推測する限り、やがて過剰流動性が二番底を回避させ、雇用から不動産の傷を回復させるシナリオに向っているようです。一番恐いシナリオが…書いていいのかな?…とも思いますが、かたる君の当たらない弱気予想だからね。「基軸通貨の崩壊」説ですね。だから80円を割り込み、どんどん円高になることなんかないのです。最後は絶対に協調介入しますから…。世間は円高で困った…と言っていますが間違いですね。いくらでも円高になっても大丈夫なのです。
…ですがトヨタ社長のような対応では不十分で、せめて日産の対応は必要なのですね。国内生産台数300万台の死守なんて…ばかな目標で自分を縛る必要はありません。簡単な話し、新日鐵からの薄板購入をインドでも米国でも何処でもいいですが逆輸入するくらいの発想があれば良いのです。それを長年の慣習とか…世界基準と違う、村意識を持ち出すから失われた時代が続きます。若者も日本に雇用の場がないなら海外で活躍すれば良いのです。だから80円割れを目指して円高になればヘッジなしの外債投資が有望なのです。しかし本当に日本が円高を利用するなら、米国穀物会社のカーギルとか、イギリスの石油会社のBPなんかを買収すれば良いのですね。でもそれでは戦争になります。だから目立たないような中国のやり方が相応しいですね。結構、日本企業の大株主に中国は登場しています。
僕が米国は大丈夫だと言っている理由は、アナウンスメント効果が出ているからです。他国より深刻なのは効果がでない日本ですね。実弾を入れないと誰も信じませんね。それを…ノー天気な反応です。先日の5兆円の新デフレ対策の基金構想の詳細が発表され、僅か5000億円ですが、内訳は上場ETF4500億円で、リートで500億円です。しかも来年末を目処に買い付けるそうです。つまり毎月400億円程度の資金配分と言うことです。市場の反応を見れば分かるように、日銀の政策は市場の信頼を失っていますが、米国の政策担当者は市場と会話が成り立っていますね。
1兆ドルのFRBによる新たな買い入れ期待が生まれ、株価は上がり、最近は2兆ドル説まで飛び出しましたが、昨日の市況に書いたように、その額が数千億ドルに修正されました。市場の反応は一時150ドル程度下げましたが、これだけ株価が上がっている高値圏で悪材料が出ても僅かに43ドルの下げでした。市場はこう考えるわけです。仮に今回は数千億円でも、インフラターゲット論者のバーナンキは、効果がなければ更に1兆ドルでも5兆ドルでも資金を入れるだろうと…。だから僅かな調整幅で会話が成り立っています。ただこのジンバブエ政策で、一番の恐怖が過度のドル安です。財政赤字で他人資本の米国は信頼を失ったら奈落の底です。非常に危険なラインまで追い込まれていますね。だから為替には注意を払い、最後は協調介入になります。軍事力がなせる業ですね。ガイドナーが為替をけん制したのも、そのような背景があるのでしょう。
不満でも…力でまける他国は強者の米国に従うしかありません。
最後は理屈でなく軍事力です。まぁ、今のところ、ここまで考える人はいませんが…。最後は決まっています。日本の最後も決まっています。要するに長期構想の中で、目先の反応の知恵比べが株式投資です。だから円高のうちに量的緩和の切り札を使えば良いのですが、折角のスペードのエースも、最後は豚のカードに変わります。日銀さんは分かっていると思いますが…色々事情があるのでしょう。
展望レポートを読むと2012年度にならないと、まともな経済状態に回復しないと述べています。だからのんびりと資産デフレ対策の買い入れは2011年末なのでしょう。当然、このような政策なので本来、トヨタは海外生産を加速させねばなりませんが…江戸末期の混迷期のように見えますが、やはり「物づくりの国」を維持したいのでしょう。まるで鎖国制度、尊皇攘夷はやがて開国論になりますが、TPPの話しなどはどう処理するのでしょう。英断を下せないロボット内閣だから、先送りの可能性がかなり高いですね。かくして市場の閑散は続きます。でも21年ぶりの政策転換にはちがいありません。
幸い世界中は過剰流動性相場が続きどんどん出遅れ日本株の割安感が光るようになります。よって政策失敗が続くボロ株でも、やはり日本株は魅力ですね。世界の投機資金を吸収できる市場は日本だけでしょう。中国は大きくなってきましたが、恐くて…恐くて…いきなり輸出を止めたり、デモをしたりする国です。財産没収など当たり前に仕掛けるのでしょう。だから世界の流動性に引き上げられる可能性も高いのですね。東電の1853円はヒヤリとします。高業績が続くグローバル企業の株価は外人に支えられますね。
投稿者 kataru : 2010年10月28日 16:50