今日の市況(2010年)(2010年11月01日)
壮大なる実験がもう直ぐ開始されます。
QE2(量的金融緩和政策パート2)のことですが、既に為替はドル安に移行しています。実は米国でもS&P500社の企業では、総資産に対する現金比率は10%を超えると言われています。米国でも期待インフレ率が低下し、キャッシュを保持する企業が増えているということです。先日、日本のソニー株が買われる場面がありました。その背景はアップルが買収するという噂が飛んだのだそうです。マイクロソフトもそうですが好調な企業業績で溜まる現金を何処に振り向けるのか?
でも市場の関心はFOMCや中間選挙後の株価の動きですが、かなり上昇したので、当然、一服するとの読みが一般的です。米国のみならず中国株も堅調な動きで、個別株では連日10%の値上がりを示す企業が続出しているとか…。世界は金余りで過剰流動性相場を演出しています。しかし日本株は、本日も年初来安値を記録する銘柄が続出して、暗い影を落としています。代表的な三菱UFJ、野村證券の金融株を始め、製造業のトヨタなどが今年の安値を更新していました。
不思議です。業績はそれほど悪化する訳ではないのですが…株の買い手が乏しいのでしょう。一般的に公募増資懸念や持ち合い解消の需給面に加え、業績の回復も鈍いと思われているようです。補正予算も人質に取られ、国会は空転し国民生活不在の様相です。加えて日銀の政策転換もポーズとの評価が多く、かたる君のように素直に反応しませんね。
本来なら金融セクターの株価が、新安値を更新するわけがないのですが…。馬鹿にされたものです。日銀は無尽蔵に紙幣を増刷できますが…完全に市場から舐められている形です。
米国のQE2で、世界の物価が上がり始めています。
意図的な為替政策を実行している中国では、CPIの上昇が話題になっており4%台の観測もあるようです。故に、まもなく連続で金利を引き上げるだろうとの読みが背景にあるようです。しかしそんな引き締め観測も何処吹く風で中国株は力強い上昇を示しています。
一方、慎重な業績予想は続き、市場は過剰に反応しているようです。
先日のガイシに続き今日はノーリツや山武、日立化成などが大幅に売られています。何れも通期の見通しを堅めに見積っている点が毛嫌いされたようです。一方、CDKのような大幅な増額修正銘柄もありますが、人気は売りに傾いていますね。今の市場感覚は7割以上でネガティブな捉え方をしているようです。不思議ですね。失敗体験が続き自身を失い僅かな売り物が売りを呼ぶ展開のようですね。機関投資家も債券は買いますが、株式は減らされるような環境にあるために政策支援が必要ですが優遇税制が廃止される冷たい態度に、市場は反乱を起こし始めている様子に見えますね。残念な結果です。
日刊工業新聞の一面に東芝やルネサンスエレなどが組み込みソフトの共有化の話が報道されていました。実はARM社も世界連合を組んで共通化をやっています。組み込みソフトに、何故、かたるが関心を抱いているかといえば、この分野は世界でも有数な高成長業種なのです。DRAMなどの汎用品は既に後進国のものです。だからエルピーダが頑張っても、所詮、競争に勝てませんが、高い付加価値が要求される組み込みソフトは儲かりますね。半導体の価格が100倍程度になるのです。その為の開発費は膨大です。
この弱い市況の中でも、今日は3Dのザインは上がっています。
これも組み込みソフトの分野ですね。今日はかたる君が、ご執心の007がメインの取引先企業が大幅な減額修正をする環境下で、60%もの増額修正を発表していました。何故なら新開発の組み込みソフトが大幅に伸びているからです。この007は、組み込みソフトを主体にした会社で高成長が期待され、この環境下でも高いPERで評価されています。日本が勝てる分野に資金を集中させ、世界競争を勝ち抜くべきでしょう。ベトナムでの原子力の誘致は官民あげての作戦ですが、僅かな支援が、やがてアップルのような大企業を育てる事に繋がります。
株屋としては、やはり新興企業を応援したいですね。
大企業は自らの努力で頑張るべきでしょう。ナフサのような世界競争力のない所に税金を投入しても無駄ですね。米を見ればわかります。無駄なお金を使うより世界競争に勝てる産業を応援して産業構造を変化させるべきでしょう。いつまでも「鉄は国家なり」などと寝ぼけた戯言を言っているから失われた時代が続くのです。
皆が売り仕掛けをする風潮を、何とか変えねばなりません。
日銀さん、貴方の出番です。所詮、目先筋は懐が浅いのですから、一度、12000円程度まで買えばムードは変わりますね。
なぜなら、世界は過剰流動性が続き、生産活動は盛んになります。円高の環境下で、マツダはデミオの生産をタイから国内に移管するなんて…信じられませんね。それくらい売れており、タイでは生産が間に合わないのです。TOBを掛けられれば、投資家の考えも変わるのでしょう。既にPER5倍前後の割安企業も出ています。計算上は5年で資金が回収できますね。ブルドックの判決の意味を今井判事は分かっているのでしょうか?
上に人がない仕組みは、改革が必要ですね。現場に裁量権を与えれば、社会の仕組みはたいぶ変化します。マニュアルに頼ったり規制を強化するより、現場の人間を信じて裁量権を与える仕組みにしないとなりませんね。おかみが決めるのではなく、現場の国民がルールを決めるのです。
投稿者 kataru : 2010年11月01日 19:04