今日の市況(2010年)(2010年11月02日)
最近の相場をみて感じることは…非常に市況は弱いのですが、間違った解釈で株価が大きく動くということです。一例を掲げるとDENAですね。先日、増資と言うことが理由で希薄化懸念が生じ株価が2000円を割れました。…が、この増資はM&Aに絡みで相手の会社を買収する為に、現金とDENA株を割り当てたわけです。
問題は買収相手の価値ですが…PSRで100倍の評価をして買うので、かなり高い評価で相手の企業を評価していますね。この金融危機の最中なのに、ITバブル時と同じ価値で買収企業を評価しているわけです。一般的に考えればPER10倍のDENAが、PERではなくPSRで評価した会社を買うのですから、余程の技術力がなければ…、または成長性がなければ説明が付きません。それでもDENAは時間を優先したのかもしれません。この辺は南場さんに聞いてみないと分かりませんね。相手先の企業評価もしなくてなりません。
でも赤字を埋める増資と違い、将来の成長を買う増資で、一般的な時期なら株価が高くなるのが普通なのです。何しろ、携帯電話のソフト産業は黎明期で、DENAが世界NO1になるかどうかの際どいタイミングの時期なのですね。この買収が成功し英語圏のソフトビジネスで一定の成果を収めれば、日本と言う市場の何倍も獲得できるから、普通ならPER10倍ではなく50倍以上に買うのが普通の市場です。DENAが売上げ100億円以下なら、当然、PSRの評価に変わりますね。PERではなくPSRの成長性の評価を用います。(成長が確実なら小さい会社は高評価なのです。)
いいですか…
中国大手銀行の建設銀行は616億元の大型増資を実施しますが、株価は連日高値を付けているのです。日本とは、180度違う評価ですね。世界ではPBRの評価が、ひとつの世界基準なのです。邦銀のBPSは三菱UFJが601円で、三井住友は3431円、みずほは189円が、1株純資産です。自己資本が充実するので、会社の価値が上がるという判断なのです。中国では希薄化などと…後ろ向きの評価をしませんね。
何とか、負の考え方の連鎖を止めたいものです。
日経新聞の末村さんは、時代を逆行させ配当利回りの世界だと言うレポートを書いていましたが、あきらかに清貧思想の考え方です。たしかに成長性を失った経済は利回りが一つの基準になるのでしょう。それなら株主割り当ての額面増資に移行すべきですね。ヤマハの公募から日本は時価評価が基準になっています。新聞社は投資家目線、株主目線の尺度へ世論を誘導するのが、マスメディアの仕事でしょう。それを…いい加減な観測記事ばかり並べ、どうしてポジティブな発想で記事を書かないのでしょう。悲しい現実です。仕事の出来ない奴が、みんな上に行きましたね。現場の声がなかなか世間に反映されません。
金融界では、今度は格付け会社が狙われていると言います。要するに自由な雰囲気がどんどんなくなっています。失政が続かなければ文句は言いませんが…デフレをCPIばかりにスポットを充てて報道し、資産デフレの恐さを解説しないで論点を曲げて日本を誘導した日経新聞は、極端な話しを言えば、失われた時代の主犯者ですね。多くの日本人は間違った情報で誘導され躍らされています。戦争に突入した戦前の朝日新聞のように…反省すべきでしょうね。偏った意見の反対には、必ず、相対する別の意見がたくさんあります。
丁度、実験が始まった米国経済と英国経済のようなものでしょう。
米国は期待インフレ率を煽る為にQE2を実施します。一方、英国は不況からの大切な立ち上がり期に、財政規律を重んじ、緊縮財政を実行し投資を削ります。金融政策と財政政策の違いはありますから、全く反対ではありませんが、非常に面白い実験ですね。この結果は2年後ぐらいに判明するのでしょう。まぁ、前倒しする日銀政策会議の次の一手に、期待する次第です。
投稿者 kataru : 2010年11月02日 17:21