今日の市況(2010年)(2010年11月08日)
QE2(Quantitative Easing)量的緩和第2弾の話題が世界で持て囃されています。
日経新聞はGDPとワールドマネーの比較グラフを持ち出したり…いろんな観測が市場を賑わしています。しかしこれだけは言えますね。政策評価は結果論が全てです。要するに、どんな詭弁を有しても、結果が悪ければ批判されて当然なのです。
日経の書き方は既にバブル状態と思わせる表現を用いていますが…米国株の出来高はどうですか? 少ないですね。バブルと言う表現は相応しくありません。起きてもいない現象の先行きを悲観するより足元を見つめるべきでしょう。このような記事の影響もあり、日銀総裁は金融緩和=インフレと言う空想を描いて政策を実行しています。先ずはデフレ克服で…それも資産デフレを止めることですね。正反対の動きを心配するような詭弁はもう、うんざりです。
このQE2は政策効果がなく、このままでは3弾、4弾に追い込まれるという評価もありますが、現実の市場は政策効果に応え、NY市場の株価は上がり続けています。更にWSJによれば、ジャンク債への投資が増えてきたというニュースが載っています。投資適格はトリプルBが最低ラインです。それ以下の格付けの債券も買われているということです。15%前後の社債を発行する企業も、QE2のおかげで資金繰りが楽になり、更に資産効果で消費が伸びて、景気が回復するシナリオを市場は描いているわけです。
中間選挙の布石から惨敗した民主党は、早くも再来年の大統領選に向けて景気建て直しに躍起になるのでしょうか? 毎回、大統領選挙の前の株式市場は高いのが、アノマリー(習性)なのだそうです。まだ金融危機から立ち直れない市場経済なのに…、今からバブルなどの言葉が踊るのは、如何にも心配性の日本らしい考え方です。他国の話より自国の政策です。その日銀は本日1500億円の国債買い入れをしたのかな? 水を飲まない馬に、無理やり水を飲ませようとするのが「流動性の罠」ですね。それにひきかえ米国は必死ですね。日本と同じ轍を踏まない為に努力をしています。
ただ金融政策の舵取りが難しいのは、遅効性が大きいからです。
最低6ヶ月、普通は1年と言われていますね。つまり今回FRBが果敢にQE2を実施しても効果が確認できるのは、来年の夏以降なのでしょう。10月5日に日銀は政策転換を実行しましたが、政策規模や政策担当者の覚悟が、全然違うレベルです。市場が全ての評価を決めるという市場主義の考え方が正しいのかどうか…。国民が満足できる社会なら、どんな体制でも構いません。「東電」に続き「りそな」の大型公募が決定し一抹の不安が影を落としています。でも今日の市場は木曜日、金曜日と先物が主導の展開でしたが、同じ上げでも脇役銘柄への広がりが感じられました。確実にQE2や日銀の金融緩和政策が効きはじめています。
コマツやファナック、サンリオなどの売り込み御三家が新高値更新です。
この時期に、安易な空売り実行する人は良く考えて欲しいのです。政策を馬鹿にする行動は、やはり厳しいんじゃないかな? 4月から下げ続けている市場ですからね。1999年のIT相場を思い出してください。あのソニーが年末に掛けて5割も急騰するのです。たしかに金融セクターの株価の動きは鈍く、日本は別格と言う見方もあるでしょうが…慎重に行動したほうが良いでしょう。
さて日経新聞にはLTE(Long Term Evolution)の話が載っています。
銘柄的にはフィデリティーが買っているアンリツを連想しますが…この技術革新は世界でも日本が進んでいる分野です。いち早い普及で技術などの蓄積により世界をリードできる分野です。同時に携帯コンテンツの時代がやってきますね。かたる君は、ずっと以前からこの時期を待ち続けていました。ようやく実用化の段階を迎えますね。勿論、DENAのことを言っているのですよ。幅広い時代の読み、そうして株屋としての専門知識が銘柄の着想を与えます。所謂、創造力です。でも…、いくらこの読み筋が素晴らしくても市場に流動性がなくては効果を発揮できません。
一番、大切なのは、なんと言っても先ずは流動性ですね。
市場には活気が必要なのです。人が集まるから色んな情報が集まり、やがて力強い輪が波及するのです。景気とは人間の心の問題ですね。日経の記者は社会的使命感を考えて欲しいものです。メディアも質が落ちました。やはり食えないということは…質が劣化しますね。残念ながら市場も同じです。証券マンのレベルは落ち、どんどん劣化しています。至るところで技術力が落ちています。技術の伝承は必要ですから、やはり清貧思想は行き過ぎているのでしょう。
投稿者 kataru : 2010年11月08日 18:35