今日の市況(2010年)(2010年11月19日)
米労働省が発表した今月13日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週水準から2000軒増加し43万9000件となったそうです。前週は43万7000件と速報値の43万5000 件から小幅上方修正されたそうで、相変わらず雇用統計に変化は見られません。昨日、アイルランドはユーロ圏加盟国から「数百億」ユーロに及ぶ融資を受けいれることになる公算が大きいと、アイルランド中央銀行総裁が明らかにしたことを受け、問題は峠を越したとの見方がありました。更にゼネラル・モーターズ(GM)がニューヨーク証券取引所などに株式を再上場し、取引開始時の初値はGMの売り出し価格を6%上回り、同社の新規株式公開(IPO)設定価格が高過ぎる可能性があるとの懸念は一掃された事が相場を押し上げたと言います。
GMの株価には今後も注意を怠れません。
いくら政府の出資金の回収が命題とは言え、一民間企業に税金の優遇策を設けるのはいただけない政策です。フェアではありません。よく米国民が納得するものです。僕には不思議ですね。でも僕の考え方はきっと異質なのでしょう。最近は世間の流れを理解出来なくなってきました。自分にはおかしいと思える判決が、最高裁で決まったり…、世の中のルールが歪んで見えるのですね。真面目に頑張るのが、アホらしいと思うようになっています。競争で敗れるのは仕方ありませんが、歪んだルールの下で競争を強いられるのはフェアではありません。
りそなの公募も双日も…経営者は期間利益で返すと言っていたのです。株屋は基本的に発表された資料で行動を起こしますが、その前提条件が崩れるので方向転換をしなくてはなりませんが、お客様に説明するのは大変ですね。僕はどちらかと言えば、一途な性格だから証券マンに向かないのかもしれません。ただ儲かれば何をしても良いという観念が納得できないのですね。損をしても自分のルールは曲げられない性格なのでしょう。困った性格です。
今の処方箋のキーワードは「資産デフレ対策」です。その対策を実行する日銀、QE2の米国と…役者は揃ってきましたね。もともと金融政策や財政政策の結果は、かなり時間的なズレが在りますから、いずれにしても来年にならないと成果は分かりません。だから米国でもQE2は効かずに、バーナンキはQE3、QE4…と追い込まれ、量的緩和政策は失敗するという意見も多くあります。一方、金融と財政の違いはありますが、英国は緊縮財政でケインズ経済学ではマイナス効果になりますね。でも日本は、この論法でガンガンと景気対策を打ち、財政出動をしましたが、結果は失敗で赤字だけが膨らみました。
でも僕はバーナンキ議長の政策のタイミングは的を得ており、民間の自浄能力があるうちに対策を躊躇なく実行に移していますから大丈夫だと考えています。日銀はまだリートやETFの買い入れを実行していませんね。10月5日に発表し既に11月19日です。政策に自信がないのか…、嫌々のポーズだけの現象なのか? 定かではありません。だから相場にアヤが生まれますね。しかし外人投資家は日本株を買い増しています。つまり日銀の政策は確実に実行され、仮に効かなかったら第2、第3の緩和策が用意されていると踏んで、きっと株式を買い入れているのでしょう。上がると信じたら…間髪入れずに、株価も問わず、必要な株式数を用意するのが投資なのでしょう。人間ですから多少安く買いたいと…願い、下値に指値を入れるのでしょうが…。やはり自分が安いと思うなら、積極的に自分自身の仮説を信じて投資をすべきでしょう。
米国では差し押さえられた住宅物件の投資利回りは12%~15%なのだと、お客様が話してくれました。米国も量的緩和を実施しており10年もの長期金利は2.9%前後ですから充分に採算に合うのでしょう。充分に裁定を始められる利鞘です。つまり更に物件が下がる心配がないならお金が動くのでしょう。GMは株式公開を果たしましたが…他の企業による大型のM&Aはこれからなのでしょう。このようなお金の流れは必ず株価に現れます。日本のように流動性の罠に陥ると、どんなに良い銘柄を薦めても、お金に動きがありませんから、ドンドン疲弊していきます。やはり人々が行動を起こす気力があるうちに、政策転換をしなくてはなりません。
今日の相場は良かったのですが、残念ながら、先物からの指数売買が、売り買いの流れを主導しているように感じました。まだまだ一般投資家にやる気を起こさせるような銘柄が提供されていないのでしょう。「祭り」が始まりました。来年の銘柄と位置づけている銘柄が動き始めてきました。証券マンらしく素直に、高値を追ってもセールスが出来る銘柄ですね。
投稿者 kataru : 2010年11月19日 16:44