今日の市況(2011年)(2011年12月30日)
かたる:今年は「震災」と「欧州危機」に揺れる1年でした。
とくに震災は人生の価値観を変えるものでした。株屋人生を歩み…市場原理主義を信じて行動していますが、日本国の選択と市場原理の選択の違いに戸惑う人生を最近は強く感じていますね。この感情は昨年来のもので震災の発生により、一層、哲学的な考え方を深めることに繋がりました。
金融デリバティブの発展が、制度を超え画期的な発明か…と思いましたが、サブプライムからのCDSの反動は大きく、未だに整理がついていません。さらに金融規制は完了しておらず揺れる金融制度の象徴が、欧州危機なのでしょう。BIS規制は現実と理想の狭間で揺れているわけです。所詮は制度の話しなので…僕なんか楽観的に処理すれば良いと考えていますが、ドイツのように厳格に求める考えもあり、なかなか統一された基準に定まりませんね。
市場原理を支持する株屋として僕らは、アルカイダのジハードのような教育をされているのかもしれない…と考えることもあります。一般的にジハードは「聖戦」と呼ばれ、生贄教育をアルカイダはしているようですが、本来、コーランのジハードは「ある目標をめざした奮闘、努力」することを意味するのだそうです。僕らはメディアによりスティーブ・ジョブズのようなアメリカン・ドリーム教育をされているかもしれません。
嘗て日本は「JAPAN AS NO1」と称えられ、年功序列、終身雇用、株式持ち合い、土地神話のよる不動産融資などの会社型社会の仕組みは、戦後復興からの日本を世界トップ水準のGDPに押し上げ、世界から称賛されました。挫折した日本ですが、1989年バブルの崩壊は、2008年の金融危機と重なります。
FRBのグリーンスパンは日銀総裁の澄田さん、FRBのバーナンキは日銀総裁の三重野さんです。大きく違うのは処理の仕方が違います。バーナンキは大恐慌の失敗に学び、大量の資金供給を実施しています。それこそ歴史的な規模ですね。QE1からQE2、この壮大な実験が成功することを祈っています。そうでないと市場原理主義を支えに行動してきた人生が否定されますね。
先ごろECBも量的緩和を実施している様子が明らかになりました。変則的な癖玉なので、僕のような解釈は異端かもしれませんが、ベースマネーを増やしていることに変わりありません。マイナス金利が生まれるスピードは欧米が圧倒的に早かったですね。10年以上違うのでしょう。日本のマイナス金利は2003年1月の出来事でしたね。1989年から2003年と14年かかっています。2008年9月が金融危機だとすればバーナンキの積極策で3年に縮まっています。
この実験が成功することを願っています。日本のような失われた時代を演出しない為に僕は更にQE3を実施すべきだと思いますが…諸刃の剣かも知れませんね。
仮に米国がQE3を実施し、今度、原油を中心に物価が上がると、鎮静化させるのは大変ですね。世界人口は70億人と膨れ上がっていますし、大量に資金が供給されているから強烈な物価高が生まれる可能性がありますね。まぁ、先の話ですが…。兎に角、バーナンキの実験は成功を収めてほしいのです。
時代や:どんどん、このサイトの解説は難しくなっていないかな?僕らはいつも教育されているから、何となく付いて行けるが…
かたる:良いんだよ。調べる奴には、たくさんヒントがあるからね。IRNETはヒントでしかないよ。どう応用するかは読者の選択に委ねられているからね。こんなことは当たり前の事だからね。だから先日、コロンビア大学のシーナ・アイエンガー先生の講義にリンクしてあり、緑茶の砂糖入りの話を紹介したんだから…。毎日、IRNETを読んでくれる人を対象にしており、その人達は理解されていると思うよ。
昨日の疑問はWSJで解説されていたね。イタリアなどの銀行は良質な担保を有していない可能性があると…。ユーロ安もトロのポジション整理説が正しいかもしれないね。何しろ年末だからね。やはり1年の総決算だからポジションを整理するからね。まぁ、自分勝手だけれど、僕が自分の考えを整理するための日記的な存在でもあるからね。
トロ:しかし東電とオリンパスは、震災と欧州危機同様に象徴的な銘柄だったね。何れも空売り銘柄の象徴だったよ。
かたる:ふん。両社とも、かたるは買いから入ったんだね。選択としてはその様な形もあると思ったのに…実際の選択は違うものだね。
トロ:でも本当の市場原理なら、両社とも消えるんじゃないの? 東電は債務超過で倒産の道を…、オリンパスは上場廃止の道で…。
かたる:だから中途半端なの。日本の選択はあいまいだからね。基準が歪められる混乱が、失われた時代に拍車をかけているようにも考えているよ。地価だって路線価だとか…いろんな価格評価が存在するね。僕自身、考え方だ定まらず、戸惑う1年で…。欧州危機と同じで結論は先送りのようですが、単に株価の動きを解説するだけではなく、考え方の根底を理解してほしいと願って、毎日綴っているIRNETです。僕自身、まだ未熟者ですが、毎年、資質は向上しているようにも感じています。果たして…前回の半年で10倍と言う記録を超えることが出来るのでしょうか?そのような資産拡大をチャレンジできる市場環境が、来年はやって来るでしょうか? そう願って市場原理派の壮大な実験であるFRBの量的緩和政策が、成功することを願いながら、大納会の解説を終わりにします。
今年1年、ご愛読ありがとうございました。皆様、よいお年をお過ごしください。
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投稿者 kataru : 16:59