今日の市況(2011年)(2011年08月26日)
かたる:バーナンキ議長の講演が注目されているが、金投資で成功を収めている共和党のロン・ポール下院議員はFRB不要論を述べている。一方、同じく共和党のテキサス出身のリック・ペリー氏もFRBのばらまき政策には否定的な見解を示しているね。ドルの基軸通貨を維持するのか…それともドル安を継続させ、普通の国を目指すのか? 政策運営は意見が分かれる所。世界の財政赤字を解消するのはインフレを促進させればよい。QE2はドル安を呼び、資源価格を上げるジンバブエ政策だが…問題はGSE問題と僕は述べているが、米国の住宅問題に絡むゾンビ消費者の健全化には、あと2年程度はかかるのかもしれない。
金融規制の弊害を述べているが、政策当局は住宅絡みの金融商品の訴訟を起こし金融機関の体力を奪っている。今日は増資が予想されていたバンク・オブ・アメリカへバフェットは50億ドルを投じたと言う。先月発行のバンカメの社債は利回りが5.6%だそうだが、バフェットは5万株の優先株を取得し6%の配当金をもらい、尚且つ、7.14ドルで転換できる7億株の新株購入〈ワラントを〉権利を10年間、獲得したと言う。更に優先株の償還には5%のプレミアムが付くのだそうだ。じつに魅力的な商品だね。GSの時にも思ったけれど…まるでやらせの内容に見える。
トロ:でもそのような条件でないと、お金が集まらないと言う事だろう? それほど現状は悪いんじゃないの。
かたる:株価って不思議だね。下げてくるとまだ下がるような気になって投げるし、買いたいと思っている人たちも、やはり躊躇して株を買わない。結局、多くの投資家は自分の投資基準を持ってないのだろう。通常は金融危機から時間が経過しており、あのリーマン・ショック時より条件が良いはずだよね。AIGも正常化したし…。ただ金食い虫は住宅絡みの話だね。地価が上がれば、スムーズに処理が進むが、需給バランスで売りたい人が多く下がっている。折角、財政・金融政策で景気を刺激したが、過去のバブルの整理が終わってなく努力が足りないと言うことなのだろう。
ジャスミン革命は、僕のように英語ができない人間も、米国の話題を出して解説できるほど世界の出来事に精通できるようになった。それは情報が手に入るからだね。そうして経済統計が直接取り寄せられ、調べることが可能になった。日本の場合も各省庁が発表している資料を基に株式相場を考えられるようになった。情報がオープンになれば、後は、その情報の解釈の仕方が問題になる。
何度も述べているがお金は余っており、要するに情報がオープン化されているから、反応が早く先取るような市場の反応になっているのだろう。でも見えない部分の読みを市場関係者はよく間違う。一昨日の財務省が発表した1000億ドルの「緊急ファシリティ」を僕は歓迎したけれど…。多くの市場関係者は、なんだ…、大したことがないと言う反応だけけれど…僕のように高く評価する人間は、少数派だが居るね。何故、良いかと言えば、例えばDENAがNGモコを買収したが追加の資金調達が年末に必要だと分かれば、ドルの調達を考えずに低金利の円で融資が受けられ、M&Aが円滑に進むね。仮にこの円ドル水準を固定化させ、低利の円での融資条件なら、どんどんM&Aが促進させるかもしれない。そうなればドルを売る行為は、自国の資産を日本にプレゼントするようなものだろう。
一見、何にも効かないような政策手段だが、方向性は素晴らしい。海外投資を推奨しているわけで、日本のグローバル化の後押しをしている。昨年10月に日銀が初めて資産デフレ対策を実施した。あの時は多くの関係者は、大したことはないと述べ、事実、一時的に株価は下がったけれど、1か月ほどしてから上昇を始めた。方向性が正しい政策は大歓迎だね。
トロ:今回の緊急ファシリティは、そんなに効果があるの?
かたる:ドル安を続け、米国の資産がドンドン買収されていけば、米国も考えるね。三菱銀行はあの時と同じで、また投資をすればいいのだ。ただ総資産を膨らませると自己資本比率問題が生じるから、難しいと考えるかもしれないが…チャンスには違いない。
世界で成長路線を歩めるのは、不良債権を抱えない日本と既に金融引き締めが続いており成長率が鈍っている中国だろう。特に中国は成功体験が身に沁みついており国民がやる気を持っているから、再び中国株が注目される時期に来ているのだろう。
時代や:今度は中国株が上がると思っているわけ?
かたる:そう考えるね。日本の新聞にあのような記事が載ると言うことは現地はかなり混乱しているのだろう。要するに政策当局はインフレ抑制から成長路線に舵を切る可能性はあるね。その時は人件費はさらに上がり、ロボット化は進むから、ファナックの稲葉さんの行動は正しく株価ががることになるかも知れないね。
要するに世界の経済環境をどう読むかの問題だね。今朝の日経新聞にマツダ株を取得したファンドの話が登場していた。覚えておくと良いよ。マツダは僕が昨年だったかな注目した株で、この株の狙いは円安になったら間違いなく株価は急騰するよ。前回、200円に上がった時に買ったものと思われるが、あの時は既に世界景気も危うく円高路線が続く可能性があったけれど、今度はひょっとすれば条件が揃うかもしれないね。もし株価が上がる条件が揃えばマツダ株は市場の人気を集めるだろう。
時代や:最近はその様に自分に意見を解説して、自分の推奨から責任を回避しているようにも感じるよ。
かたる:誰だって先の話は分からないよ。バーナンキが今晩の講演で大規模なQE3を発表すれば、ドル安は進み資源価格は上がるだろうね。でも…その行為は一時的かも知れないよ。QE2の効果は続いている筈で、今の株安は行きすぎかもしれないね。QE3を始めたらすぐにお金が動きだし、一気に住宅問題なども解消のめどが立てば、この情報化社会だから一気に正常な成長力が加速して諸問題の解消が進むかもしれないよ。
どっちにしても、今の市場はありもしないドイツ国債の格下げの噂で揺れるように、明らかに下向きに行き過ぎており、この動きが修正されるのは時間の問題だろう。ほらエルピーダも大幅に反発していたね。こんな動きは安易に下を見ている投資家の参考になる筈だと思うよ。
二つのグラフを紹介して今日は終わりにしようと思う。
このグラフを見て、明日の株式教室の内容が分かるなら大した力量だね。僕は最近バロンズの「偽らざる真実‐賃金上昇率の縮小 米経済40年の歩み」のコラムで用いられた下のグラフは労働賃金の上昇率のグラフともう一つはDRAMの生産の推移を表したグラフを使って、明日ある仮説を述べるが…。果たして、どんな内容を述べるか分かる人は居るだろうか?



投稿者 kataru : 2011年08月26日 15:20