未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2011年)(2011年08月29日)

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かたる:注目されたバーナンキ講演は、無難にイベントを乗り越えましたね。市場関係者の行き過ぎた期待意識が上手く消化され市場に信任されたようです。「言葉の魔術」と言う言葉を使い、市場解説しましたが、この分野にたけていたグリーンスパンは最も褒められていましたが、バーナンキもなかなかのレベルですね。今の市場は基本的にお金もあるし、世界景気もそんなに悪くはありません。行き過ぎた期待に対するギャップの修正かな?…株安は、その動きの一環なのでしょう。私がいつも間違えている「足るを知る」と言う重要さが分かります。

余談ですがネットから引用ですが…、原文は「知人者智、自知者明。勝人者有力、自勝者強。知足者富、強行者有志。不失其所者久。死而不亡者壽」という老子の「道徳経」第三十三章からの引用で、現代語訳は『他人を理解する事は普通の知恵のはたらきであるが、自分自身を理解する事はさらに優れた明らかな知恵のはたらきである。他人に勝つには力が必要だが、自分自身に打ち勝つには本当の強さが必要だ。満足する事を知っている人間が本当に豊かな人間で、努力を続ける人間はそれだけで既に目的を果たしている。自分本来のあり方を忘れないのが長続きをするコツである。死にとらわれず、「道」に沿ってありのままの自分を受け入れる事が本当の長生きである。』だそうです。

株式投資のレーティングと言う作業を見ていると…いかにもいい加減ですね。株価が目標株価に達すると、更に目標値を引き上げたり、市場の動きに多くは追認していますね。100円の株価が300円になれば500円を求め、500円になれば800円を求める。最初に100円の株が300円になったのだから、足るを知っていれば、いい人生を送れたのでしょうが、300円になれば500円にと…欲が出てきますね。ベンチャリはまさにそんな展開でした。初めて薦めたのは100円台の株価でしたからね。最後は500円になっても、買い続けている自分が居るのですから…。老子は呆れているでしょう。

同じことです。世界中で財政・金融政策により景気が刺激され、リーマンショックの金融機能を補ってきましたが、金融規制を実施しながらの景気回復で、もともとゾンビ消費に支えられた過剰消費の水準を望む方が、無理と言うものなのでしょう。しかしQE2などの政策により通貨の価値は下がり、時間と共にゾンビ比率は下がっています。もう一度、さらなる拡大を実施し、インフレにするのは道理に合っていますが、その安易な選択は副作用も大きいですね。既にユーロからドルの基軸通貨まで影響が及んでおり、難しいかじ取りが要求されています。

時代や:最近、話を聞いていると、かたるは弱気みたいだね。7月の下旬に、米国の連邦債務問題が起こった時から、米国の株価は1万ドル割れも視野に入れる必要があるようなニュアンスだったし…。

かたる:そんな事はないよ。僕は楽天家だからね。覚悟さえすれば、世の中、恐いものはない。要するに自分自身の心との戦い方だね。今しがた、NHKのニュースでは野田財務大臣が新代表に選任されたと言う話です。財政規律を重んじる人ですね。イギリスの緊縮財政でも、株は下がらずに普通の動きでしたね。市場に大きな影響はないでしょう。野田さんの対する事前知識は乏しく、彼がどんな主張をするのかよく分かりません。基本は効率化の市場原理を推し進めれば、日本は変わる可能性があるでしょうが…果たして今の政治家に、その覚悟があるかどうか…。非常に疑わしいのです。

トロ:一般的には、財政規律を重んじると、公共投資などの財政支出が削減され、需要が失われるとの見方が出るんじゃないの? 復興増税もマイナスに作用すると考えるのが普通だよ。だから株にとってはマイナスなんじゃないの?

かたる:僕も以前は、そう考えていたよ。ケインズ経済の説明が分かりやすかったからね。しかし最近は日本の「失われた時代」を見ても、多額の公共事業投資を実施して、自民党はバブル崩壊を乗り越えようとしたが、結局、財政は悪化したが新規の需要に結びつかずに、失われた時代は続いているね。現在の製造業のGDP比率は20%を割れるんじゃないの? それにも拘わらず、メディアが円高は日本経済を空洞化に導き、如何にも雇用がさらに悪化すると騒ぎ立てるが…20%の内30%が生産移転しても、全体としては6%程度の話だよ。僕はことさらに、「円高は悪」と言う論理は間違っていると思うね。

むしろカローラなどを生産移転させ、間違った政策エネルギーを修正すべきだと思うよ。豊かさは物質的な便利さじゃないと、最近は感じているよ。自然の風や虫の声、日本はデフレ先進国で震災を経験して、大きく価値観が変化しているよね。先ほどのケインズ論理は既に時代遅れで、効率化の小さな政府を主張するシカゴ学派のフリードマンが市場経済の基本的な考え方になっている。株価だって既に下がり切っている水準で、これ以上悪くなりっこないからね。トロの心配も分からないじゃないが、古い考え方じゃないかな?だからイギリスの緊縮財政を、市場がどう判断するか興味はあったが、トロのような考えでは市場は反応しなかったね。心配する必要はないよ。

トロ:ものの…価値観って?

かたる:僕は最近、最も価値のあるのは人間の心を動かすものだと思っている。僕がこうやって「市場を通じて、日本を考える」サイトを続けているが、読者の中で僕の考え方が人生に影響を与えるかもしれないよ。僕を信じてベンチャリを買って失敗した人も大勢いるだろうが…逆に儲けた人もいるかもしれないね。DENAなどは過去最高株価水準じゃないかな? 何しろ分割前から手掛けているからね。

時代や:いや、儲かっている奴がいるとすれば、お前の推奨銘柄を空売りして儲けているんだよ。

かたる:まぁ、どっちでもいいが…心に感動を与えるとは…、何も同調する事だけじゃないね。怒りでも、驚きでも、何でも心を揺さぶるものだよ。泣けてくるのも良いし…感情を揺さぶられるものにこそ、価値があると思うよ。良い映画を観た時の感動とか…いい本に出会った時に考えさせられることとか…。僕なんか「白川通」の世界を見て、人生観が変わった口かも知れないね。あのハチャメチャな人生は、ある意味で、普通の描く生活感を否定しているね。先日、息子が家に泊まりに来て、久しぶりに話したら…「やりたいことがみつからない」といい年をした若者が言っているんだね。26歳だよ。社会人3年目かな?

まぁ、彼の会社の場合、社長が僕と同じで馬鹿をやって借金をして、会社は倒産の危機にあったからね。何とか生活できる水準に落ち着いたようだけれど…。要するに先日のNHKドラマの「下流の宴」現象だね。欲はないし…目標を失った人間か…。今の日本は希望と言う成功体験が、なかなか達成できないからね。今の環境で成功体験を得られるのは、たいしたものだね。かなりハードルが高いよ。お金ではなく社会貢献が、あたらしい価値観になるかも知れないね。社会に参加する意義を感じて希望に燃えて生きてみたいね。給料などは、食えればそれでいいね。

株は既に底値水準で、離脱準備に入っていると思っています。ようやく9月がやってきますね。長かった下げ相場も終盤です。例えば本格的な上昇には程遠いが、エルピーダのようなケースが出ることが下値に届いた現象の一つなのでしょう。間違ってもらっては困りますが、エルピーダを薦めているわけではなくあくまでも底打ち現象の一つの現れです。

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投稿者 kataru : 2011年08月29日 15:44