今日の市況(2011年)(2011年09月21日)
かたる:今日は欧州危機について再び解説しましょうか…、僕の基本認識はユーロと言う通貨だけを統合したシステムが問題で、統合に辺り加入条件があるので、それをクリアした国の債務を保証するのは通貨維持に不可欠な条件だと考えています。それにもかかわらず、度々、財政赤字問題が浮上するのは、基本的にシステムに欠陥があるのです。変動相場制の為替なら、財政赤字などの問題は、本来、軽減されます。通貨安を生みますから返済分が実質的に減ります。米国のように…。ギリシャのGDPは3100億ドル前後ですから24兆円ほどの国でしかありません。日本の20分の1ですね。
それではなぜ、これほど世界の株価を揺るがすのか?
一つはユーロの連鎖でしょうね。イタリアの国債利回りが上昇し、国債が格下げされ市場の不安を煽っていますが、輸出依存度の表から見れば、イタリアまで深刻な状態になるとは思えませんね。多少の財政削減策を実施すれば乗り切れると思います。ただギリシャは苦しいですね。望ましいのは支援が受けられないのなら、ユーロ圏から離脱すべきでしょう。GDPに対する財政赤字は日本の229%ほど高くはありませんが、152%と高いですね。イタリアも120%とGDPの総額を超えています。ポルトガルが次にターゲットになりそうですが…財政赤字のGDP比は91%で、フランスは88%です。アイルランドは114%なのですね。でもアイルランドは輸出依存度が高く大丈夫でしょう。結局、イタリアが狙われるのは、このGDP比率が高いからでしょう。〈クリックすると拡大〉
ただこれだけなら、連鎖は起きにくいのですが…第二のリーマンショックと言われる所以は、欧州の銀行がギリシャ国債を保有しているので、状況を見ると40%~50%程度のカットぐらいが妥当なのでしょうね。あるいはユーロ離脱か…。そうするとパリバの株価が急落したのは、この損失処理の為に自己資本が棄損し、補わなくてはなりません。その増資リスクが考えられ、保有額の多いフランスの銀行株が売られ、ドイツの銀行株が売られたのでしょう。この不安が増幅しドル資金の調達が難しくなったので、大量に資金投入したのですね。ギリシャ国債の保有額はフランスが567億ドル、ドイツが339億ドル、イギリスが140億ドル、ポルトガルが102億ドル、米国は73億ドル、日本は16億ドル保有しているとBISは発表しています。
ただ僕が知っているくらいなので、市場はこのリスクをかなり織り込んでおり、新たなにデフォルトとか起きなければ、既に株価面では織り込まれているのでしょう。問題は次でしょうね。今晩、発表されるFRBの金融政策は「ツイストオペ」と言われています。デュレーションの変更ですね。短期債を長期債へ変更するんだそうです。ただこれだけでは期待インフレ率を高めることは出来ずに流動性の罠の状態は続く可能性が強いですね。金融規制は依然続いています。
今は世界景気の二番底懸念で新興国はインフレから引き締めを実施しており次は緩和ですね。中国の不動産は30%減だそうです。おそらく年末から来年には緩和の方向性へ移行するでしょう。ブラジルは先ごろ引き下げをしましたね。全体景気を買える相場はまだ訪れません。むしろ景気減速懸念が強いでしょう。FRBは共和党からも金融緩和をしても無駄だと言われており、ドルの価値を棄損しているだけだと指摘されています。
結論を言えば、アップルが高値を更新する世界を、先進国が手掛けるべきだと言うのが正しいのですね。アップルの世界は情報化の進展ですね。新興国と闘う土壌が違います。スマートフォンは新興国ではまだこれからですね。LTEなどの技術はありません。つまり僕が提案している新社会資本整備の分野を伸ばす政策が正しいのです。だから現在、株価は下がって需給バランス調整に入ったDENAは、いずれまた新高値を狙えるのですね。持っている人は下値をまた買えば良いのです。200日線まで調整すれば理想ですが…どうかな?
他に業績の良さそうなのは…昨日、本日と連続でストップ高したJTトラストなどのサラ金業界の金融政策転換を買う流れが、生まれるかどうか…? 考えると少ないのですね。航空機はこれからですね。ようやく大量に受注を抱えた787の本格納入が全日空から始まります。新興国の経済成長は高く規模の拡大を続けますから、人の移動はどんどん増えますね。日本だってアジア圏を巻き込み、ようやく国境の壁がなくなります。はやくTPPなどを批准し障害がなくなれば、より一層、人の交流が盛んになります。航空機市場は非常に明るいですね。だからチタンの相場がジリジリ上がり始めているのでしょう。僕は業績面で来年飛躍するチタン株の相場は全体の景気が浮上する前に注目されます。この業界は増産体制したが…テスト飛行が延期の上に、さらに延期され、償却費が膨らんで大幅赤字になった業界ですね。貴重な相場の種の業界のひとつでしょう。
外人売りは止まっている可能性が高く、TBなどの短期債へ資金が逃避しているだけです。欧州問題はまだまだ続きます。この後に米国の経済対策を巡る混乱も続きます。全体の景気が回復するのは来年以降ですね。中国が先ず立ち上がらないとなりません。この秋から中国は燃費規制を実施しますね。技術的に不利な地元のメーカーは生き残りをかけた戦いを強いられます。おそらく中国のインフレリスクが軽減されると株式の不安材料は消えますね。既に外人売りは止まっていると思うのは、本日に日経新聞に半導体の悪口が載っていますが…エレクトロンは高いですね。まだアドバンとかは安いし…エルピーダなんかも一発高です。今日のルネサスはレーティングの変更だそうですね。基本はエレクのように叩いても下がらなくなればしめたものです。
昨日、日経225のチャートを示し25日線のかい離率がプラスになってきた状態を掲げました。あの意味は売り物が切れているのですね。先日はエレクトロンからデンソーを掲げましたね。デンソーは今日、戻り高値の2515円を抜いています。僕だって馬鹿じゃないからリスクを軽減すれば、相場を当てることが出来ます。そのうち日立は400円以下じゃ買えなくなりますね。だんだん、輪が広がるのですよ。上昇株の輪がね。エレクトロンの環境は良くありませんよ。でも株価は確りしている。
僕が考えている相場は必ず背景があります。ただ狙いが早いケースがある。マツダなどは完全に空振りでしたね。あの銘柄は昨年です。自動車が好調で…マツダも売れると思っていましたが、日産のマーチが移転したので円安になると考えていました。ところが輸出依存度はドンドン下がっているのに、それ以上に米国がお金をばら撒いたからドル安が進み相場のシナリオに傷が生じた。でもあれだけファンドが買ったので…今度、環境が整うと3倍ぐらいになるでしょうね。
僕が狙っているチタンも、必ず欧州の外人が再び参入すると思います。何故かと言えば…変化率が高いのです。あるアナリストによれば「純度の低い(純度60%以上)チタン原料の価格は従来比6倍に高騰しています。これは、中国など新興国で塗料などに使われる顔料(チタン原料の9割が顔料向け)の需要が高まっているためです。ちなみに、日本メーカーが使用する純度95%以上(一般的にスポンジチタン製造には純度90%以上を使用)の原料価格は同2倍となっているようです。原料鉱石は、金属元素で4番目に多いチタンでありますが、鉄鉱石や銅鉱石などと他の金属原料と異なり、チタン原料価格が安値で放置されてきたため、高純度に精製する豪州のメーカーが撤退したこともかさなったためです。」となっており間もなく価格交渉が始まります。
先日、技術的には難しくないと言いましたが、航空機用の高純度のスポンジチタンを作れるのは日本ぐらいのものらしいですね。中国やロシアは駄目なのだそうです。今は分からないでしょうが、先日の日刊工業新聞は現状を捉えていると思います。チタンゴットの価格も8ドルから12.5ドルです。過去は30ドルを超えていますね。生産量は増えており、こらから最盛期が来ると、うなぎ登りの急激な変化で利益が急増すると考えています。だからいつも割高な水準なのでしょう。あとはタイミングの問題です。全体が落ち着けば売り物が切れますから株価が飛びますね。だからこの下げは絶好のタイミングのポジションですが…全体のリスクが軽減されるかどうかですね。
お金を残すのは一銘柄で良いのです。株価が2倍、3倍になれば、あっという間に自己資金は5倍から10倍になります。昨日書いたように運命が人生を変えるのですね。やはり実力だけでなく運が必要ですね。フィデリティーなどのファンドはようやくDENAを組み込み始めているわけですね。時期がピッタリ合うかどうか…問題はそこなのですね。
投稿者 kataru : 2011年09月21日 14:19