今日の市況(2011年)(2011年09月22日)
かたる:楽観的なNY市場の砦であるFRBが、効果的な対策を打ち出せなかったので…不安感が増してきましたね。加えて『ムーディーズは、政府が大手銀行を破綻させる確率は金融危機当時よりも大きくなっているとしている。同社によれば、政府は大手銀などシステミック面で重要な金融機関には一定のレベルの支援を続ける公算が大きいが、破綻連鎖のリスクはそれほど先鋭ではなくなっている。このため、銀行の格付けの際に織り込む政府支援規模を危機前の水準に引き下げたという。
ムーディーズは6月2日、3行を格下げ方向で見直すと発表していた。銀行別にみると、バンカメの長期債務格付けはA2からBaa1に2段階引き下げられた。また格付け見通しは引き続き「「ネガティブ」」とされた。ただしムーディズは、この格下げはバンカメの内在的な信用の質の弱体化を反映したものではないと付記している。』と報道されています。つまり全体のリスクが増していると言う問題ですね。
トロ:ほら…ね。通常、来年は大統領選なので、景気浮上の為に景気刺激策を打ち出すので、景気が浮上して株が高くなるのが普通だけれど…、黒人大統領のオバマを悪者にしようとたくらむ白人の共和党は、これからもごねるよね。その方がスタートラインは引き下げられ、自分たちの天下になった時は発射台が低いから楽だもの。景気が悪化すれば税収は減り、今度はやがて米国の財政赤字問題が浮上するよ。ギリシャの後はイタリアなんて言っているが…米国だって怪しいよ。日本の多くの機関投資家は米国債を大量に保有しているが、この円高で実質的に大きな損失だろう。
流動性の罠の状態が続いていくよ。日本だけでなく米国も完全に日本化現象が続いているね。一旦デフレ状態が定着すると厄介だよ。日本は未だに流動性の罠から抜け出せずに「失われた時代」を続けているからね。米国も可能性が非常に高いね。世界の二大経済圏が後退するリスクを孕んでおり、おまけにソブリンリスクを抱えているから、こんな環境でどうしてリスクを取れるの? ムーディーズが指摘しているのは、個別の話しではなく、全体の市場リスクが低下しているから、バンカメもウェルファーゴも引き下げたんだね。これは深刻だよ。
時代や:つまり、やはり米国は1万ドルを割れる可能性があると言うこと?
トロ:直ぐには行かないだろうが、可能性は非常に高いね。もともとカタルが米国債のデフォルトが指摘され、あの時に、あり得ない連想を働かせたのだけれど…遠い将来の予感を感じさせるものになった。さらに先日の欧州会合でオブザーバーとして出席した米国が解決策を提案したところ、自分たちの所は大丈夫なのか?と、逆に非難されたんだよね。大きく売られてきたから、戻る場面があったとしても、また下がるだろうね。ほら先週末に戻る場面があったじゃない。あんなところは、絶好の空売り場面なんだよ。
かたる:情報化も困ったものだね。今では世界で起こることが瞬時に市場に反応されるよ。システム売買の比重が上がり一方通行の動きになっているからね。そうして買い物がない真空地帯を、どんどん叩くから、負の連鎖が働いている感じだね。ソフトバンクは悪材料と思われるアイフォーンの販売権をKDDIにも与えると言う材料が切っ掛けになって、株価位置を大きく変えてきたよ。マイナス材料は拡大し市場に反映され、プラス材料は無視される完全な空売り相場になっているね。
深刻なのは世界の金融株が軒並み、PBR1倍を大きく割り込んでいる現実だね。インフレを問題にしているが、商品への投機的な資金流入に制約を加え、僕は資産インフレを起こすべきだと思うね。そうすれば金融機関が豊かになりリスクを取れるからね。日銀の政策は正しいが、規模が小さく市場への影響度合いが少ない。もっと大量に買えば良いのに…。もっとも日銀より政府に、政策決定権はあるが動かないからね。
時代や:TOBが連発するんじゃないの?PERも割安だよね。
かたる:うん。でも残念ながら日本はフジテレビやブルドックソースでミソを付けてしまったよ。最高裁があの判決を下したので…市場原理から遠のいた事が野村証券の低迷に繋がっている。結局、こうなると三菱UFJや野村の行動は間違った経営判断とも受け取れる展開だね。このような仕組みに呆れた経営者が先日、経団連を脱会したのかな? 楽天の三木谷さんだね。彼の判断は一つの時代の節目を感じさせるものだね。でも僕は嫌いだよ。また買収を発表していたね。彼の基本的な考え方は企業買収を繰り返し、規模を拡大させている。日本で上げた利益への課税を嫌い、利益を上げない規模拡大の西武型の経営方針だね。儲かっているから、自分たちの分は身分相応の負担をすべきだよ。税金も払わずに偉そうに言っているやり方は、やはり応援は出来ない。
でも彼の行動は痛いほど分かるね。日本がいつまでも他人任せで自ら行動を起こさないからね。僕も疲れちゃったよね。20年以上も続くデフレは人生観を大きく変えさせるものだよ。今日も昔の部下から電話があり嘆いていた。証券マンとして生きている矛盾を感じている様子だったな。生きている証を感じるのは、人それぞれだろうが、建設なら自分が作ったビルや橋などの構造物は残り、社会貢献している事を実感できる。百姓も自分が作った作物を食べる消費者が居るが…株屋はデフレが続く限り、損を売って歩く「不幸を売る男」だね。何の為に…と言う矛盾を、今日は聴かされた次第だね。その話を聞き、僕は残念ながら反論が出来なかったよ。
市場原理が働くなら、自分たちの資金を使って成長する企業の姿を見ることはできるが…今日は愚痴が出る展開だね。
トロ:そろそろ目先の底を付けるかな? 強気のカタルが弱気に傾いているね。ハハハ…期待なんか…あるから失望するんだよ。カタルは株が上がっても、攻め続けるバブル型だからね。スケールの大きな相場ならソコソコの腕だろうが…時代が合わないよ。DENAだっていい実例だよ。空売りをするために証券マンを辞めたんじゃなかったの?
かたる:ふん、うるさい奴だ。でも、やはり下がったね。DENAは…。もうすぐ200日線の水準に近づくね。まぁ、ゲリラ戦だな。今日は先日、増資を実行したデジタルガレージが高いね。何か出たのかな?このような増資銘柄が、先日の公募価格268800円を抜いて来たら要注意だね。果たして抜くような相場になるかな? システマチック・リスクの為に全面安が続くが…僕は絶対に諦めないよ。
必ず、日本は復活するよ。
投稿者 kataru : 2011年09月22日 15:44