今日の市況(2011年)(2011年09月26日)
かたる:予想されていたこととは言え、厳しい状況を迎えてきたね。何とか好材料を指摘したいが、市場全体の景気状況を問う基本的な通貨問題で混乱することは、個別の問題ではなく、指摘される懸念が払拭するまで、本格的な上昇局面を迎えることは難しいように感じるからね。
トロ:あら…ようやく気付いたの?
自分自身でドルの基軸体制が崩れることになるから、大変だと…1万ドル割れを指摘していたじゃないの。ガイドナーの手腕を、これまで見てくれば分かるよ。既に責任能力を超えているから、具体的な対策が示されず、IMFに事態を委託したのだろう。つまりカタルの懸念は杞憂ではなく、実現する可能性が高いよ。基軸通貨の混乱は、益々、流動性の罠を拡大させ資金が凍てつくのだろう。いてつく…市場だよ。FRBはあたらしい対策を打つ出さずに重大な警戒感を示し、市場を確かめているように感じるね。
時代や:どういう事なの?
トロ:考えすぎかもしれないが、深刻な事態へのガス抜きをしているようにも感じるね。
時代や:ガス抜きって…
トロ:ギリシャのデフォルトから、ドルの崩壊までを市場に予知させ、一旦は悪材料を織り込ませ、対策を打ち出すと言うシナリオだね。
かたる:つまり…僕がドルの基軸通貨危機を考えるほどだから、市場関係者はギリシャ危機だけでなく、次のステップを見ている。だからその懸念を織り込んで対策を打ち出せば、効果的な心理要因になると…言う事なのだろう。株は諦めたところから、新しい事態が始まる。皆が先ず諦めれば、そこは岩盤になると言う事かな?
時代や:なんか、強気のカタルの話しじゃ…ないみたいだね。底が見えない下げが続くと言う事なのかな?
トロ:チャートを見れば8000円などの壁じゃ…止まりそうにないよ。やはり7000円台の攻防になるんじゃないの? かたるが強いと言っていたエレクトロンの安値更新は再び時間の問題だろう。
時代や:ほら…カタル、反論をしろよ。おかしいな…。いつもならガンガン反論を並び立てるのに…どうしちゃったの?
かたる:もともと、ギリシャ問題はダシに過ぎないよ。FRBが的確な対策を打たなかったのは訳があるのだろう。だからFRBの金融政策会議から世界の株価は再び下落している。
時代や:訳って、何よ。
かたる:分からないよ。既に金融の世界はグローバル化しているよ。たかがGDPが24兆円ほどの国でしかないギリシャ問題が波及して、銀行の自己資本問題を問いただしている訳じゃない。しかし…この程度の評価が一般認識だろう。でも根本はユーロと言う通貨体制問題は、未来の国際通貨の実験とも思われるね。ドルと言う基軸通貨は、オバマが大統領になった時に終わっている。しかしこちらは、あと1年も任期が残っているね。軍事力を背景にすれば、やはりドルは基軸通貨としての価値を有している。しかしきっと市場はヨーロだけで終わらずに、米国の財政赤字問題を問う場面がある。
深刻なのはヨーロッパの足並みが乱れ、ユーロ危機がギリシャ問題だけで終わらずに波及していることだね。イタリアへの波及じゃないよ。僕が心配しているのは、むしろ新興国の経済さ。今日のレアルの相場はどうなのかな? 新興国の通貨が売られると言うことは、デッカプリング現象が世界を救う筈なのに…、この前提条件を覆す可能性があると言うことだね。ここ2週間の動きは、ギリシャ問題だけでなく、世界経済の伸びに欠かせない新興国の金融を叩き始めた懸念が、消化されないんだね。
トロ:あらら…流石だね。弱気論もそこまで発展すれば、たいしたものだ。市場が暗く、そろそろセーリング・クライマックス…を、迎えるかな?
時代や:何か明るい兆しはないの?
かたる:資源価格が下がっているよ。物価が下がり始めた。だから中国などの新興国は間もなく政策転換をするよ。もともと補助金効果が薄れ減速している市場だけれど、何しろ13億人も人口がある国だよ。10%の成長は世界経済の落ち込みを埋めてもプラスに働くね。次の注目は中国で上海総合株価指数の動きに注意を払えば良いよ。
条件は広がるグローバル危機の回避だろうね。簡単な話だよ。水が漏れているギリシャの危機を先ずは救えばいい。たかが24兆円の規模の国だからね。市場は既に事態の波及を織り込んでいるから、蓋をずれば一気に楽観論が顔を出す。デッカプリング論は、健全な方向性を示しているよ。最近、誰も指摘しなくなったけれど、商社株が大幅安すると言うことは中国の政策転換が早まると言うことだよ。そんなに悲観にくれることはない。
投稿者 kataru : 2011年09月26日 15:50