今日の市況(2011年)(2011年10月03日)
かたる:強気のカタル君を迷わせる相場付きが続き、市場は弱気筋の話しばかりが横行している市場です。残念ながら、その弱気筋のシナリオを否定できるほどの見通しは立ちません。考えられるのは雲の合間に見える青空をどう捉えるか…と言うスケールの小さな話です。こんな時に買いで入るのは、なかなか至難な話ですね。
如いて挙げるならサラ金株か…と考え、Jトラからアコム、アイフルと狙っていたところ、プロミスにTOBがかかり、若干、戻っているだけですね。でも体制は野村証券に見られるような相場展開です。何度か打診を入れているチタンも兆候は感じますが、参加筋は未だに現れない様子です。格好の材料だろうと考えていますが、市場の支持は得られないようです。
トロ:別に仕方ないよ。ギリシャだけでなく欧州だけでなく、米国も国民は不満を抱えているわけで、カタルが考えている国際通貨のパラダイム・ショックが発生するなら、この程度の調整で済むわけがない。とってもじゃないが、株を買うリスクを取れる投資家が居るとは思えないよ。
時代や:つまり需給面から下落基調は、仕方ないと言う認識なんだね。
トロ:でも下落基調は続き売りが途切れる可能性もあるから、戻る可能性がないとは言えないよ。でも戻っても、やはり一時的だろうね。先日のエレクのような形なんじゃないの? エレクトロンは、まだ年初来の安値を割れてないが、所詮、上を買う投資家が出るような環境じゃないよ。
かたる:僕は売りが切れかかっている…との認識だね。ただ相場に元気が戻るためには、世界景気に対する信頼感が必要だね。つまりデッカプリングの確認作業が必要だから、資源価格もさがりインフレが鎮静化し中国の政策転換が前提になるだろうね。
もう一つの焦点はツイストオペなどと言う、市場の期待を裏切る政策じゃ、景気は持たないね。世界の消費市場を支える米国が元気を取り戻さないとならないが…金融経済を否定するオバマ政権では難しい。基本は金融機関が儲からないと景気は栄えない。実体経済だけで世の中が動くと思ったら大間違いだね。この認識が世界全体に希薄なのが哀しい現実だよ。世界の金融株がPBR1倍を割れている現実は完全なデフレ状態を示し、お金が動かない流動性の罠に陥っていることを物語っている。
時代や:その辺がよく分からないんだよね。カタルはいつも実体経済と金融経済の話をするが具体論を用いて話してくれる?
かたる:例えば家を買うにもお金が必要で住宅ローンを組めないと住宅は販売が出来ないよ。耐久消費財で一番高価なのは住宅だよね。次に車だろう。でも金融機関の査定が厳しいと融資が伸びないから消費は落ち込むね。ところが、米国は未だに金融デリバティブ商品の訴訟が続いており銀行は敗退しているよ。政府は目の敵になって金融機関を苛めている。丁度、サラ金の過払い請求のような状態が続いているんだね。先ずは過去の清算をきっちりしないとならないよ。日本の場合は1989年のバブル期が絶頂期で、それからすべての清算が終了するまで2003年だから、実質14年間の調整が続いていたね。
米国は2007年とすれば、まだ4年しか経過してないよ。つまり不良債権処理は未了だと考えられるね。ただ日本と違いFRBは積極的な支援をしてくれたので初動対策が確りしていたから、日本より回復は早いだろう。基本は金融機関が元気になる政策を講じないと実体経済は動かないよ。
時代や:つまり銀行融資が伸びないと実体経済は伸びないわけだね。
かたる:そうだね。仮需が伸びる状態を構築しないと景気は回復しない。日本の場合、金融機関は預金を国債に向けている。これじゃ、僅かな鞘しか抜けずに金融機関の利益にならないね。だから国債に寝ている資金を民間の経済へ還流させる必要があるよ。つまり金利裁定が起こるような現実を構築しないと正しい資金循環は生まれないよ。
ところが益利回りが20%を超えている現実なのに…僅か1%の国債を買う非効率な資金運用をしている現実が長く続いている。そろそろ論理的な資金運用を増やすべきだろう。その為には通貨のパラダイム・ショック不安を軽減する必要があるね。
時代や:何か暗い話ばかりだね。明るい話はないの?
かたる:そりゃ、復興関連でしょう。未来都市の建設は内需振興の柱になる。今日だって大型建設株は確りしているよ。代わって世界景気絡みの輸出株は、年初来安値を更新している。あまり暗い話をしても仕方がないからね。そもそも株価の下値は乏しいのだろう。基本的にはお金は余り、行き場を失っているわけで、希望的な信頼感が戻れば相場は元気になるよ。
投稿者 kataru : 2011年10月03日 15:11