今日の市況(2011年)(2011年10月17日)
かたる:勉強不足かな? 流石に金融の世界はレベルが高いな。知れば知るほど分からないことが多く、どうして、こんなことが起こるのだろう?…と考えるんだね。単なる数字のやり取りで、生産性を生まない株屋は、職業の中で、一ランク低い世界との認識がある。そのような考え方の基本では、人間生活で素晴らしい職業は農業になるのかな? 次に漁業や鉱業などかも知れない。
時代や:なんじゃい、いきなり…。
かたる:先日、白川道の「俺ひとり」を読んでいた時だったか…。要するに同じ金儲けでも生産をしない商売は、評価が低いと述べていたんだよね。社会への貢献度として、何か損ばかりさせて証券マン人生を終わった人間としては、心に突き刺さる言葉だったね。建設屋なら「ぼうず、あの橋は父ちゃんが造ったんだ」と形になるが…この20年間、成長企業らしい会社にお目に掛かれず、なさけない思いを抱いていたからね。
時代や:どうしてそんな事を考えたの?
かたる:今日の売買代金は今年1番少ないだって…。なんと出来高が14億53百万株で売買代金は9000億円に届かずに、8916億円だって…。情けない限りだね。松井証券では即日売買で、同じ担保を何度も使えると過大広告をしているが、実際に利用できる銘柄はごく僅かで…あれじゃ、公取から指導が来ても文句が言えない。きっと監督官庁のご指導の結果だろうと思うが…。何やら寂しい市場になってきたね。
今日の一番人気は、オリンパスだよ。効率化経営を推進する外人社長の退任は、会社の人間関係の軋轢の結果だと言う評価で、日本文化とグローバル基準の違いから、証券会社のアナリストはリストラ効果が薄れるとして、一斉に格付けを引き下げ、2日間連続の大幅安。出来高は54百万株を超え、売買代金は875億円で23%の値下がり。第二位のトヨタが147億円だから、断トツの一番の売り人気だね。先日までは東電が賑わっており、今日の日経平均株価は高いけれど、実態は売られているイメージだったかな?
トロ:おいおい、強気のカタル君が、どうしたの? 雲の合い間の晴れ相場じゃなかったの?それとも、お日様は再び雲に隠れたのかな? ハハハ…。
かたる:TPP交渉もそうだが、このオリンパスなんか見ると、日本的ないやらしさが見え隠れするね。僕はこの話をよく知らないが、何か今日本が抱えている問題の象徴と言うか…、一つの現象のような気がするね。口じゃ、グローバル化などと、かっこいい事を言っているが、当事者になるとみんな、徒党を組んで自己保全に走る村論理を感じるよ。
時代や:じゃ、オリンパスは空売りと言う事なの?
かたる:そんな事は言ってないよ。僕は株屋だったから、やはり買ってみたくてウズウズしたよ。何しろ内視鏡では、世界トップの会社で未来型の成長企業のイメージがあるからね。ほら、「ミクロの決死隊」だったかな? あの映画は記憶に鮮明に残っているからね。既にカプセル型の内視鏡が開発されており…夢のある企業だからね。でも財務内容なんかを見れば、明らかに割高にも思えるし…。株価判断は難しい会社だよ。
時代や:しかし欧州問題は、本当に峠を越したの。今までと何が違うの? 今までだって欧州各国はギリシャを支援すると言ってきたし…、今回のG20だって具体論は出せずに宣言だけだよね。ここ数週間で変わったことは、デクシアを解体させたことぐらいだよ。類似する銀行も多くありそうだし、S&Pは、カタルがよく話題にするフランスのBNPパリバの格付けを、AAからAAマイナスに一段階引き下げたんだよね。まだ欧州問題は続いているように思えるのに、何故、NY市場は3週連続も上昇し、年初の株価を上回るほど上がったのだろう?不思議だね。理解しづらいよ。
かたる:うん。それもそうだけれど…。一度、デクシアショックを吸収したので、反発したのだろう。コラムにも書いたが、NY市場は下値のボックスの高値圏に届き、ここからは今まで以上に、力がないと株価はなかなか上がらない水準になるね。見込みのありそうな株は、下値からおよそ2割上昇している。兎に角、現状は滅茶苦茶に悪いはずの半導体DRAMのエルピーダは、今日、買われているね。でも多くの銘柄は高寄りし、その寄り値を抜けずに陰線のケースが多いから、まだまだ相場に対する信認が戻ってないようだ。
時代や:仮に、このまま株価が上がると言うシナリオは、ないのだろうか?
かたる:先ずは市場から信任を受ける形で欧州危機が終息し、米国も議会と上手く行き、FRBが市場から認知を受ける政策を発表し、更に中国の政策転換があれば、相場は一変するだろうね。
トロ:その中国シナリオが、コマツや安川電機の相場に反映されているじゃないか。10月5日に1449円を付け一旦は底入れ、今日は1783円と23%も上がっているよ。でもツガミは昼休みに減額修正をしたが、この動きは決算発表を受け安くなり、エルピーダやエレクトロンのように行かなかったね。つまり第一陣の買戻しだけの打診の買いなんじゃないの?
かたる:そのようにも捉えることが出来るし…違う見方も存在する。多くの人はトロが前回指摘したエレクトロンのように再び安値圏に下がると言うイメージがあるかもしれないが…既に一度、下値を確かめているからね。たしかに10月4日は、3325円と8月26日の安値3335円を、多少、下値に更新したが…9月20日の戻り高値3940円をクリアしているから、やはり上昇相場に入っているんじゃないかな? 問題は7日の受注残の減額発表のあと、10日に窓を空けている。この窓を埋めるかどうか…この点に関心があるね。僕は相場に強気だが、残念ながら今日は買う気がなく空売りをしてみたよ。
トロ:おいおい、大丈夫か? 慣れないことをするとやられるよ。
かたる:僅かな株数だし実験だよ。やはり売りには未だに抵抗感があるよ。でも僕の株屋根性を変身させないと生活も出来ないからね。でも強気に考えると、中段もみ合いの絶好の買い乗せ場面にも見えるよ。何しろ連日、下値を切り上げているからね。仮に、そのような展開になると、一気に200日線の4494円をクリアするのかな。果たしてどうなるのだろう?
トロ:相変わらず、のんきな奴だね。
かたる:どうせ、政策はなかなか動かないからね。株を上げるのは簡単なんだけれど…。全国の銀行の預貸比率は、この5年間で6.2%も減少しているんだよ。なんと現在は70%を割れ68.9%になっている。驚くことに全国の11県が50%を割れているんだね。銀行業務を放棄している金融機関か…。
トロ:今日は売っているためか、弱気のコメントばかりだね。ハハハ…。売買代金が9000億円を割れたか…本当に、曇りの合い間の太陽だね。
かたる:もう氷河期は終わり、温暖化で暖かくなるよ。
トロ:今度は氷河が解けて洪水だな。タイは大潮で水浸しだって…。温暖化対策は何処に消えたのかな? 最近、CO2の話をしなくなったね。株なんて、きっといい加減なんだろうね。冒頭に時代やが、疑問を呈していたがその気持ちは分かるね。まぁ、基本的に投げが続いたので、そのリバウンド相場なのだろう、出来高が少ないことが相場を物語っており、再び下値を試すんだろうね。
かたる:ふん、うるさい。僕はまた買うよ。あったとしても、せいぜい短期調整で3日ぐらいのものだろう。さぁ、元気を出して頑張ろうぜ!
時代や:ヤレヤレ…これ以上、足が出ないと良いが…。
投稿者 kataru : 2011年10月17日 16:55