今日の市況(2011年)(2011年10月20日)
かたる:再び…市場は試練を迎えているように見えるね。10月5日からの巻き返しのNY市場の急騰は欧州危機を織り込んだようにも見えた。この背景はデクシアの処理なのだろうが…。もともと欧州の銀行の国債保有率が詳細に発表された記事を見たことがなく、最初はパリバからドイツ銀行へ向かったのに、いきなりデクシアが登場し、瞬時に処理が終わったようなスピード感があったので市場はその動きを好感したのだろう。しかし…度重なる緊縮財政はギリシャ国民の怒りをかっており事態が深刻化しているように思う。我慢にも限界があるからだ。米国も同様。
問題は、テクニカル的にNY市場は75日線上に差し掛かり、このラインを超えることが出来るか? 試されている。多くの場合、トレンドは持続されるから、依然、下降波動が有利で…23日のEU首脳会議に注目が集まっているが、根本的な解決には至らないだろう。それだけユーロの通貨統合は矛盾を抱えている。その矛盾を突く形で市場は結果を求めており、グローバル化の実験をしているようなもの。今は欧州が舞台だがやがて世界が舞台に変わり米国か日本がギリシャ化する懸念もないとは言えない。
多くの人が2008年から2009年にかけた金融危機の相場を想定している。あの時は…ここから更に下落し翌年の2月に多くの銘柄は下値を付けたのだ。ここをどう考えるか?先週の株価上昇はバロンズの記事のように「今年の株価底入れは完了か?」と言うレポートを掲載しているがまだ分からない。くしくも一番人気は日本の企業統治のあり方を問う売り人気のオリンパスで…大王製紙の事件なども絡み、九州電力とも同じ土壌にある日本の文化の変化が求まられている問題にも見えるから事態は複雑だね。
トロ:最近、かたるは変化しているの?コメントを並べると、昔のように強気一色ではないように聞こえるよ。前はここから年末高に向かうと強気ばかり唱えていたじゃないの?
かたる:僕は日本人だからね。侠客の世界が好きだし、約束事を重んじる方向性にあるよ。何としても約束は守りたいからね。でも不可能の事もある。この点は哀しい現実だ。まぁ、昨年、株屋を辞めたのも…一人だけ孤軍奮闘してもドン・キ・ホーテだからね。最近、和田竜の「のぼうの城」という小説を読んだけれど、成田長親のようにはいかないな。
昨日も諭されたばかりだよ。所詮、大きな川の流れには逆らえない。コバンザメでしか生きれない現実を直視するように努力をしているよ。本当は弱気論を並べるのは屈辱的な行動かな?でもなかなか思うように動かない現実があるからね。東電の処理も本来は国家責任だと考えているよ。ところが…官と言う組織は自己防衛能力からどうしても筋論から逸脱する傾向があるね。だから以前、中坊公平さんが述べた「国家と争うときは世代を超えた覚悟が必要だ」と言う認識があるのだろう
ある財界首脳がオリンパスの事件を問われ、日本のコーポレートガバナンスの進化に汚点を残したと言うような表現をしていたね。折角、グローバル化を推進しているのに、足を引っ張る現象になると言う見方があるね。丁度、2006年に僕はブルドックソースを嘆いたけれど、あの感覚に似ているね。真実が何処にあるにしても突然の緊急動議で社長をクーデターで追い出すのは日本の文化を疑われるよ。最初は僕は応援しようと買ったんだが、M&Aに絡む報道を見て、外人社長の意見ももっともだもの。だから今日は空売りから入り、直ぐに買い戻したが…売りは今まで負けたことはあまりないね。敗れるのはいつも買いばかりだ。
時代や:へぇ~。この水準で空売りをしたの。へぇ~、変われば、何とやらかな?
かたる:人間性は変わらないよ。今日も高値が1436円までだったね。本来、外人社長に非があるなら1500円の最初に買ったあの壁を破らないはずだよ。ところが1450円のラインを割れたのを見ておかしいと考えたね。そうしたら、あの日の日経新聞の夕刊にM&Aの話が掲載されていた。あの株価の動きを裏付ける内容だったからね。フジテレビの日枝さんや新日鉄の三村さんなどと似ている考え方だね。大王製紙などは犯罪だろうが…企業を私物化する考え方に似ているよ。九州電力の官を巻き込んだ既得権力の構図と一緒だね。
ただ昨日のWBS(ワールドビジネスサテライト)の報道にあった中国の華西村の成功を見ると国家全体主義と言うのかな?あのような統一された体制もある意味で素晴らしいね。だから僕はブルドックを批判したり、フジテレビや新日鉄、最近ではトヨタだろうが…その考え方の根底にある主義主張も分からないではない。株屋だから、どちらかと言えば米国寄りに洗脳されているのかもしれないからね。
時代や:また訳の分からんことを…。その背景と株価の動きが関係あるのかよ。
かたる:あるから述べているわけだよ。株は未来を探るゲームのようなものだね。日本の未来がどの方向性を向いているか?だから事件や様々な事象を相場に関連付けないと駄目だね。つまり相場の方向性は参加者の心が方向性を決めるわけだね。だからいろんな事件の背景を考える必要性があるよ。だから常に市場の人気株には目を向けないと相場全体が見えなくなるからね。僕はあらゆる可能性を否定しないように考えているよ。
時代や:その割には、散々の結果だな。お前と付き合っているためにこちとらも貧乏になってしまったよ。
かたる:別に強制はしてないよ。そっちから聴いてくるんじゃん。だから意見を述べているだけだね。昨日だって007のコメントを聞いていたじゃないの。
時代や:そう、それそれ。何しろ昨年散々高いところを買わされたから、下値を買う必要があるのだろうか?って思っているの。
かたる:そんな事は会社側に聞いてくれよ。仮にサムソンとの話が出たら、こんなもんじゃないからね。要するに乖離率から見て少し休んだ方が良いね。休めば休むほど強くなるよ。目先筋は仕方なく外すだろう。だから腰が強くなる。でも今日は、動きを見る為に短期の買い打診を入れたんだけれどね。当然、下がっているが…。この下げがまた魅力的。大きく下がったらアウトだと思って良いよ。でもあまり下げないで粘るようなら理想的な形になるだろう。
時代や:チタンの方も下げてきたけれど…こっちはどうなの?
かたる:急騰したから多少は下げるが、こちらは全体相場に影響を受けるね。でも業績の方向性は問題なく、依然、目が離せないよ。所詮、上がる株は分かっているわけだね。問題は仕掛け人の存在があるのか、ないのか? 更にその筋の力量が問題になる。それは相場を見れば自ずと判断が付くよ。
トロ:冒頭にカタルも指摘していたが、やはり下げの前の上げの印象があるよ。
かたる:どうかな?納得できないね。ブラジルは12%から11.5%に予想通り利下げしたね。ドルとのトレンド見るとボックスの上限に位置している。更にパリバは上限ではないが株価を保っているね。要するに一時の危機的な状況からは脱しているわけだね。恐いのはデカップリングの動きを止める、新興国からの資金の引き上げが深刻になるかどうかだね。
今日の日経新聞の海運相場の解説にもあったが、世界の需要をプラス面に押し上げるのはBRICsだね。あとは米国の消費だが…こちらはストは発生しているが、今の所、消費の伸びに陰りの兆候は見えないね。EUは落ちるだろうが…この分を新興国が埋めるかどうか…。この辺の見極めは現在の材料からは判断がつかないよ。だから相場は様子見に推移するんじゃないのかな? だから曇りの合い間の晴れ相場銘柄が活躍時期を迎えているのだろう。
投稿者 kataru : 2011年10月20日 15:21