今日の市況(2011年)(2011年10月28日)
かたる:先程まで、米国のワールドシリーズを観ていました。面白かったですね。逆転、同点、再びテキサスレンジャーズがリードすると、またセントルイスカージナルスが追い付くのです。最後は見事に奇跡の逆転サヨナラホームランで、第7戦に持ち込まれました。昼に飯を食って野球を見始めたら…虜になって最後まで見ることになりました。あのなでしこジャパンのワールドカップを思わず連想しましたね。ビックリしましたね。事実は小説よりも奇なりと言いますが…実際に世の中は何が起こるか分かりません。この感覚は生でないと味わえません。
トロ:NY市場は大幅高してよかったね。でもあまり東京市場は賑わってないよ。やはりこんなものか…。欧州の金融危機も峠を越したと言うが、まだ細部は詰めてないし民間銀行がギリシャのデフォルト率50%を償却するのかね…。強引に民間企業にあの妥協点を飲ませることが出来るのだろうか? それにイタリアはどうなのかね? イタリアも保守連合内閣で選挙が近いらしく年金改革など賛成できないと言っているし、効果があるのかどうか…。更に…銀行の9%の中核自己資本は厳しく、貸し渋りを生むよ。欧州景気は間違いなく失速するね。
米国もGDPで浮かれているが、かえってQE3が出しにくいでしょう。まぁ、もともと量的緩和で救える道理はないが、世界景気の見通しは穴だらけ。どう考えても株がドンドン上がるようには見えないね。きっと空売り筋の買戻しだけだろうね。もともと日本株は外国人が買わないと上がらない市場だから。長く下がったから少し買戻しが入っているだけだろう。
かたる:相変わらず、弱気説か…。米国のGDPを見ると消費が伸びており消費者信頼感指数の動きは正しいのだろうか? 米国のGDP統計を見る限り、やはりQE2の効果はある訳で、その効果が続いているように思うよ。ただ、やはり減速は否めないのだろう。
日本も2Qの決算が発表されているが、このラインは自動車の復興景気と言うか、製造できなかったから在庫がなく、そのために在庫投資をしたけれど、そろそろその増産効果は切れると言われているからね。
時代や:あれ、かたるは弱気なの?
かたる:そんな事はないが、そんなにガンガン強気じゃないね。理由はトロが解説しているね。基本的に金融機関の自己資本比率規制が強化されるのは、間違いない話。その影響は大きいね。実体経済が金融経済を頼らずに、成長を続けられる道理はないね。手元資金で住宅を建てる人が、どの程度、いるのかな? 車はキャッシュでも買えるだろうが、それでもローンを利用する人は多いだろう。それに総資産の圧縮は欠かせないから、世界と言うか、先進国の金融機関はポジションを拡大できないね。つまり海の向こうの日本株を買う人は多くないだろう。
時代や:まぁ、そうだよね。日本株を買うなら、成長力の高い中国を買うだろうし…やはり新興国の方が魅力的だもの。
かたる:昨日は友達から、銀行が上がっているがどうか?と聞かれたけれど…。あまり上がらないだろうと応えちゃった。本当の筋は金融なんだけれど…。三菱もようやく新興国進出に目覚め中国の支店を拡充するらしいが…MS支援をするより、アジアの金融網の方が有効なお金の使い方だよね。それに日本は大王製紙に、オリンパスと、市場経済の本質を歪める問題が再び起きているよ。僕は2006年、ライブドアから起こった一連の動き、新日鉄の持ち合い株構想やブルドック問題などを批判したが、同じレベルの問題が、再び表面化しているね。結局、フジテレビの日枝さんもそうだが、オリンパの菊川さんも同じ土壌の仲間だね。こんな事をしていれば、いつまでも世界から信任されない国と言う烙印を押されるよ。
時代や:じゃ、カタルは株が下がると思っているの?
かたる:いや、そうは考えてないよ。いくらなんでも上がるでしょう。でも急騰相場と言うのは無理だね。それに日本国債の問題が片付かないと、銀行株も上がらないだろう。
時代や:その日本国債問題と言うのは?
かたる:ギリシャを見れば分かるね。日本国債も五十歩百歩だからね。赤字国債は369兆円だから実際は70%程度のGDP比なので財務は健全で、財務省が消費税の引き上げを狙っているから借金が誇大表示されているとの指摘もあるが…。やはり皆から認められるには消費税の引き上げから借金の減少は必要条件だろうね。
色んなことを考えると、当面はゲリラ戦を余儀なくされるだろうね。本当は僕も銀行を主軸に本筋のラインを取り上げたいが…その芽は残念ながら、かなり薄いだろう。何しろラストリゾートの日銀はマスターベーションをしているだけで、政策実行者の自覚に欠けている。ただし方向性は正しいよ。
時間が経過すればするほど、円高じゃないが政策手段が乏しくなり、市場から強制的に変化を求められるかもしれないね。僕は小沢一郎が菅直人に負けたので諦めて株屋を辞めたが…残された時間は乏しくなっていることは事実だよ。でもしばらくはゲリラ戦で買いに歩があると思うよ。
トロ:結構、カタルも現実的になってきたね。
かたる:昔はこんな時に夢の相場を買ったものだがね。僕は今でも小野薬品のプロスタグランジンは忘れられないよ。社員時代の株式部長が熱を入れており、皆で15000円台だと思ったが…あの急騰相場に取り組んだんだね。人間は夢を忘れたらだめだね。壁がありその壁が高くても成功する夢を描いて行動することで、実際に歴史が動いてきたからね。僕は清貧思想なんて大嫌いだよ。だから当然、規則も規制も嫌いだね。まぁ、米国のティーパーティーだね。果たしてQBはものになるのだろうか?これで株が上がってくると面白いね。誰もが分からない未来を、相場はきっと教えてくれるのだろう。
投稿者 kataru : 2011年10月28日 15:12