今日の市況(2011年)(2011年11月01日)
かたる:また怪しい雰囲気が漂ってきましたね。米国ではMFグローバル・ホールディングスが破産法の適用申請を余儀なくされました。欧州国債に投じるなどリスクテークを拡大したのが失敗した原因だと言います。この事で気になることは…2012年に発効するいわゆる「ボルカールール」の細則をめぐる監督当局と金融業界の綱引きが続いていますが、リーマンショックから3年を経てMFグローバルが破綻に追い込まれたことで、取引制限の強化を主張する議論が追い風を受ける可能性がある。…と言う報道ですね。
時代や:どうして、それが気になるの?
かたる:基本は欧州もそうだが、金融経済を否定していることにあるよ。金融機能が働かない限り実体経済を支えるGDPの成長は期待できないと思っていいよ。故に世界中で日本化現象が蔓延することに繋がる可能性があるね。日本は完全に金融機能を完全に潰してしまったからね。噂によれば、野村証券も消える運命にあるとの声も聞こえるよ。
時代や:えっ! 野村が倒産するの?
かたる:いや、そういう事ではなく、どこかの金融機関の傘下に置かれるとの噂があるよ。かなり財務内容が悪化していると言うからね。基本的に金融危機後に買ったリーマン部隊は、野村の本体も道連れにしたとの評価もあるよ。まぁ、噂は兎も角、欧州もギリシャの国民投票が浮上し再び不透明感を増している。
トロ:多くの識者が、まだまだ先が長いと述べているよ。昨日の日経新聞の「米欧が踏む日本の轍」と言う滝田さんのレポートを読んだ?その通りだと思うよ。とてもじゃないが、株式相場が強気に転換するとも思えないね。
かたる:チャート上は既に下値不安の時期を抜けており、市場は欧州危機も消化している。本日の日経新聞に、キャタピラーの中国現地法人は増産意向を変えずに、2014年に2010年比で4倍に生産能力を引き上げると言う記事が載っているよ。キャタピラーは来年には、中国の政府が金融引き締め政策を転換し、販売が回復すると読んでいるようだね。この読みはカタル見方と一致する。僕は当初、来年の春節明けと考えてきたが、CPIの落ち着きが見られれば、年内にも政策を転換すると思っている。ここに来て豚肉など多くの食料品価格も下落基調になっているよ。
トロ:そうかな? イタリア国債の利回りが上がっており、欧州危機はまだ揺れ動いているよ。ギリシャの国民投票ではおそらく否定され、EUの離脱の話まで出て来るだろう。もともと為替の調整がないからシステムの欠陥があり、輸出競争力の高いドイツなどは有利になっており、さしたる産業のないギリシャなどは救われない仕組みだもの。
かたる:そうだね。本来は為替のおかげで輸出を伸ばしているドイツにその責任があると思うが、その話はなかなか表面化してないと言うか、一般化されていないね。でもそのような欧州危機を株式市場は織り込んだわけで、そのために米国株は下値のボックスを抜け出したのだろう。所謂、今回の欧州危機は、リーマンなどの金融危機の弊害による二番底を形成している見方が正しいのでしょう。何故なら、基本的に金融危機の余波を軽減しようとして各国は財政出動をして景気を支えたが、残念ながら損失規模が大きく、その傷が完全に修復できなかった。でも時間が確実に経過しており、不良債権比率は減っているよ。米国のホームローンによる過剰消費も軽減し始めているからね。
僕の言いたいことは、滝田さんが心配する先進国の日本化現象の懸念はもっともだが、日本と違いFRBは的確な金融政策を実施している。その為に一時はインフレに傾いたよ。基本はコントロールが可能なインフレにすることだよね。そうすれば財政赤字も減るし、可処分所得も増えるよ。やがて経済は正常な状態になるよ。中国は金融危機直後に大規模な財政出動を実施したが、その後は引き締めに転じているよ。今回は世界経済の政策転換の基準は、先進国にイニシアチブがあるのではなく、需要が旺盛な新興国にあるんだね。それに日本へ減少しているが、世界人口は増え続けており70億人を突破したね。
だから中国の政策転換が重要になるよ。中国は既に名目水準で日本を抜いており、中国が9%の成長をするという事は50兆円近い真水の効果があるんだよ。僕は、経済規模から見て先進国の落ち込みを救うためには、充分な成長力だと思うよ。先進国はネットを融合した新しい産業を育てることが出来るかどうか…例えばWAC(Wholesale Applications community)と言う全世界のコンテンツの提供会社があるが、うまく機能してないと報じられているが、これなどは基本的に新しい時代の動きだね。ネットテレビなどの取り組みに日本は遅れ、テレビだけを売ろうとして赤字を計上しているが経営方針が間違っているね。
要するに、アラブの春から、ウッキリークスの情報化推進の動きは、コンテンツサービスの無限の広がりを示しているね。情報の国際化で、有力なコンテンツサービス業がこれから有望なんだよ。
トロ:しかしDENAはストップ安だよ。
かたる:そうだね。この動きは売り上げが伸びないのに、費用が掛かっていることにあるよ。でも良く決算数字を見れば分かるが、この現象は今に始まったことでなく昨年から始めっているよ。だから国内だけでは駄目だから、世界に進出しているわけだね。その端境期の現象だろう。時間的なズレが、若干、生じただけじゃないかな? 南場さんが辞めて経営スピード感を重視している感じだね。この背景はそれを可能にする好調な現金収入にあるよ。その為に経営者はある程度、浮かれているのだろう。仕方ないね。この程度は…。前から3000円を割れるかと思っていたが…、やはり割れちゃった。
一目均衡表ではたぶん逆転現象が生まれており、雲を下に抜けると、三役逆転になるのかな? でもこの水準は堅いと思うよ。ストップ安か…実はこの水準は、昨年、僕がお客様にお奨めしている価格帯だね。あの時はここから2000円を割れてしまったが、見事に回復し4000円まで付けて下げているわけだね。来年はいよいよ世界の需要がプラスオンされる狙いだね。僕は任天堂と同じで成功すると思っているよ。だから株価は何処まで下押すか分からないが、早晩切り替えし年末、年始には新高値の可能性があると思っているよ。
今日のルネサスは高いね。大幅赤字を消化した形になっている。しかし此方は世界一のシェアが収益に結びつくか確認されていない。実に魅力的なやんちゃ娘のイメージだね。エレクトンは思ったほど…下げてないな。やはり僕は買いに歩があると思っているね。でも皆が大きく損をしているから、なかなか市場心理は変化しないのだろう。それゆえゲリラ戦を余儀なくされており、本筋が見えにくいのも問題なんだろうね。でもよく見てもらうと分かるが、本筋と思われる流れの銘柄はそうじて株価は下がってないね。それでは今日はこの辺で…。
投稿者 kataru : 2011年11月01日 15:38