今日の市況(2011年)(2011年11月07日)
かたる:2008年9月15日のリーマンショックは、前年から始まったサブプライムローンからCDSと二段構えの金融危機でした。その後処理の為に、多額の政府保証を付けて金融機関の基盤整備の為にデリバティブの縮小が世界の流れです。さらにBIS規制で国際銀行の自己資本比率規制を9%とする流れは変わらないようです。行き過ぎた金融技術の進歩にブレーキを掛けます。
ブラック・ショールズ方程式をマートン・ミラーが発展させ、その技術が米国に繁栄をもたらし、新興国の開発に繋がったのですね。本来、リスクを取れない人間が思い切った勝負ができるから、新しい時代が開けたのです。この時期に鄧小平が中国の改革開放政策を進めた歴史的な事実がありますね。神様は粋な計らいをしますね。毛沢東の粛清と呼ばれる文化大革命の後に起こる偶然は面白いものです。
時代や:また、訳の分からんことを言い始めたな? 株と、どう結びつくんだよ。そんな話が…。
かたる:僕はベルリンの壁が崩壊した時に、こう感じたんだね。これで東西冷戦が消えて「平和の恩恵」が得られる日本株は10万円になると…。ところが平和の恩恵は新興国に流れちゃったんだね。たしかに論理的には、世界の人口70億人の内、先進国の人間は少なく、富は薄く広く拡散する。インターネットの進化が情報の伝達を早め、独裁政権が崩れたね。きっと、ギリシャ問題の欧州危機なども同じ範疇の出来事の一環なのだろう。G7からG20に変わり、面白いことにユーロの問題なのに、イタリアの財政を監視するのはIMFだと言う。更にSDRの引き出し権を使う用意もあると言うね。
時代や:くだらんことを、ガチャガチャと…。
トロ:それで…どうなると思っているの?
かたる:分からないがユーロの問題点は、財政を独立させていることにあるね。一緒なら問題ないよ。日本では夕張が2007年に財政再建団体として破たん処理に入っているが日本は困ってないもの。ギリシャも同じだね。IMFのラガルド専務理事はフランス出身だね。ECBのドラギ総裁は、あのイタリアだよ。彼はゴールドマンサックスにもいたんだってね。それは兎も角、この危機はドルの基軸通貨からSDRへの移行の布石じゃないのかな? つまり世界通貨は一つになる。その準備に入ったのでは…との流れで見る。…と、考えるのが自然だね。
時代や:たとえ、世界通貨が一つになっても先の話で、その話が、どう株と結びつくの?
かたる:そんな事が分かれば、苦労はない。先が見える人間などいないよ。でも重要なキーパーツだよ。最近は考える鍵が多いよ。TPPなども重要な鍵だろうし…最近はWTIが高く北海ブレンドなんかとの差が縮まっているね。この意味は何かな? 一見、株と関係ない世界の流れは、非常に重要だよ。日本人と違い欧米人は我慢が出来ないよ。だからストやデモを良くするね。ただ今回の欧州危機は金融危機の始まりの出来事ではなく、収拾に向けた出来事のように感じるね。ギリシャ危機は確実に日本に布石を打っているよ。消費税を引き上げ、公務員はカットされる方向性にある。長い安楽の天下だった公務員様の受難時代が幕を開けるよ。
トロ:世界はひとつだね。日本も国家ではなく…一つの自治権のある島か。
かたる:うん。最近よく目にするのが、グローバル企業の税金逃れの報道だよ。本来、米国に本社があるのに、海外へ分社化して税金を逃れている。イギリスも日本も税金を払わない企業がたくさん存在する。僕は楽天が好きでなくなったのは、あの経営スタイルだね。もう大きくなったのだから、納める税金は納めるべきだよ。ところが彼は次々に赤字企業を買収し規模の拡大をしている。そうして税金を逃れているよ。おそらく、次はこの問題が大きくなると思うよ。効率化論理の市場原理からすれば、売上税を連結でかければ効率化を重視して、経済が発展するんじゃないかな? 売り上げ拡大主義が消えて…
トロ:そんな事をしたら商社などはつぶれてしまうだろう。まぁ、基本的な先の環境問題は兎も角、相場は相変わらず欧州危機に揺れる構図かな? 米国は微増ながら改善傾向のようだね。消費者信頼感指数が先行指標なら、年末商戦辺りは響くんじゃないの? やはり警戒を怠れないだろう。
かたる:そうかな? 確かに株価が急落したので消費者信頼感指数などもさえなかったが、5週間の上昇は年末商戦にも援護射撃じゃないの? 11月の中旬過ぎまで株価が何とか持てば、年末は乗り切れるよ。そうすれば中国の春節があるから、世界の消費は何とかなるんじゃないかな? 日本も予算がついて復興需要景気があるし…。今日の五洋建設はどうなのかな…休んだ後だから、面白い?
時代や:もう、じれったいな。どうして、わざわざ的外れな銘柄を話題にするんだよ。007の株価は急伸し、決算数字が出たけれど、どうなの?さらに予想通りDENAも上がっているようだが…どうなんだよ。
かたる:そうか…。最初、何故、高いか分からなかったんだよ。そうしたら業績修正が出ていたね。僕の予想は売上も減り、赤字予想だったが、売り上げが減ったので経費を削減したらしく利益は予想より増えていたね。ビックリしたね。赤字を覚悟していたのに黒字で増額するなんて…だから高いのは当たり前。おそらくデジタル特需がブルーレイなどの販売を押し上げたんだろうね。SQLなどは好調な筈で、どんどん積み重ねの利益に繋がる筈だね。株価的には先日の6万円台は天与の買い場だったのだろう。一番の不安材料だった決算数字が明らかになり、買いやすくなる効果は大きいね。
同じようにDENAも、神様がチャンスをくれたような気がするよ。今日は小さな材料に反応したようだが…。ここからは真空地帯で売り物がないゾーンに入るからね。基準値の2725円が株価的なポイントだろうね。たしか、それぞれの株価の見所を株式教室に掲載したよ。問題は自分がどう考えるかだよ。僕は自分が考えるように行動する。他人がどう考えるかなど…あまり考えないよ。参考になる意見なら気に留めるが…基本的に自分が信じている流れを大切にするね。銘柄などは1銘柄で充分だよ。成長株に育つなら一銘柄だけ売り買いを続ければ、100万円が1億円になるよ。要するに信じるかどうか…。誰も時代の先は見えないし、未来など分からないよ。
投稿者 kataru : 2011年11月07日 15:48