今日の市況(2011年)(2011年11月11日)
かたる:イタリア国債の入札が順調で値戻し市場に安心感が生まれているようですね。ソブリン・リスクの頂点は米国と日本ですね。欧州危機などは小物の実験に過ぎません。でも良く考えてほしいが、所詮、現状の枠組みは仮定なのです。歴史的な覇権を見れば、かつてはスペインが世界のルールを決め、イギリスに移り米国に流れましたが、大昔はローマとか…時代の変遷で価値観は大きく変わるのですね。
どうも景気拡大の「素」である信用乗数効果が、金融規制によるベースマネーの減少で乗数効果はさらに減りますね。ソブリン・リスクが指摘されると言うことは、ドルの基軸とかの体制が転換するのでしょう。だから金利も付かない金価格が高値を維持しているのでしょうね。それにしても住友鉱山は失敗しましたね。あれは800ドル近辺だと思いますが、産出量をヘッジしていますからね。どのくらいヘッジしたのか分かりませんが…思惑が外れましたね。
もし数年前の、あの時に、今日のソブリン・リスクまで予想していれば相当な金額が入っていたわけですね。経営判断とは難しいものですね。株もそうですね。的確な判断が出来れば、あっという間に、数兆円なんかのレベルでないでしょう。最近はアルゴリズム投資が一般化し、さらに市場の流動性が減っているので、目先の動きが増幅されているようです。東電やオリンパスは格好の餌食になりました。市場と言うのは恐いものです。優良企業と思われていたのに…あっという間の転落です。
日本国債を買っている地方金融の破たんが、いつ来るのでしょう。誰が考えても時間の問題ですね。その時は円安になり、一気に状態が悪化しますね。公務員は大変ですよ。物価は上がり、年金生活も大変になります。一番は自給自足のシステムですね。そんな最悪の状態が訪れるのでしょう。まぁ、先の悪夢の仮説は、頭の片隅に入れておいてください。
時代や:強気のカタル君も株屋を辞めてから、弱気に転じているような印象だよ。
かたる:まぁ、銀行株のみずほは100円だし、野村も240円だからね。強気を堅持できる状態ではないでしょう。フランス国債の格下げ誤報道のように噂で下がるようでは…要するに、びくともしない岩盤が、何処なのかハッキリしないね。TOPIXのチャートは節目を迎えているが、日銀は何をやっているのだろう? 簡単なんだよ。デフレ脱却も正常な景気回復も…。まだ政策手段はたくさん残っているが、間もなく、そのアイテムが使える時間が消えるんだね。使える有効期間がドンドン減っているよ。今ならマジックは沢山使えるのに…。
トロ:何年も言い続けているのに…実現しないんだから、そんなのは空想だよ。もっと現実的に欧州問題から米国問題への波及を考えればいいよ。ところで今日はオプションのSQだけれど、その割に出来高も少ないね。相変わらずの相場だな。オリンパスは正常な商いになっているね。
かたる:うん、今日は参加したよ。本当は、昨日、買おうと思ったけれど、引けの時点で20%の買い注文がなかったから止めたんだね。そうして今日は昨日の484円で指値買いを入れて、ストップ安の404円にも入れたけれど…下値は買えてないよ。
トロ:そんな…上場廃止になって、紙くずになるよ。そんなのを買うなんて…。
かたる:上場廃止は覚悟しているよ。でも過去の業績推移をみると、この10年平均の1株営業CFは211円だよ。つまりPER10倍なら2110円の価値がある。だから問題出現の前の株価はある意味で正しいね。更に経常利益の過去10年間の年平均は446億円あるから、その半分の223億円の10倍は、2230億円だね。発行株式総数が27128万株なので、一株822円と言う価値があるよ。世界一の先端医療の会社だからね。仮に追加の隠れ債務損失がなければ、買収価格としては一株822円ぐらいが妥当なのだろう。僕はM&Aの対象になると思うよ。東電とは違うところだね。
普通は上場廃止になった後にM&Aをするより、上場している時にM&Aを実施した方がやりやすいよ。だから期間限定のおもちゃだね。でも株としては面白くないよ。僕が参加したのは興味があるからだね。ライブドアも最終処理はまだ終わってないが、上場廃止でもっと買えば儲かったね。上場しようがしまいが会社には存続価値があるよ。今は上場の価値が薄れている。むしろ優良会社は、しない方が良いね。だからMBOが増えているのだろう。値動きだけを目的で売買するだけじゃないよ。
トロ:相変わらずの精神構造だね。呆れるよ。言い出したら聞かない悪戯っ子と同じだよ。
かたる:実験だから…。散々、お客様のお金で実験を繰り返し…ある程度の技量になっていると思うが相場を取り巻く環境がこれじゃ…なす術がない。でも今はモバゲーに燃えているよ。この焦点は株式教室か、なにかで書いているよ。誰も先の事は分からないから、結果は後で判明するね。ただ問題は予想が当たっても、勝負に負けることがあるからね。色んな過程があるから、その魔坂にひっかからないように慎重に行動しないとならないよ。
時代や:かたるは世界景気の動向をどう見ているの?
かたる:何度も言うけれど、僕は当初、QE2は成功し米国経済は立ち直ると思っていた。だからアメリカ野郎(ユニデン)に一時、注目して買っていたわけだね。でも予想より悪かったようだね。欧州景気はこのゴタゴタの緊縮財政を迫られ通常は景気減速の圧力になる。でもFT株価指数はあまり下げなかったんだよ。まぁ、イギリスは特殊かもしれないが財政規律の厳格化がどの程度景気を下押すか不明だよ。でも世界の人口を見れば…圧倒的にBRICsなどの比重が高く成長を続けているよ。
米国は3億、日本は1億、ドイツとフランスで合わせて1億5千程度だよ。中国は13億でインドも13億だよ。インドネシアは2億だね。大雑把だが…僕が言いたいのは生活が向上するワクワク感のある昭和30年代の「3丁目の夕日」の時代は希望にあふれ高度成長時代を繋がるんだね。今、中国はその高度成長時代で、インドは3丁目の夕日の時代だよ。考えてほしいが、金融危機が切っ掛けになりソブリン・リスクが生まれた。米国から欧州へ向かった嵐は、これで終演を迎える可能性があるんじゃないかな?日本は地理的にこれらの新興国と近く有利な条件に変わりないよ。
積極的なキャタピラーは、中国の年代煤砿機電を8億8700万ドルで買収したと言う。先日は三菱商事が銅鉱山の権益を持つアングロ・アメリカン・スール社を53億9000万ドルで買収したよ。何故、このような報道が評価されないのかな? 多くの市場参加者はオリンパスやTPPに関心が向かっているよ。今日だって国際帝石が売られたり、東京ドームが売られたり…訳の分からん理由で、株価が下押している。ネガティブ市場の際じゃないのかな?「陰極めれば陽に転じる」のが自然の摂理じゃないの?
僕は間違った市場の解釈が、修正される時期が近付いていると思っている。
投稿者 kataru : 2011年11月11日 15:08