今日の市況(2011年)(2011年11月16日)
かたる:またイタリア国債の利回りから、スペイン、フランスのラインが気になるらしい。その影響で日本株は安いらしいが…ここで欧州危機の実態を考えてみよう。イタリアはそもそもギリシャと違い、輸出競争力もありデフォルト・リスクは少ない。ユーロから離脱すれば、それこそ、すぐに輸出企業の業績が伸びて国内景気を押し上げるだろう。仮に離脱しなくてもギリシャより改善度は期待できるのですね。それは輸出額や輸入額の推移を見れば分かります。
この無限の連鎖の広がりが不安を呼んでいるのに、米国は国内景気の小売売上が確りしており、景気の落ち込みが少ないこという事で、株価は確りしています。それでは欧州景気はどの程度落ち込むのでしょう。財政規律を優先し緊縮財政をしているイギリスは、今回の緊縮策を始めても、それほど株価が落ち込みませんでした。景気動向は良いとは言えませんが大きく失速すると言う訳じゃないですね。
企業業績は震災から復興需要により日本のGDP7-9月期は1.5%増でした。年率換算は6%ですね。残念ながらタイの洪水の影響もあり10―12月期は減速するでしょう。それにこの復興需要も在庫投資なので実体の景気が上向いての需要と言う訳ではありません。買いの勢力は弱く、需給状態が悪いので相場は弱いわけですね。欧州の金融危機の影響で金融機関の自己資本比率は厳格化されますから世界の投資資金は減るわけです。それだから歴史的に割安な株価位置になるのでしょう。でもアジアは世界で一番、成長する地域なのですね。日本企業はその恩恵を受けますね。
時代や:いくらカタルが割安だと言っても株は上がらないよ。やはりトロの意見の方が正しいようだよ。やはり空売りの方に歩があるよ。
かたる:そうかな? 例年、この時期は買い場になっており、ここで買うのが筋だと思うね。僕はモバゲーのDENA、それに日経が報じているが、スポンジチタンの値上げ交渉で2割強の引き上げで決着したらしいよ。つまり増産投資と単価の引き上げで儲けの幅が確実に広がることが確認されたわけだね。
時代や:じゃ、何故、株価が下がっているの?
かたる:まともな投資家が少なく、売屋ばかりが横行しているのだろう。昨日の日経夕刊にはボーイング社の予測が載っているよ。中東では今後35兆円もの新規の需要が発生すると言う。まぁ、2030年までの話だが、足元も受注も好調でドバイのエミレーツ航空から777を50機も受注したそうだよ。この50機と言うのは金額に直すと180億ドルだと言うから非常に大きな金額だよ。やはり僕の予測通り、チタン株の業績はかなり増額修正されるのだろう。
トロ:それでは、何故、野村がレーティングを引き下げて株価が下げたの?
かたる:さぁ~? 理由は、野村さんに聞いてみてよ。スポンジチタンの価格交渉が2割の引き上げになったのは本当だろうし、会社側が増産投資をしているのも複数の新聞社を通じて報道されているよ。確かめるのは、貿易統計の数量と金額を追うことで分かるね。最終的には会社が発表する数字だろう。僕は与えられた材料から判断しており、野村の判断はおかしいと思うよ。
考え過ぎだろうが、GSは下げる前にオリンパスのレーティングを引き上げているよ。その間に株価は上がっているが、その過程では、逆にかなりのオリンパス株を空売りしたらしいね。そうして11月9日に空売りしたオリンパス株を買い戻したと言う話があるよ。本当かどうか知らないが…金融庁は一度、調べるべきだろう。インサイダーの疑いがある。こんな情報操作は、日本人に自主性がないから、お手のものだろう。高ければ買いに行き、安ければ売りに行き、自分の意見を持たない日本人は、付和雷同の群集心理で動く国民だからね。
時代や:イワシ民族か…面白い表現だね。そのオリンパスは、今日は株価がついているね。カタルは買ったと言ったが、どうしたの?
かたる:ロイターの上場維持の報道もおかしなタイミングだね。本当なら遺憾だよ。明らかに粉飾決算で上場廃止が筋だろうと思うよ。僕は買ったのは、今日、売ったけれど、理由は買収株価が800円台と計算したから、その株が700円台なら文句なしに売るよ。また下がれば買うかもしれないよ。本当は300円台になれば面白いと思っていたが、あまり下げなかったね。もともと上場しようが、してまいが良い会社だよ。でも時価主義会計と言うか…市場原理と言うのは正しいのかな?
トロ:あれ? かたるはバリバリの市場原理派だったよね。
かたる:うん。市場原理主義が効率化社会を形成し、人類は進歩すると思っていたが、でも正しいのか? 最近は疑問に思うことがあるよ。イタリア国債にしてもそうだが、国のCDSの価格が上がり構造改革を促しているが…この考え方が正しいの? オリンパスの菊川さんは悪者だよ。嘘をついてみんなを騙していたわけだから…しかし彼はその損失を処理して、尚且つオリンパスの世界シェアを拡大させ、良い会社に育てたよ。
そう考えると…果たして市場原理のルールは正しいのかな? 日本市場と言うか…日本人は非常にネガティブな発想だよね。常に悪い方に目を向けるよ。一体、正義って何かな?野村証券が価格操作をして、それを批判してコンプライアンスが強化され、やくざと対等に勝負ができる人、所謂、仕事が出来る人がやくざ絡みの事件の責任を追及され業界から追われたが…その後、野村証券は清貧思想を取り入れて綺麗になったが、会社は良くなった? 逆に株価が下がり続けているね。仕事ができる人が、みんな居なくなったんだね。コンプライアンスだけで食えるのかな?
トロ:お前は「悪」を容認するの?
かたる:いや…「ルール」は守らねばならないが、メディアが言うというか納得するほど組織を叩くと、みんな駄目になるんじゃないのかな? 菊川さんは素晴らしい経営者との見方も出来るね。きっと、彼の心の中では、全ての処理が終わり、業績が安定し安心したからマイケル・ウッドフォードと言う外人に、社長の座を譲ったのだろう。ある面から見れば、彼の功績は素晴らしい。しかし損失を隠しみんなを騙したことは悪いが…昔の会計処理である簿価会計なら、損失を計上しなくても良かったかもしれないね。まぁ、減損会計はあったけれど…時価の判断があいまいだったからね。
時代や:いつものカタルらしくないな。
かたる:だって…本来、イタリアもフランスも一所懸命にやっているが時価会計処理が進みCDSなるものがあるから、不安になり過度に世界が動いているんじゃないの? オリンパスの損失隠しは、時間の経過でなくなったんだね。時価会計とか正しいのかな? ルールは何時も変わるよ。日本国債の損失が広がった時に、時価会計をやめて償還まで持つなら簿価で処理していいと財務省は通達を出したね。このように国を挙げてのイカサマを容認したこともあるよ。だれが7%を超えたらデフォルト・ラインなどと騒ぐのだろう?それ以上にインフレが定着し、成長力が高まるなら8%でも9%でもあり得るよ。
トロ:それは成長力の可能性から言って、あり得ないだろう。飛躍しすぎだよ。
かたる:まぁ…ね。僕が言いたいのは時価主義って、正しい考え方なの? 中国の成長を見てもコントロールされたルールの方が正しいかもしれないよ。中国の華西村の例もあるし…市場原理が正しいのかどうか…。
トロ:株で損をし続けると色んなことを考えるものだね。ハハハ…早く諦めな。空売りをすれば楽しい人生が歩めるよ。所詮、日本は行きつく所までいかないと変わらないよ。歴史を見れば、外圧でしか日本人の体質は変えられないんだよ。最後の場面を向かえば、何れ良くなるが、まだまだ先の話しだろう。株なんか買えないよ。
投稿者 kataru : 2011年11月16日 15:12