今日の市況(2011年)(2011年11月18日)
かたる:本日の相場は米国株に引きつられ安いですね。米国株が安いのは第3金曜日のSQに絡む動きもあるのでしょう。昨年は10月に日銀の資産デフレ対策が発表され、ETFやリートの日銀買い入れが実施されました。しかし発表直後、株は少し反応して上がりましたが直ぐに下がり、11月まで弱含みの推移でしたが12月になったらようやく上がってきたのですね。あれほどの材料だったのに、直ぐに反応せずに時間をおいて反応しました。要するに株を買う勢力が、長いデフレで居なくなったのですね。まぁ、株が好きで市場を愛しているカタル君が食えないわけでもないのですが…嫌気がさして株屋を辞めたほどですから…ね。相変わらずの相場付きです。
今日はオリンパスの菊川さんの話をしたいと思うのですが…まだ全容が明らかになってないのでコメントすべきでないかもしれないが…どうも僕は菊川さんを憎めないと言うか嫌いじゃないですね。仮に自己利益の為に損失を隠し、自己利益を育んでいたらこれは駄目ですが、今の状態では会社の為に…と言う印象が強くあります。財務担当の役員時代に社長から財テクの失敗の責任を問われ、飛ばしに加担したとしたら…どうでしょうかね。お家の大事を抱え、家老は必死になって善後策を練りますね。そうして野村の担当者から飛ばしの提案があった。当時の社会環境では「飛ばし」はある程度、容認されていたのです。
そうしてひたすらに社業を伸ばし頑張ってきてようやく処理に目途が立ち、M&Aの形で損失を処理し過去の清算をした。その間、社業を伸ばし内視鏡の分野で努力し一流企業のブランドを確立し、彼は後進に道を譲るのです。これだけの実力があるのだからグローバル化を念頭に置き、社内のイエスマンでなく、外人を社長に抜擢しグローバル化に取り組んでほしいとバトンを渡したのです。これが江戸時代なら美談ですね。兎に角、お家のために一所懸命に頑張って成功したわけです。時価会計があいまいな昔なら許された道徳観も、あの年齢ですからあったのでしょう。一所懸命にオリンパスを一流企業に育てたのです。ペンタックスなど落ちぶれる精密メーカーが沢山ある環境で、ある意味で偉業を成し遂げた立役者が一転して悪者の極悪人に仕立て上げられたのです。
トロ:おいおい、粉飾だよ。何を擁護しているんだよ。投資家を騙し詐欺を働いたようなものだよ。そんな人間を許せるわけがないじゃないか?
かたる:企業統治の話だが会社を私物化する経営者もいるが…噂によればフジテレビの日枝さんなどは、その手の経営者と言う話も聞いたよ。自己利益を優先させたと言う話だが…日本の場合は高額の報酬が約束されないから、ある意味で自己利益を会社に付け替えるのが風習として残っている。例えばサラリーマンが会社の経費で個人の飲食代を経費として計上するケースなど…最近は厳しくなっているが当たり前のように行われているね。
でも菊川さんの場合、ひたすら会社の事を考え、会社の利益の為に行動していたとしたら…彼を責められるかな?昔は政治家の汚れを、すべてかぶって自殺した秘書もいたね。竹下登の秘書の青木さんの自殺はそのケースだと言われているよ。またキャリア官僚の不祥事をすべてかぶり自殺したノンキャリアもいた。任侠の間違った解釈かも知れないが、親分の不祥事を被る子分が居る。
トロ:お前らしい拡大解釈だね。いいか、投資家をだまして金を搾取したんだよ。粉飾決算は許されるものじゃないよ。他人をだましたんだよ。これは美談でもないし…完全な悪だよ。自分達の失敗を隠したんだよ。その損失を解消したからお前はそう感じるかも知れないが、失敗したらどうなんだ。もし経営状態が悪くなって赤字が拡大して来たら…お前は今のように考えるのか?
かたる:トヨタの章男社長が国内雇用を守る為に300万台の生産を維持すると頑張っていると言う。一方、日産は早々にグローバル展開を図っているね。この経営は明らかに利益だけを考えれば海外移転をした方が良いよ。これは株主に対する背任行為じゃないの?利益を追わずに日本国の利益を考え生産を移転させない。
一体、企業統治とは、なんなんだよ。時価会計主義が正しいの?その為にCDSが生まれ、流動性の乏しいCDSの価格が不安を煽り、恣意的に市場を動かす連中が居て、世界中の人が失業に喘ぎ、犯罪が多発する。これが幸せなのか? 僕はずっと市場原理主義が正しいと信じてきた。効率化が進めば技術や文化が進み人類が幸せになると思ってきた。資本主義が社会主義を凌駕したのがベルリンの壁崩壊だと思っていたが、中国の華西村の幸福は何故なの? 市場原理の米国はどうなるのだろう?
小沢氏は中国に接近し米国離れを模索したから、米国の差し金で地検からやられたと言う。市場原理って果たして正しいのかな? 時価会計が正しいのかな? 価値観なんか時代で変化するし、他人によっても違うね。お金を欲しがる人が一般的だが、お金で人の心は買えないし、動かない人間も居るよ。
時代や:ねぇ、かたる。今のお前がそんな話をすると、敗者の論理に聞こえるよ。
かたる:そうだね。そうかもしれない。ただギリシャからイタリア、流動性のないCDSが市場を動かし、メディアを操作し混乱させている現状があるから…。誰も真実を考えないから、あえてオリンパスを例に、別の見方があるんじゃないかと思ったんだ。菊川さんが、時間が経過して10年後とかに、事の真相を話してほしいね。ひょっとすれば、彼の心の中は単に会社を愛し、そのためだけに一所懸命に働いてきたかもしれないよ。純粋な滅私奉公の精神で頑張ってきた人間の行動を、果たして僕らは責められるだろうか?
あぁ~。とうとう割れてきたね。みずほは100円を割れて99円だよ。日本人は自ら考えて、自分の意見を持つべきだね。TPPなど…これからは難しい国論を二分する決断を迫られるからね。グローバル基準と板挟みでギリシャの首相もイタリアの首相も辞任した。果たしてこれから日本国の論理が、世界に通用するのかな?
僕は値動きだけに右往左往する投資家が残念でならないよ。自分の価値観を持って相場に臨んでほしいものだ。さて皆さんは菊川さんの行動をどう考えているのでしょう。やはり悪でしょうかね? できれば皆さんからの意見を聞きたいと思っています。関心のあるからは是非メールをください。後日、匿名でホームページに意見を紹介するかもしれませんが、それを考慮され意見メールを頂ければ幸いです。(迷惑メールが多いので、題名に「オリンパス」と入れて頂ければ幸いです。)
メールは…kataru@irnet.co.jp
投稿者 kataru : 2011年11月18日 15:07